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M&Aにおける仲介業務とFA業務の違いとは?

2024.07.23

仲介業務とは?


M&Aを検討するにあたっては、仲介会社に仲介してもらう、またはFA(ファイナンシャル・アドバイザー)にアドバイザリー業務を依頼するかのいずれかを選択するのが一般的となっています。
いずれもM&Aを成約に導くための強い味方ではあるのですが、それぞれに違いがあるため、どちらに依頼するかを自社の状況や目的に沿って判断する必要があります。
この記事コラムでは、仲介とFA(ファイナンシャル・アドバイザー)の違いについてや、それぞれの特徴等について解説しています。

まず、M&Aの仲介とは、同一のM&A仲介者が売り手(譲渡側)と買い手(譲受側)の間に立ち、中立な立場でM&Aの成立に向けてアドバイザリー業務を行なうことをいいます。売り手、買い手どちらか一方の利益の最大化を目指すのではなく、両者の間に立って中立な立場で交渉の仲介を行います。検討初期段階の相談からスタートし、希望する条件に合致した相手が見つかればトップ面談を行い、基本合意書の締結、最終契約の締結・クロージングへとM&Aの成約に向けて進行していきます。M&Aの成約まで、売り手と買い手それぞれの利益のバランスを考え、条件の着地点を見出すやり方で交渉を進めていきます。
日本の中堅・中小企業のM&Aにおいては、仲介で進めるケースが多くなっています。売り手と買い手の双方を担当するため、FAに比べてM&Aが成約しやすいというメリットもあります。


仲介業務とは?

FA業務とは?


続いて、FAとはファイナンシャル・アドバイザーの略で、M&Aにおけるアドバイザリー業務を行う人を指します。
FAは、売り手と買い手それぞれが別のFAをつけて交渉を進行します。
仲介と異なる点は、FAは売り手または買い手のどちらか一方につくため、自身がついている顧客の利益を最大化することが目的となっている点にあります。一方で、互いの利益を主張し合うことになるため、交渉がまとまりにくくなるというデメリットも存在しています。
FAは、上場企業同士やクロスボーダーM&Aで一般的に用いられます。中堅・中小企業のM&Aの場合、社長と株主が同一であることが多いですが、上場企業の場合は不特定多数の株主に訴えられないよう、法的リスクを回避するといった観点等でFAを用いることが一般的です。

仲介業務とFA業務の違い(メリット・デメリット)


仲介会社とFAの違いとして、M&A仲介会社が売り手と買い手の間に入り双方の担当をするのに対し、FAは基本的に売り手か買い手のいずれか一方の専属になるという点で異なります。仲介会社が売り・買い双方の利益の落としどころを見出すことを重視するのに対し、FAは契約している一方の会社の利益が最大になるように尽力します。

仲介のメリットは、売り手と買い手の譲渡金額を含めた諸条件を仲介会社が互いの妥協点を見つけて調整をするため、比較的短期間でM&Aを成約させることができる可能性が高い点です。
一方でデメリットは、会社を良い条件で譲渡したい売り手企業と、会社を出来得る限り安価な(自社にとって有利な)条件で譲り受けたい買い手企業の双方を担当するため、売り手買い手ともに利益の最大化を目指すことは困難である点になります。

FAのメリットとしては、依頼者の利益の最大化ために尽力する点です。依頼者が売り手の場合は、より良い条件や金額で売却するために、現在の事業内容にテコ入れを行うようアドバイスをする場合もあります。依頼者が買い手の場合は譲渡金額を中心として、より有利な条件で譲り受けが実行できるようアドバイスを行ったり、財務・労務・法務等の観点で譲受後のリスクが僅少化するように尽力したりします。
一方でデメリットとしては、互いのFAが自身の顧客の利益最大化のために動くため、M&A成約までに時間を要するケースが多いことや、時間を要することに伴いアドバイザリー業務に関わる費用が肥大化する懸念がある点等が挙げられます。

M&Aの成約までの期間は、少なくとも半年以上かかるのが一般的であり、場合によっては数年間を要するケースもあります。仲介にしてもFAにしても、長期に渡って信頼・相談を継続できるアドバイザーを選ぶことが最も重要です。アドバイザーの選定においては、自社が所属する業界での成約実績はあるのか、自身とアドバイザー間で円滑な意思の疎通が取れそうか、役務提供の内容に見合った手数料体系になっているか等を確認する必要があります。
複数のM&A専門業者の話を聞いてみる等して、アドバイザーの比較を行うことも有効な手段といえます。
加えて、助言の範囲や企業概要書の作成、マッチング、買収調査等のアドバイザリー業務の範囲についても具体的に把握した上での検討が必須になります。同時に着手金や相談料といった(いつ、どのくらいの費用が発生するか)手数料の体系も具体的に把握するようにすべきです。

仲介とFAのどちらを使うべきかについては、自社の利益の最大化という観点だけではなく、どのような課題解決や目的達成のためにM&Aを検討し始めたのかに立ち返り、総合的に判断して決定する必要があります。
自社にとってM&Aで叶えたい目的を明確に把握したうえで、多角的な視点で依頼するアドバイザーを決定していくことが肝要になります。

このコラムの執筆者
岡本 聖平

岡本 聖平

M&Aコンサルティング事業部
チーフコンサルタント

大手専門商社にて繊維製品の法人営業に従事後、独立系M&A仲介会社にて製造業のM&A等を経験し、当社に入社。「顧客第一主義のスピード対応」をモットーに、売りと買い両面での実績を踏まえ、M&Aを通じて企業の承継・経営課題解決に取り組んでいる。

主な実績
  • 調剤薬局の譲渡側M&Aアドバイザリー
  • 飲食業の譲渡側、譲受側のM&Aアドバイザリー
  • 機械設置業の譲渡側、譲受側のM&Aアドバイザリー
  • 化学品商社の譲渡側、譲受側のM&Aアドバイザリー
  • 音楽制作会社の譲渡側・譲受側のM&Aアドバイザリー
  • 旅館業の譲渡側・譲受側のM&Aアドバイザリー
  • システム会社の譲受側M&Aアドバイザリー
  • 介護関連会社の譲受側M&Aアドバイザリー
  • 食品卸会社の譲渡側・譲受側のM&Aアドバイザリー
  • 建材商社の譲渡側・譲受側のM&Aアドバイザリー
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