人事コラム
人材育成

リーダーの成長を可視化する!リーダー適性診断の使い方とは

チームの成長の鍵はリーダーの適性にある。リーダーの特性と適性を正しく把握し、成長を可視化することで行動変容を促し、より多くのリーダーを生み出す。

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リーダーの成長を可視化する!リーダー適性診断の使い方とは

リーダーの成長は、現在地の把握と
適切なフィードバックによって実現する

チームの特性=リーダーの特性

チームの特性=リーダーの特性

チームの特性はリーダーの特性に大きく影響されます。リーダーの考え方や価値観によってチームのマインドセットが形成され、リーダーが変わればチームのカラーもその人に合わせて変わります。これは、「特性」という性質が3つの要素を持っているためです。特性とは、環境や経験によって変わることのできる性質であり、「性格特性」「行動特性」「環境特性」の3つを指します。この3つの特性は変わりやすいため、メンバーに与える影響も大きいです。
「性格特性」でいえば、例えばリーダーが創造的であるか計画的であるかによって、チーム内で求められるルールが変わります。メンバーはその価値観に基づき、リーダーに受け入れられる(評価される)ために自己変容を行います。「行動特性」はリーダーからのアドバイスやフィードバックに基づいて行動変容が促され、形成されます。「環境特性」に関しては、リーダーとの相性や考え方が直接メンバーに影響を与え、メンバーの成長や活躍、さらには定着に至るまでリーダーの特性によって左右されるのです。

「性格特性」と「リーダー適性」

「性格特性」と「リーダー適性」

だからこそ、リーダーの見極めと育成は、組織戦略において非常に重要な要素となります。多くの企業がリーダーの育成に力を入れていますが、見極めという観点においては不十分と言わざるを得ません。これは、日本の組織構造上、ハイパフォーマーがそのままリーダーとなる傾向があるためです。プレイヤーとして成果をあげた人材がリーダーに抜擢されることが多く、その人の特性や適性を考慮せずに、「優秀だから」とリーダーにされてしまうのです。しかし、リーダーにも当然「適性」があります。プレイヤーとしての能力が高いからといって、リーダーの適性があるとは限りません。場合によっては、組織のパフォーマンスが下がり、チーム全体のパワーを失ってしまうこともあります。会社の方向性に沿った判断ができるか、メンバーのマネジメントができるかどうかもリーダーとしての適性に含まれます。
とはいえ、適性を見極めてからリーダーを育てていくほど人材に余裕はなく、見込みのある人材はすぐに登用していかないと組織自体が停滞してしまうのも事実です。

リーダーの成長を可視化する

リーダーの成長を可視化する

だからこそ安心してください。「適性」とは、知識や意識によって変わることのできる性質であり、特性と同様に、育成によって「変える」ことが可能です。

タナベコンサルティングでは、リーダーに求められる適性を5つに分類しています。

・価値判断:経営的視点に基づいて判断することができるか
・戦略思考:戦略的に物事を考えられるか
・組織運営:部下を適切に管理する意識があるか
・問題解決:現状に課題を持ち改善する意識があるか
・人材支援:部下を育て成長させる意識があるか


これらの適性は、意識や知識の有無によって変わるものであり、性格特性と合わせてみることでリーダーとしてどのような面で適性があるのか、どの部分が苦手なのかを把握することができます。当然ながら、すべての適性がまんべんなく高い人材が現れることは稀です。重要なのは、現在のわが社において、そして未来のわが社において求められる適性が何か、そしてその適性を伸ばしていくことができるポテンシャルを秘めている人材は誰なのかを分析することです。そのうえで、それぞれの適性を伸ばすために必要な研修や体験を提供することがポイントとなります。
この特性と適性を上手く活用することによって、組織に必要なリーダーを見つけ出し、そのリーダーを必要な方向に育てていくことが可能になります。

効果測定のススメ

効果測定のススメ

前述した特性や適性は、変わるものであるからこそ「効果測定」が重要です。例えば、リーダー研修を半年かけて実施する場合、研修前と半年後でどのように変わったかを分析します。また、昇進・昇格でポジションが変わる際には、その前後でどのような気づきがあったかを可視化することが重要です。

効果測定の結果は、経営者・人事がデータとして蓄積していくことにより施策に対するフィードバックとなり、求めるリーダーの育成手法を再現することが可能になります。これにより個別最適でありながら全社最適な施策へと影響を広げていくことができます。また、本人にとっても、結果がフィードバックされることでモチベーションが向上し、次の課題設定ができるようになり、より自己成長への意識が高まります。

適性検査は、半年~1年のスパンで受検し直すことで、施策(研修など)と配置(体験など)がリンクされ、より精度の高い結果がフィードバックされるでしょう。したがって、組織やリーダーのマインドセットを変えていくためには一度実施して終わりではなく、「仕組み」として定期的に適性検査を行うのが望ましいです。

適性検査は、現状分析だけでなく、結果のフィードバックとしても使うことができるのが魅力です。リーダーの適性がチームに与える影響を考えると、リーダーの行動変容は組織全体に大きな影響を与えます。
ぜひ、リーダー適性検査の導入をご検討ください。

この課題を解決したコンサルタント

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タナベコンサルティンググループは「日本には企業を救う仕事が必要だ」という志を掲げた1957年の創業以来
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