人事コラム
人材育成

Z世代の社員を育成するための職場環境づくり

世代間ギャップに囚われず、個人と向き合い、細やかなコミュニケーションを取ることがポイント

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Z世代の社員を育成するための職場環境づくり
Z世代の特徴とは

Z世代の特徴とは

Z世代とは、概ね1990年代中盤から2010年代序盤までに生まれた世代のことで、2024年現在で13歳~28歳前後の年齢層のことを指します。世代の特徴としてインターネットが身近にある環境で思春期を過ごしてきたこともあり、「デジタルネイティブ」や、「SNSネイティブ」とも言われ、他の世代と違う特徴があるとされています。

一般的にZ世代と言われる世代にはどのような特徴があるのでしょうか。以下、大きく4点を紹介します。

(1)自分らしさを大切にし、多様性を重んじる
SNSを通じて多様な世界・考えに触れる機会が多いため、国籍や性別等の固定観念にはめて物事を捉えるのではなく、一個人としての性格や価値観を認める傾向にあります。

(2)繋がりや協力を大切にする
教育方針の変化から、学校教育においてグループワークが取り入れられており、仲間と協力して成果を上げるよう教育されてきており、協同意識が強い傾向があります。一方で、教師や先輩から怒られる経験が少なく、上下関係を伴うコミュニケーションが弱いといった側面もあります。

(3)社会問題に対する関心が高い
リーマンショックや、東日本大震災、新型コロナウイルスの流行などを経験してきたため、環境問題などの社会問題に強い関心を持ち、自分の考えを持っている人が多いのも特徴の一つです。大事件や自然災害があった際も、SNSで情報収集し、個人としての意見を発信する特徴があります。

(4)現実主義で効率を重視する
先行きが不透明なVUCA時代を生きているZ世代は、高望みをせず日常生活の安定を求め、現実的な価値観を持つ傾向にあります。物事を現実的に捉えるため、極力無駄を省き、効率的に目的達成をしたいと考え、費用・時間・空間を効率的に使うことを重視しています。

Z世代育成のポイント

Z世代育成のポイント

そんな特徴を持つZ世代を育成するために押さえるべきポイントをご紹介します。

(1)集団ではなく、個人にフォーカスを当てる
価値観、考え方が一人一人異なるため、個々の特徴を踏まえた教育が必要になります。Z世代は自分の個性を重視する傾向があるため、集団として括られ、個人を見られないことに対して不満を感じる傾向があります。仕事に対する取り組み方やモチベーションに関して、個々の能力を最大限に引き出すために個別のコミュニケーションを取る必要があります。

(2)細やかなコミュニケーションを心掛ける
Z世代社員に対し、「見て覚える」「表情から察する」ということを求めるのはマイナス効果になります。細かいコミュニケーションの積み重ねが重要です。

職場環境のつくり方

職場環境のつくり方

そんなZ世代を育成していく上で、職場環境はどのようにすべきでしょうか。3点ご提言します。

(1)心理的安全性を確保する
心理的安全性とは、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」のことを指します。
既存の社員とは違う特徴を持ったZ世代の社員にとって、自分の考えがおかしいのではないか、と思いながら仕事に取り組んでいては、チームメンバーとの円滑なコミュニケーションができず、成長がスムーズにいきません。安心して発言できる環境をつくることが大事です。

(2)チーム全体で育成する
新入社員に対し、上司とは別にエルダーやメンターといった教育担当者を設定しています。教育担当者に新人育成を任せっきりにするのではなく、チーム全体で育てていく意識が重要です。多様なメンバーから、新人に対して個別にコミュニケーションを取ることで、相談しやすい関係づくり、新たな知識の習得などに繋がります。

(3)定期的な個別面談を実施する
個別面談を定期的に実施する育成面談など、個別で話す機会を通じて、業務を通して何を得てほしいのか、仕事の目的・評価の基準となるポイントなどを詳しく伝えることで、信頼関係の構築につなげます。

さいごに

Z世代について、世代の一般的な特徴を踏まえて育成のポイントや職場環境づくりについてお伝えしてきました。
必ずしもZ世代だからと言って、特別扱いをする必要はありませんが、個人と向き合うこと、細やかなコミュニケーション、職場環境を整備することは働く価値観が多様化する中、どの世代においても求められることです。
本コラムが、Z世代社員と既存社員双方が活躍する組織作りの一助となれば幸いです。

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