大局的な視点で点検し、
時流に合わせた評価制度へと移行する
職能型評価制度を運用する中で押さえるべき
3つの環境変化
先般、筆者はある企業の最終考課結果を意思決定する調整会議に参加し、評価結果の平均点数が上位層になるにつれ、高得点の傾向にあることを疑問に感じた。上位層は役割や職務ではなく、豊富な経験による知識・技術力をストレートに反映された結果であった。また、パフォーマンス・成果以上に対価を支払っていることにも疑問である。
このように、ここ直近で職能型評価制度を運用するにあたり、違和感を感じ始めてきている企業が増えている。要因は大きく3つである。
- 1
- 終身雇用の終焉を迎え、新卒を一から育てる「年功序列」「終身雇用」を前提とした職能型評価制度の形骸化
- 2
- 少子高齢化・人口減少による労働力の低下による定年延長などベテラン社員の活用が活発化
- 3
- 働き方の変化により、「態度・能力」を評価するのが困難化
これにより、多くの企業が現行社員の知識・スキルとパフォーマンス・成果のギャップに頭を悩ませているのではないでしょうか。
職能型評価制度を変える2つのヒント
このように、能力とパフォーマンスにギャップを感じながら、制度運用を行うと結果として、高固定費化に繋がる懸念がある。現環境に即した制度運用を行うことにより、適切な評価、適切な対価の実現に繋がる。もし、職能型評価制度に疑問を抱かれているのであれば、下記2つのヒントを参考にしていただきたい。
- 職能型の良い部分を残しつつ、実態に合った評価制度へと見直す
-
- (1)能力・態度評価項目をより行動特性へと掘り下げを行う。例えば、「部下育成力」という項目があるのであれば、「部下の特徴を正しく把握し、弱みを補完するための指導・アドバイスをしている」等である。
- (2)あるいは、5段階評価を導入している企業は多々あるかと思いますが、各評価項目に行動レベルを設定し、考課者が適切に評価できるよう、仕組み化する。
- 役割や職務型人事制度へと移行する
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- (1)業種・業態によりますが、「能力・態度」で評価が難しい場合は、役割や職務を掘り下げ評価をする。
- (2)職能型の評価へ役割・職務を加えることでハイブリッド化を図るのも良い。
2つのヒントを参考に、現行の評価制度に違和感を感じるのであれば、自社の評価制度の見直しを図ってみませんか。
この課題を解決したコンサルタント
タナベコンサルティング
HRコンサルティング事業部
エグゼクティブパートナー盛田 恵介
- 主な実績
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- 上場・中堅ゼネコンのアカデミー構築・運用支援
- 中堅スーパーのアカデミー構築・運用支援
- 中堅飲食業のアカデミー構築支援
- 金属加工・製造業のアカデミー構築支援
- 中堅建設業の人事制度構築支援
- 中堅製造業の次世代幹部育成・ジュニアボード運営支援
- 中堅サービス業、建設業、製造業企業の中期ビジョン策定
- 卸売業、サービス業、建設業、製造業の社内アカデミー構築&人材育成支援