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評価調整会議とは?
評価調整会議をスムーズに進めるための方法を解説

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評価調整会議とは?評価調整会議をスムーズに進めるための方法を解説

評価調整会議を通して、考課者が共通認識を持ち、
評価スキルの向上に繋げることが重要である。

評価調整会議とは

評価調整会議とは

近年、人事制度を見直す背景の一つとして、年功序列による昇給から成果や貢献度に応じて評価し昇給する仕組みに移行する企業が増えている。今まで年功的に昇給してきたため、制度移行において課題となるのが評価についてである。評価が昇給や昇格に大きく影響するため、評価に対する重みも増し、考課者による評価の甘辛によって社員のモチベーションにも大きく影響する。
例えば配属される部署によって売上の高い部署と低い部署との評価の差や、職種による評価の違い、評価者によって評価基準・着眼点の捉え方も異なる場合などが課題となる。このようなバラつきの調整や部署・職種による不公平感を調整するため評価調整会議を行う企業も多い。本コラムでは評価調整会議を進める上でのポイントや具体的な進め方について紹介したい。

評価調整会議の準備

評価のバラつきを確認するため、評価結果一覧を用意することを推奨している。例えば評価項目ごとに自己評価・一次評価・二次評価の点数が分かるようにし、評価の高い・低い項目にチェックすることや、評価調整前の段階での評価ランク、前回の評価ランクなど用意するとスムーズである。また部署別や等級別に平均値を出したり、考課者ごとに評価点数のつけ方の違いをみるなど自社の状況や課題に応じて作成することも比較することができ有効である。

評価調整会議の進行方法

評価調整会議の進行方法

評価調整会議を行う際は、目的を明確にすることが重要である。あくまで調整することが目的ではなく、考課者が評価項目の意味を正しく理解し、事実をもとに評価ができているかが重要である。考課者の人数や社員規模にもよって調整は必要だが、主な流れは以下の通りである。

1.評価者が集まり、各人の評価結果のすり合わせを行う。
まず評価者が集まり、各自の評価結果に関してすり合わせを行う。評価者が多すぎる場合、意見が出にくくなるデメリットもあるが、評価点数の根拠や基準を全員が共通認識で捉えることが重要である。認識を揃えることで被考課者へのフィードバックに対し、より高い評価を取るためにはどのような行動が必要なのか具体的にアドバイスすることができる。

2.極端な評価についてその根拠を具体化する。
良い・悪い評価に対して評価エラーが発生していないか確認しながら、正しい評価がつけられているか確認する。 特に悪い評価は理由があることが多いが、良い評価は抽象的であったり、考課者により判断が割れることもあるため、目線合わせが必要である。

3.評価調整会議を行う際は、下位等級から実施し管理書は経営層のみで調整会議を行うなど配慮が必要である。

評価調整会議を活かすポイント

評価調整会議を活かすポイント

評価調整会議が目線合わせの場で終わらず、より有効的に活用するために以下を意識していただきたい。

1.評価者研修の実施
評価調整会議の中で出た意見や考え方を基に、評価者が共通認識を持つことが重要である。評価項目や評価基準に対する正しい理解を促し、会社が何を求めているかを被評価者に対して伝えていけるよう評価者のスキル向上に繋げることが重要である。

2.フィードバックの進め方を整理する
調整会議の結果をフィードバックする際に、根拠を持って被評価者に評価結果を伝えることで納得性を持たせることができる。特に自己評価より評価が下がった社員にはモチベーションが下がらないよう説明だけでなく、どうすれば良いかなど相手に寄り添うことが望ましい。

3.社員の成長テーマ(目標設定)を明確にする
評価は「査定」することが目的ではなく「人材育成」に繋げることが重要である。そのためには具体的に何を期待するのか、どういう行動をしてほしいのかを明確にすることにより、自身の課題や次の成長テーマ(目標設定)に繋げることが大切である。

まとめ

評価調整会議はこれまで述べてきた通り、評価を調整することだけが目的ではなく、評価者の目線合わせや評価スキルの向上に繋げていくことが重要である。タナベコンサルティングでは「設計2割・運用8割」を提唱している。評価調整会議で終わるのではなく、評価者を育成し、評価を通して社員の成長につなげ、価値発揮につなげていただきたい。

この課題を解決したコンサルタント

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