経営者の覚悟

コラム 2024.06.21
DXビジョン&ビジネスモデルDX 戦略・計画策定 デジタルマーケティング
経営者の覚悟
目次

本コラムは、ダイヤモンド社発行の「DX戦略の成功のメソッド~戦略なき改革に未来はない~」の第2章の抜粋記事です。

   

ここまでで紹介してきた「DXを阻む5つの壁」を突破する上で必要なことは、「経営者の覚悟」である。なぜなら、5つの壁を乗り越えるためには、①経営者自身の変革、②戦略投資の決断、③断行、④人的資本マネジメント、⑤組織風土改革などが求められ、いずれも経営者自身がなすべきことだからである【図表2‐4】。

DX戦略の体系
【図表2‐4】5つの壁と経営者の覚悟

DXに強い関心を寄せる経営者は多い。実際にDXの推進に取り組む企業も増えてきた。なかには「権限委譲」を名目に、システム部門や若手社員に任せきりというケースが散見される。
しかし、DXはビジョンの実現に向けた継続的な投資が必要となる。したがって、経営者自身がDXとそれに伴う市場変化の可能性を最も理解しておかなければ、投資の意思決定ができず、DXビジョンは必ず形骸化する。
それどころかDXに対し健全な危機感を持っている若手メンバーと、それを理解できない経営者の間でギャップが生まれ、有望人材の離脱にまでつながるリスクが考えられる。

DXに関する理解がないということは、数年後のビジネスに対する理解がないということでもある。もし、「デジタルに詳しくない」という理由でDXに距離を置いている経営者がいるとすれば、社内で最初に変わらなければいけないのは経営者自身といえるだろう。
経営者の覚悟がないDXは成功しないと断言してもよい。DXとは、トップ自らが本気で取り組むべき改革なのである。

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AUTHOR著者
執行役員 デジタルコンサルティング事業部 武政 大貴

財務省で金融機関の監督業務や法人企業統計の集計業務などを担当後、企業経営に参画したのち当社に入社。実行力ある企業(自律型組織)構築を研究テーマとして、見える化手法を活用した生産性カイカクを中心にコンサルティングを実施。生産性の改善を前提に、DXビジョン、IT構想化、ERP導入支援及びSDGs実装支援など世の中の潮流にあわせたコンサルティングメソッドを研究開発しながら実行力ある企業づくりにおいて高い評価を得ている。

武政 大貴
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