企業に必要な人材は、
「優秀な人材」よりも「最適な人材」

企業に必要なのは、必ずしも「優秀な人材」ではない
高い学力や素質を持つ学生を「優秀な人材」ととらえ、採用したいと考える経営者や採用担当者は少なくありません。しかし、そうした人材は市場価値が高く、多くの企業が獲得を諦めています。仮に採用できたとしても、優秀だからこそ、より条件の良い企業へすぐに転職してしまったり、上司が能力を持て余してしまったりと「ミスマッチ」が起こる可能性が高いのが現状です。
組織に必要なのは、必ずしも「優秀な人材」ではなく、その組織の課題や環境に合う「最適な人材」です。採用において重要なのは、その組織やチームの中でパフォーマンスを発揮できるか、そして組織とともに成長できる人材かどうかを見極めることです。

採用に「STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)」を実装する
では、「最適な人材」をどのように見極めるのでしょうか。
そのヒントは、「マーケティング」にあります。よく「採用はマーケティングである」と言われますが、これは単に認知拡大や母集団形成といった、手段や施策に限った話ではありません。重要なのは、採用戦略そのものにマーケティングを取り入れることです。
採用戦略の基盤となるのは、「欲しい人材を定義する」ことであり、これを実現するために、マーケティング戦略の構築で使われる「STP」を活用します。
①セグメンテーション:どの事業や部門を強化する必要があるのか、どのような人材が不足しているのかを洗い出します。
②ターゲティング:求める考え方やスキル、即戦力が必要なのか長期育成を視野に入れるのかなど、求める人材を明確にします。
③ポジショニング:現在の組織風土や文化、他社との違いを考慮し、自社に最適な人材を定義します。
このSTPによって導き出された人材の定義を、採用基準となりうる性格特性に落とし込んでいくのです。

組織とともに成長できる人材を採用しよう
人材採用の際には、適性検査や性格診断を用いることが一般的です。ただし、この目的が明確になっていないことも多々あります。例えば、能力評価の一環として足切りのために使われたり、単に数値が良さそうな人を選ぶといったケースです。つまり、適性検査や性格診断を使っているものの、面接の中でそれほど重要視されておらず、「なんとなく」使っている企業が多いのではないでしょうか。
前述のSTPによって導き出された「最適な人材」とは、組織とともに成長できる人材であるからこそ、こういった適性検査や性格診断を重視する必要があります。特に、人材を見極めるうえで重要なのが、「性格特性」すなわち環境や経験によって変わることのできる性格の性質です。
タナベコンサルティングでは、性格特性を12の要素に分解して分析しています。STPで導き出した「最適な人材」が、例えば新しい事業をスケールさせることのできる人材であれば、創造性や成就性が高い人材を選定基準にする必要があります。他にも、退職によってオペレーション人材が不足してしまったのであれば、思考性や共感性が高い人材を採用することで、より自社にあった採用活動に繋げていくことが可能となります。

性格特性診断は、採用戦略の一つとなる
性格特性を分析することで、自社にとって「最適な人材」をより効率的に採用することが可能になります。戦略的に採用された人材は、カルチャーフィットしやすく、組織とともに成長できるため、どこに行っても優秀な人材を狙うよりも、組織にとって大きな利益をもたらすことにつながります。まずは、自社の採用戦略として本当に必要な「最適な人材」を定義すること、そして適性検査の目的を今一度見直すことをおすすめします。
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