マーケティングDXで営業生産性の向上
時代の先を見据えたマーケティングで新しい顧客創造モデルを目指す
デジタルを活用し、新たな顧客開拓およびリードナーチャリングを実践している建設業:古郡建設株式会社の事例を紹介します。同社は年商100億円を超える総合建設業(地場ゼネコン)で、施工実績の内訳は官公庁案件が約7割、民間案件が約3割となっております。今後の成長に向け、民間案件の営業強化を方針として掲げ、これまでは実施してこなかったデジタルマーケティングを駆使して、新たな顧客情報(リード)を獲得しております。
リードに営業を仕掛け、顧客を受注へつなげる仕組みを構築しました。そちらを以下、解説していきます。
デジタルマーケティング活用で新規創造活動をステージアップ
コロナの影響もあり、今までは顧客へ訪問し、新規部署の開拓による名刺獲得など、顧客を獲得していた既存の営業手法ができなくなりました。そのため試行錯誤を重ね、自社のデジタル上での営業活動を実施していく方針を決定しました。
自社のHP閲覧者の興味や、購入意欲の強さはさまざまです。そのため、興味・意欲の度合い(段階)別に求められる情報を精査し、サイトの制作に活かし、提供資料なども整えました。その1つが施工実績事例集になります。今までは官公庁がメインの取引先であったため、入札応札実績(建物の種類・応札金額・住所・工期・構造などを表にまとめたもの)しかありませんでした。新たに建物を建てたい顧客に対して訴求できるものにするため、施工実績の写真や、顧客が抱えていた課題なども価値としてまとめ、ビジュアル的にも分かりやすく制作しました。また、定期的に情報をアップデートして顧客と接点を持ち続け提供することにより、ニーズが明確になった段階で問い合わせてもらえるケースも増えました。
顧客の行動の見える化が成功ポイント
自社がしっかりと顧客行動を把握できているか、そして育成できているか、もポイントとなります。
営業担当者が個別で持っている見込み顧客をデータ化・見える化するために顧客データベースを構築し、一元化しました。情報を統合することが次の展開へも活きてきます。一元化したデータを顧客ごとに興味のある分野・コンテンツに分類し、興味や購入意欲がどの段階にあるのかを分けていきます。これらは見込み顧客に対して、最適なアプローチを行うために重要となります。興味のない顧客と興味の強い顧客に同じ情報を流しても効果は薄いためです。
顧客アプローチのシナリオの設計も実施しました。メールやセミナーの方法の中で、どのようなアプローチ方法を選択するのか、具体的にどのようなストーリーで成約まで結び付けるのかを想定します。また、顧客の中から、どのような内容を用意するのか、どのような頻度で送るのか、メールの次段階のアプローチをどうするか(セミナーやウェビナー、電話による案内など)、プロセスを決めていきました。
ここでは同社が取り組んでいるデジタルマーケティングの一端をご紹介しましたが、他にも顧客獲得~育成~成約に至るまで、様々なフェーズで顧客創造モデルを変革しています。時代の一歩先を行くマーケティングモデルを実施しております。