人事コラム
OKR制度とは?成功に導く重要ポイント
数ある目標管理制度の一つであるOKR
何故今注目を集めているのかを言及し、ポイントを解説していきたい。
OKRの本質的な価値とは
OKRとはObjective and Key Resultsのそれぞれのワードの頭文字を取った略語であり、組織・チーム・個人の目標設定・管理方法の一種である。ありたい姿を定性的に表すObjectiveと 掲げたObjectiveの達成状況を測定する為に定量的に設定するKey Resultsを設定し、Key Resultsの進捗状況を見ながらObjectiveに近づいているのかを確認していく手法である。
OKRの本質的な価値とはメンバー(部下)の意見に耳を傾け、リーダー(上司)が協働の姿勢で同じ目標に向かっていくための支援型リーダーシップを発揮することで、メンバーの主体的でチャレンジングな行動を促し、組織に変革を及ぼすものであると考える。
OKRを成功に導く重要ポイント
なぜ数多くの企業がOKRの導入により組織に変革を及ぼし、成果を上げているのか、以下3つのポイントで解説する。
①チャレンジングな目標設定
OKRの目標は自分でもワクワクするような"チャレンジングな目標"(達成確率60%~70%程度)を掲げる事が最も重要である。会社・上司から言われた目標を設定するのではなく、主体的になりたい姿や状態を目標として掲げる事で、目標に対して当事者意識をもって取り組む事ができる。また、目標がチャレンジングであるため、達成した時の喜びや達成感、組織への影響度は非常に大きいものとなる。
②人事評価と分離した運用
人事評価と直結してしまう事で評価を下げたくないというバイアスがかかり、達成可能な範囲での目標しか設定しなくなる可能性がある。前述している通りOKRの重要ポイントはチャレンジングな目標設定にあるため、失敗してもペナルティ(降給、降格など)にならない失敗が許される組織風土を醸成していく事が重要である。
③定期的なミーティング機会の仕組み化
掲げた目標をメンバー任せにしてしまってはOKRの価値が正しく発揮できない。当初掲げた目標に対して、起こした行動が必ずしも成果に結びつくとは限らない為、1週間~2週間の短いスパンで目標の進捗状況に関する対話や面談を通じて、どうしたら目標達成が出来るのか適宜軌道修正を行う事が重要である。また、ミーティングを行う際には、指示・命令ではなく部下の考えをヒアリングした上で、アドバイスをする姿勢を崩さす行っていただきたい。
OKRの誤った認識
OKRがシンプルな仕組みであるが故に、誤った解釈も持っているケースが多い。
改めて認識を深める為、よくある誤認を3つ紹介する。
①IT業界やスタートアップ企業でしか導入できない
メルカリやGoogleのようなIT業界や起業して間もない企業事例が多く紹介されているが、他業界や歴史ある企業で導入し、運用することも可能である。もともとはOKRが適合しないと考えられた企業であっても、実際の運用を通じてチャレンジングな組織風土を創り上げている企業もある。
また、既にMBOなど他の目標管理制度が導入されているので、導入できないと考えているなら目標管理制度の性質や目指すところが異なる為、OKRとMBOで分離運用する事も検討いただきたい。
※OKRとMBOの違いについては下記の記事を参照
https://www.tanabekeiei.co.jp/hr/eye/detail19.html
②全社で導入しないと運用できない
OKRの仕組みはシンプルである為、2人以上の少人数チームであれば取り入れる事が可能である。
まずは自チームだけでも取り入れてスモールスタートさせていくだけでも十分に価値が発揮出来ると考える。
③本社部門で目標の内容についてチェックする必要がある
OKRの運用で大事なことは前述しているように、メンバーが自主性を持って目標を掲げる事が重要であり、チャレンジングな目標設定を行う事が原則である事からそのような心配は不要である。むしろ設定した目標を上司・部下の枠を超えた第三者が介入し、修正や指示することは本質からずれてしまうため、おすすめはしない。
さいごに
OKRの成功は企業としての成果を上げるだけではなく、メンバー個人の幸せやモチベーション向上に繋がる。
すぐに全社で導入することが難しいとしても、まずは小さな単位(組織・チーム)からはじめ組織としての目標達成を目指してみてはいかがだろうか。
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