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経営統合とは?
合併との違いやメリット、事例をわかりやすく解説

2025.08.27

経営統合は、M&Aの一つで、既存の株式会社を完全子会社として持株会社(親会社)を設立することをいいます。合併とは異なり、子会社の独立性を維持しやすい点が特徴です。

今回は、経営統合の概要から合併との違い、経営統合のメリット・デメリット、成功事例までご紹介します。

経営統合とは?


経営統合の概要と、類似の手法である合併についてご紹介します。

●経営統合とは?
経営統合とは、複数の会社が対等または準対等の立場で、経営権(意思決定権)と経営資源(人材、ブランド、ノウハウ、資金など)を一体化し、単一の経営方針・戦略の下でグループ運営を行うことを指します。

例えばA社とB社が経営統合する場合、持株会社となる親会社X社が新たに誕生し、A社とB社が完全子会社となる形となります。意思決定権は統一する一方で、A社とB社の独立性は保たれます。

●合併とは?
合併とは、複数の会社が合体して、一個の会社となることを指します。
例えばA社とB社が合併した場合、意思決定権が統一されるのはもちろん、A社とB社それぞれの形式もなくなります。

合併には次の2種類があります。

1.吸収合併:既存の一社に吸収する。
例)A社とB社の合併によりA社となる。

2.新設合併:新設会社を作る。
例)A社とB社の合併によりX社となる。

経営統合と合併の違い


経営統合と合併の違いを見ていきましょう。

●法人格の存続
経営統合では、各企業の法人格が存続しますが、合併では存続企業以外の法人格は消滅します。
経営統合は各企業の運営は保ったまま、意思決定権だけを一社に集約しますが、合併では完全に一社となり、意思決定も一社で行います。

●独立性
経営統合では各企業の独立性が維持されるのに対し、合併では完全に一つの組織となるため、独立性は失われます。
経営統合ではグループの経営ルールと事業の計画の下で、独立した事業を行います。

●シナジー効果
合併は組織の一体化によりシナジー効果(相乗効果)が生まれやすい一方、経営統合では各社の独立性が維持されるため、シナジー効果が生まれにくい場合があります。

経営統合のメリット・デメリット


経営統合を実施する際の、各企業にとってのメリットとデメリットには次の点が挙げられます。

●経営統合のメリット
経営統合は、前述の通りグループ経営の色が強くなり、複数社は独立したまま、自主性を維持できます。経営的、形式的には一体化しているものの、従来のまま事業を継続しやすくなります。

また経営的には一体化しているためリスク分散が可能な点もメリットです。経営の効率化や市場における競争力の強化などが得られます。

●経営統合のデメリット
一方、デメリットとしては複数社が集まる形になるため、組織が複雑化する点が挙げられます。経理部門や人事部門など業務が重複する部門があり、コスト面で過剰になるなど注意すべき点が生まれます。

この重複問題については統合の必要がありますが、各部門の状況を加味して慎重に実施しなければなりません。

また独立性を保てる一方、シナジー効果が得にくい点が懸念点といえます。

これらの経営統合のデメリットを埋めるには、PMIをいかに最適化できるかにかかっています。

PMIとは、M&A成立後に両社の経営方針や業務ルール、社員の意識をすり合わせ、スムーズにM&Aの目的を実現させるためのプロセスを指します。PMIを効果的に進めるには、専門的な知見と経験が必要です。M&Aコンサルティング会社などの力を借りるのも一案です。

経営統合の成功事例2選


経営統合の成功事例をご紹介します。

●ドラッグストア
ドラッグストア経営企業2社の経営統合事例です。今後、市場競争に打ち勝っていくために、単独では難しかったことが実現し、巨大グループ化することで日本一になることができることなら、という理由で経営統合を決意しました。両社はアジア一のドラッグストアを目指していることもあり、海外展開の夢も共通化しています。

●自動車部品メーカー4社
傘下の企業をまとめて強化した事例です。
自動車業界では、近年、電動化や自動運転などの技術革新の必要性が増しており、グローバル視野で戦っていくためにも利益率を高める必要があります。
そこで生き残りをかけ、自動車メーカー2社はそれぞれの傘下の自動車部品メーカー4社の統合を決めました。

まとめ


経営統合は、独立性を保ちながら複数社が統合し、経営力をつけるM&A手法の一つです。その特徴やメリット、デメリットを正確に理解することが大切です。

経営統合をご検討の際には、タナベコンサルティングにご相談ください。

経営統合後に成功を実現するために有効な、前述のPMIコンサルティングサービスにおいては、専門的な知識と豊富な経験を持つコンサルタントが、財務データ分析、競合分析、業界トレンドの調査を通じて、貴社の強みと課題を明確化することで、M&A、資金調達、経営戦略の策定において、最適な意思決定をサポートします。

タナベコンサルティングのPMIコンサルティングの主な目的はシナジー効果の最大化と、企業価値の向上です。文化の融合、業務プロセスの統一、ITシステムの統合などを支援し、円滑な統合をサポートいたします。

このコラムの執筆者
小野 樹

小野 樹

M&Aコンサルティング事業部
ゼネラルパートナー

金融機関や会計事務所とパートナーシップを築き、後継者を育成する企画や取引先企業が抱える経営課題とコンサルティングソリューションをマッチングするアライアンス事業を推進。M&A部門の事業化、仕組みづくり、商品開発、実績づくりを行い、大手企業のバイサイド支援から中小・個人企業のセルサイド支援まで幅広い実績を持つ。

主な実績
  • 大手生活品メーカーの同業買収に関するバイサイドFA
  • 中小システム開発会社のM&Aアドバイザリー
  • 中堅建設業の同業買収に関してのデューデリジェンス
  • 地場ゼネコンのM&A戦略構築支援
  • リサイクル関連会社の企業買収に関するセカンドアドバイザリー
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