DXを実現するために今から始めるデータ活用
企業が抱える課題
データの質や分析技術の向上が課題
DXによりデータ活用を推進しようとしている企業は増加してきています。
情報通信白書(令和2年版)によると、現在の日本企業におけるデジタルデータの活用に関する実態を把握するために企業の従業員を対象に2020年3月にアンケートを実施した結果として、「データの質(多様性、粒度、頻度等)を向上させたい」、「分析技術を向上させたい」といった回答が多くなっています。
【引用】情報通信白書(令和2年版)
解決策
大事なのはデータの「活用」ではなく「利活用」
データの利活用とは、データを収集・蓄積してから加工し、分析した結果を伝えることで、ビジネスの課題を解決するプロセスです。最初に考えるのは「解決すべき課題を明確にする」ことです。データはビジネス課題を解決するための「手段」であり、その課題の中で「データを活用」できないかと考えることが大切です。
データ『利活用』の4つのステップ
STEP①【課題を設定する】
売れ続ける仕組みを構築するマーケティングの理解が必要です。また、ロジカル・シンキング、仮説思考、問題解決ステップなど、課題を正しく考えるためのスキルも必要になります。これらはデータ分析においても非常に役立つスキルです。
STEP②【データを収集・蓄積する】
課題解決に必要なデータを計画・収集し、データ統合基盤に集約・整理していきます。足りないデータは、自ら企画して1次データを収集する必要があります。
STEP③【データを加工・分析する】
分析目的・課題に合わせてデータを加工・分析します。機械学習の理解も必要になります。
STEP④【適切に伝える】
優れた分析結果も活用されないと意味がありません。ロジカル・コミュニケーション、レポーティング、プレゼンのスキルをもとに、分析結果をわかりやすく伝えていく必要があります。
無理なく実現できるデータ収集やデータ加工
業務の中でACCESSやEXCELを使用して、データを収集したり加工したりする機会は多いと思います。しかしながら「ACCESSにデータは保存されているが活用できていない」「活用しようと取り組んでいるがEXCELで加工する時間がかかる」「EXCELで加工したデータはあっても見てもらえない」といった悩みは多いのではないでしょうか。
そんな時におススメしたい方法がVBAを使用したデータの収集・加工・出力、そしてPOWER BIを使用したデータの見える化です。
VBA【 Visual Basic for Applications 】とは、Microsoft Officeに含まれるアプリケーションソフトの拡張機能で、利用者が簡易なプログラムを記述して実行することで複雑な処理の自動化などを行うことができるプログラミング言語です。
POWER BIは、Microsoftが提供するデータ分析ツールです。EXCELやSQLなどのデータを読み込ませることで、直感的な操作によるデータ分析・可視化がノンコーディングかつ半自動で行えます。
プログラミング言語やBIツールと聞くと難しそうに感じますが、決して難しくありません。
VBAとPOWER BIを利用して実現できること
①データ収集
例えばERPのような基幹システム、ACCESSやSQLサーバーのようなデータベース、システムから出力されたテキストファイル、複数に別れたEXCELファイル、インターネットやクラウドからもVBAを用いてデータを自動で収集することが可能です。複数の場所に保存されている複数の形式のデータを収集するだけで膨大な時間を要してしまう、そんな経験ありませんか?VBAで自動的にデータを収集することができます。
②データ加工
VBAを用いてデータを収集する目的は、EXCELなどを用いてデータを加工するためです。データはあるけど、手作業でEXCELで加工するのに膨大な時間を要してしまう、そんな経験もありませんか?VBAでは収集したデータを自動で加工することができます。
③データ出力
加工したデータを様々な形式で出力することもできます。EXCELでの形式はもちろん、WORDで報告書を作成、PDF化しPDFを結合し、ページ番号を入れる、しおり・ブックマークを挿入する、ファイルをOUTLOOKでメール送信する、ということを全て自動で行うこともできます。
④データの見える化
主流になってきているダッシュボードを利用しての見える化はPOWER Biを用いて実現することができます。VBAで加工したデータをPOWER BIで取り込むことも可能ですし、POWER BIだけでもある程度のデータ収集・加工がコーディングなしで半自動で実現できます。
このように、身近なツールを使用してここまでのことができます。
まとめ
DXによるデータ活用と聞くと複雑で難しいものに感じてしまうかもしれません。
しかしながら、膨大なデータに踊らされることなく地に足を付けたデータ活用の最初の一歩を踏み出してみましょう。
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