業界が抱える構造問題として、人材不足が挙げられます。高齢化に伴う技能労働者不足に頭を悩ませています。働き方改革が叫ばれている昨今、新規入植者の確保に現場の作業効率改善は不可欠となっています。
IoTのデータを効率よく活用して世界の建機の常識を変えたのが、コマツ産機株式会社のICT建機です。
最新鋭機器PC2001は、サポートセンターのガイドにより、新人オペレーターでもベテラン並みの作業を可能にしたIoTデータ活用の成功例となっています。
より成果をあげるためのデータ活用術
日本の建設企業でITの分野において、最大の成果を上げた例として建機大手「コマツ産機株式会社」の取り組みを紹介します。コマツ産機株式会社は、全世界へ展開している建機の中で、40万台をネットワークでつないで常時監視、遠隔操作を行うKOMTRAX(コムトラックス)というシステムを作り上げました。 GPSを利用したテクノロジーで1台1台を個別監 視して、盗難や暴走といったトラブルの発生時には即時にエンジンカットを行い、高い安全性と信用を築きました。
しかし、コマツ産機株式会社の開発はそれだけでは終わらず、IoTで入手したデータを活用して自らのビジネスの強みとするという原則で、さらに高みを目指したところにあります。
コマツ産機株式会社の最新鋭ICT建機PC200iは、サポートセンターから新人オペレーターをガイドして、数年の経験を要するような作業を短時間で正確に行うことを可能にしました。
ベテランオペレーターの不足をデジタルの力を活用してカバーし、新人や事務職の女性が建機作業を行うことができるようにするという夢のようなシステムの実現に、コマツ産機株式会社は15年以上の年月と毎年100億円を超える投資を行ってきたといわれます。
また、デバイスを自在に制御するKOMTRAXをさらに進化させた最新システムKomConnect (コムコネクト) も実用化されています。これは工事現場にドローンを飛ばして三次元測量データを取得し、それらのデータを読み込むことで 作業計画や工事のシミュレーションに役立てるというものであり、まさにデータ活用のレベルアップを成し遂げつづけている好例といえます。
攻めのデジタルマーケティングの仕組化へも取り組みを加速
コロナ禍によって、企業は訪問や展示会開催で新規の案件やリード(見込み客)を獲得する従来の営業ができなくなりました。2020年以降、試行錯誤しながらデジタルでの営業活動(デジタルマーケティング)を実施している建設企業も多いと推測します。
デジタルマーケティングの仕組みの中で重要なのが、獲得したリードをリアルな営業(フィールドセールス)へつなぐインサイドセールスの存在です。つなぐといっても単にリード情報をパスするだけではなく、自社の顔(一次対応者)としてリードとコミュニケーションを取る重要なポジションです。
インサイドセールス担当者には、リードのニーズを引き出し、フィールドセールスにつなげるべき顧客なのか、もしくはインサイドセールスで顧客との関係を緩くつなぎ、接点を切られないように中長期でフォローすべき顧客なのかを見分ける力が求められます。
自社がしっかりとリードをナーチャリング(育成)できているか、今一度、整理すべきです。
1.リード情報の収集・分類
営業担当者が個別で持っている見込み顧客のデータを1 カ所に集める必要があります。
顧客データベースでデータを一元化するなど、情報を統合することが望ましいです。次に、一元化したデータを顧客ごとに興味のある分野・コンテンツに分類し、興味や購入意欲がどの段階にあるのかを分けていきます。これらは見込み顧客に対して最適なアプローチを行うために重要です。興味のない顧客と興味の強い顧客に同じ情報を流しても効果は薄いからです。
2.コミュニケーションシナリオの設計
メールやセミナーの方法の中で、どのようなアプローチ方法を選択するのか、具体的にどのようなストーリーで成約まで結び付けるのかを想定してシナリオを設計する必要があります。
例えば、収集・分類したリードの中から、どのような階層にメールアプローチをするかを選ぶとともに、何段階に分けたメールを用意するのか、どのような頻度で送るのか、メールの次段階のアプローチをどうするか(セミナーやウェビナー、無料キャンペーンの実施、電話による案内など)を決めていきます。
3.ニーズに合わせたコンテンツを作成する
シナリオに沿いつつ、リードの興味・関心を引く内容にできるかどうかが成功の鍵です。スタート時は外部の力を借りてクオリティーを保持し、ノウハウがたまってから自社内で運用するのが良いでしょう。
バックオフィス業務の無駄を洗い出し、最新のデジタル技術によって改善を施すためのシステム再構築メソッドを提言します。