M&A情報
M&Aアドバイザリーとは?
業務内容や必要な資格など徹底解説
2025.10.03

事業を承継する際に、M&Aを実施する必要性を感じている場合、どのような会社や専門家に相談すべきか迷うところもあるのではないでしょうか。今回は、M&Aに関して相談するM&Aアドバイザリーの概要、業務内容、必要な資格、メリット・デメリットについて解説します。

M&Aアドバイザリーとは?
M&Aアドバイザリーとは、譲渡(売却)を検討するオーナー経営者または、譲受(買収)を検討する企業からの依頼を受け、M&Aに関わる業務についてアドバイスやプロジェクトマネジメントを行い、M&Aを成約まで支援するサービスや業態のことを指します。
M&Aアドバイザリーは、譲渡(売却)する側と譲受(買収)を検討する企業の双方が納得する形でM&Aを実現させ、成功に導く役割を担います。そのため、専門的知識や経験、優れたコミュニケーション力が求められます。

M&Aアドバイザリーの業務内容
M&Aアドバイザリーの業務内容は、会社もしくは事業の譲渡(売却)に関する戦略の相談・立案から、譲渡対象企業の分析および価値算定、候補先企業の選定および提案、個別交渉の場での立会いや助言、契約等の諸条件に対するアドバイス、譲渡手続きの実行支援と、M&Aを検討する初期段階から最終段階まで多岐にわたります。
会社もしくは事業の譲渡(売却)に関する戦略の相談・立案
譲渡(売却)を検討するオーナーや経営者には、それぞれ譲渡の理由や達成したい目的があります。事業承継の問題であれば、オーナーの親族が対象企業に関与しているか、株式を誰がどの程度保有しているかといった家庭の事情も把握した上でアドバイスをする必要があります。また、対象企業の事業内容や従業員の状況、過年度の業績トレンドなどを把握し、M&Aが最善なのかどうかも含めた戦略や今後の方針についてもアドバイスをします。
譲渡対象企業の分析および価値算定
M&Aを実施する方針が決まった場合、対象企業の詳細な分析が必要となります。そのために、さまざまな資料を受け取り、事業・財務・組織といった観点から情報を整理します。また、譲渡条件の基礎となる企業価値の算定も行います。これらの分析や取りまとめを行うには、M&Aアドバイザリーに幅広い専門的知識が求められます。
候補先企業の選定および提案活動
M&Aの譲渡先候補を選定する際は、オーナーや経営者の意向に加え、M&Aアドバイザリーが戦略の適合性などを考慮して候補企業をリストアップし、優先順位をつけてアプローチを開始します。
M&A仲介会社は関心を持つ可能性のある幅広い候補先を挙げる傾向があり、コンサルティング会社は戦略の適合性やM&Aの実現可能性を慎重に検討した上で候補先を選定する特徴があります。
提案活動においても、社内の営業部隊や外注に依頼し、話が具体化した段階からコンサルタントが関わる体制と、はじめからコンサルタントが一貫して支援する体制の二通りがあります。
個別交渉の場での立会いや助言
トップ面談と言われる、譲渡側・譲受側が面談する機会や、企業視察、デューデリジェンスなど対面する場面では全て、M&Aアドバイザリーが同席します。
現場でのコミュニケーションを円滑に進めるという役割だけでなく、その場で得られた情報をもとに、考え方の相性についてアドバイスを行うこともあります。特に、オーナーの個性が色濃く反映されることの多い中小企業では、オーナー同士の経営観の違いが企業文化の違いとして表れる場合があります。そのため、M&A後に従業員の離反などが起こる可能性を考慮する必要があります。
契約等の諸条件に対するアドバイス
契約書の作成は弁護士でないとできませんが、交渉過程をよく知るM&Aアドバイザリーの立場から、契約上の折衝部分に関して現実的なアドバイスをすることもあります。
実際の契約書の修正や追記、確認については、双方が依頼した法律事務所が対応します。
譲渡手続きの実行支援
最終契約書の締結後、実行条件を整えるために各意思決定者への説明や、意思決定機関の議事録の取りまとめ、資金決済時の立会い、譲渡実行直後に必要な事項の整理やスケジュール調整を行います。コンサルティング会社がM&Aアドバイザリーを依頼された場合、譲渡後に双方が円滑な統合・発展ができるように、そのままPMI(経営統合)を支援する場合もあります。

M&Aアドバイザリーを活用するメリット・デメリット
譲渡(売却)や譲受(買収)を検討する際にM&Aアドバイザーを活用することは一般的ですが、どのようなメリットとデメリットがあるのか確認しておきましょう。
メリット
M&Aを進めるには、特に譲渡(売却)の場合は、希望の条件に合う譲受(買収)企業を探し、企業評価や交渉、諸手続きなどを行う必要があります。これらを自分だけで進めるのは難しいかもしれません。また、失敗をできるだけ防ぐためには、経験や専門的な支援が欠かせません。特に譲渡(売却)希望企業にとって、M&Aにおいて全面的に頼れる存在となるでしょう。
デメリット
M&Aアドバイザリーの利用は任意ですが、デメリットとしては、手数料が発生する点が挙げられます。
ただし、この手数料は、最適なM&A相手を見つけ、失敗やリスクを回避するための必要なコスト(対価)と考えることもできます。

まとめ
M&AアドバイザリーはM&Aの全面的なサポートを行う重要な役割を担います。自社にとって最適なM&A相手の発掘や交渉、失敗リスク回避などさまざまな点でメリットがあります。
M&Aアドバイザリーをお探しの際は、タナベコンサルティングにご相談ください。
タナベコンサルティングでは経験豊富なアドバイザーが、企業や事業の譲渡・売却プロセスを専門的にサポートいたします。
価値評価、買い手候補の選定、交渉支援、専門的アドバイスなど、幅広い専門知識を駆使して、貴社の目標達成を支援いたします。

岡本 聖平
M&Aコンサルティング事業部
チーフマネジャー
大手専門商社にて繊維製品の法人営業に従事後、独立系M&A仲介会社にて製造業のM&A等を経験し、当社に入社。「顧客第一主義のスピード対応」をモットーに、売りと買い両面での実績を踏まえ、M&Aを通じて企業の承継・経営課題解決に取り組んでいる。
- 主な実績
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- 調剤薬局の譲渡側M&Aアドバイザリー
- 飲食業の譲渡側、譲受側のM&Aアドバイザリー
- 機械設置業の譲渡側、譲受側のM&Aアドバイザリー
- 化学品商社の譲渡側、譲受側のM&Aアドバイザリー
- 音楽制作会社の譲渡側・譲受側のM&Aアドバイザリー
- 旅館業の譲渡側・譲受側のM&Aアドバイザリー
- システム会社の譲受側M&Aアドバイザリー
- 介護関連会社の譲受側M&Aアドバイザリー
- 食品卸会社の譲渡側・譲受側のM&Aアドバイザリー
- 建材商社の譲渡側・譲受側のM&Aアドバイザリー
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