BtoBビジネスにおけるコンテンツマーケティングが営業DXを実現する理由

コラム 2024.06.21
マーケティングDX SFAデジタルマーケティングデータ活用売上拡大
BtoBビジネスにおけるコンテンツマーケティングが営業DXを実現する理由
目次

BtoBビジネスの現状と課題

営業パーソンもリアルでの訪問、商談が多く実施できるようになってきました。ですが、コロナ渦において営業パーソンの活動が制限される中においてもWEBサイトの改修やMA、SFAといった営業支援のツールを導入、運用などに力を入れていた企業と全く何もしていない企業では差が開きつつあります。
また営業パーソンの高齢化に伴い、多くの中堅中小企業では営業部門においても人手不足が叫ばれており、その分の採用を行うか、もしくは生産性を向上させることが課題となっています。採用が難しくなっている今、WEBを活用した施策やDX化によって営業パーソンの生産性を向上させ、クライアントの課題のヒアリングや解決、または商談のクロージングなど、人でしか行うことが出来ない部分へ注力させることが必要です。

BtoBビジネスでのコンテンツマーケティングの重要性

多くのビジネスパーソンが必要な情報をWEBで検索することが当たり前となった現在、HPを持っていない企業の方が稀となりました。ただし多くの企業のHPの作りはクライアント、株主、社員、関係者など様々な人に向けた作りのサイト、いわゆるコーポレートサイトとなっています。

最近では採用強化のために採用サイトをコーポレートサイトとは別で制作している会社も増えてきました。これは入社を検討している方に向けて必要な情報を発信できるメリットがあり、サイトへの流入者が欲しい情報を的確に発信することができるのです。一方で営業強化のためのサイト、いわゆるマーケティングサイトを制作している会社はまだまだ少数となっています。商品の概要やサービスの詳細をコーポレートサイトに載せてはいるものの、購買意欲のあるクライアントが本当に必要としている情報は載っていないケースがほとんどです。普段営業パーソンが新規訪問した際や商談のクロージングをする際にクライアントを説得するキーワードや落とし文句をサイトに入れることでより購買意欲を引き立て、引き合いの獲得や問い合わせに繋げていくのです。

例えば「お客様の声」「改善効果」「事例の紹介」などが挙げられます。これらをマーケティングサイトと呼び(以降、マーケティングサイトと記載)、引き合いを獲得していくことをコンテンツマーケティングと呼びます。普段営業パーソンの方がクライアントに話していることをマーケティングサイトに行ってもらうのです。
BtoCの商品やサービスを持っている企業では多く行われていますが、BtoBの商品やサービスを提供している企業においてはまだまだ少数となっています。営業パーソンの人手不足や働き方改革などによって生産性の向上が求められている今、24時間365日商品やサービスを営業し続けてくれるWEBやツールを活用しない手はありません。

営業DXとは

DXとはデジタルトランスフォーメーションの略であり経済産業省は「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。
このデジタルトランスフォーメーションという言葉が市民権を得た現在では多くの経営者がDX化を推進しています。ただDXといっても現在では人事、生産、物流など細分化されており、営業におけるDXも多くの施策やツールがあります。ただし、まだまだ営業におけるDXについては後回し、もしくはそもそも認知されていないケースも見受けられます。営業は人任せ、進化しようがないといった誤った認識を持っている経営者も多くいるのです。

コンテンツマーケティングと営業DXの関連性

コンテンツマーケティングと営業DXの関係は切っても切り離せません。例えばある商品、仮に組み立てロボットのミニサイトを作成したとします。そのサイトにはロボットの概要、導入までの納期、導入事例、生産効率アップなどの改善具体例、導入費用、ライバルとの価格差などが紹介されています。カスタマイズやオプションの追加など新しい事例が出るたびにこのサイトで紹介しアップをしています。問い合わせページもあり、その問い合わせから受注に至るまでをモニタリングしていきます。

ここまででもコーポレートサイトに1ページだけカタログ掲載や商品紹介を掲載しているだけよりも問い合わせをいただく可能性は上がりますが、さらに営業DXを用いて受注への確率を高めていくのです。まずは引き合い・問い合わせがあったクライアントの情報をMAツール、SFAツールへと登録します。この登録された方が次にこのミニサイトを見に来た際にはMAツール上に記録が残ります。その記録は日時、参照ページ、滞在時間、離脱ページなどです。ある程度この情報がたまったところで営業にリード情報としてパスを行います。

例えば「●●株式会社の□□様がこの2週間で2回サイトを見に来ました。」といった具合です。これらは全て自動で行われます。今までは営業パーソンの勘に頼る、とにかく数をこなすといった業務をすべて営業DXで自動化するのです。新規開拓や休眠顧客へのアプローチはベテラン営業パーソンでも時間と労力がかかります。購買意欲が高そうな顧客を自動であぶり出し、営業部隊へと繋げることで営業の生産性向上を図るのです。

具体的な事例とその効果

最後にショッピングモールなどの小売店などの内装を手掛けるA社の事例をご紹介します。A社ではコーポレートサイトに事例の紹介として完成後の綺麗な写真を現場ごとに1枚掲載するだけの簡易的なものでした。
また飛び込み営業や膨大な量のリストでの架電を行い、アポを取る作業を営業チームは行っていましたが、リアルでの行動がコロナ渦において制限され、危機感を覚えた経営者はWEBでのマーケティング強化に舵を切りました。WEBでの引き合いを増やすためにまずは商品やサービスの紹介に特化したマーケティングサイトを作成。工事ごとに1ページずつ事例の紹介ページを作成し、写真を多く掲載しました。コンテンツ部分においては現場担当者の声、お客様の声も掲載しています。

さらにペルソナを新任担当者に設定したコラムのページも設け、豆知識や最近の流行りの情報なども随時掲載し閲覧数を稼いでいます。新しい事例の追加やコラムアップのタイミングなどネタが尽きないように工夫をしながらメルマガを配信、開封率とクリック率を重要KPI指標として追いかけ、どの記事や事例が好評だったかなどをチームで共有しています。
またMAツールも導入し、メルマガからのマーケティングサイトへの流入があり、かつ5P以上閲覧があったユーザーなど、一定の条件を満たしたクライアントは自動的にリストアップされ営業部隊へと渡されます。これにより営業パーソンの新規開拓のための情報収集の手間が省け、また休眠顧客へのアプローチや現在提案中のクライアントとの商談をスムーズに進めることにも役立っています。

さらにA社ではWEB広告も配信し、マーケティングサイトへの新規の流入を増やすことも始めています。キーワードの見直しやコラム・ホワイトペーパーの追加掲載などSEO対策も計画的に行い、Facebook、InstagramなどSNSでの投稿も別チームで実施、更なる加速を続けています。上記内容は一つ一つの施策ではなかなか成果が出にくく大変な業務となりますが、すべてを連動させることで多くのメリットを生み出すことが可能となります。A社においては部門や役職を超えて全社で取り組むことにより、良い結果を生み出すことが出来たのです。
「新規開拓を強化したい」「休眠顧客からの引き合いをもっと増やしたい」等といった課題があるのであれば、上記のように営業DXを推進してみてはいかがでしょうか。

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AUTHOR著者
デジタルコンサルティング事業部
チーフコンサルタント
大石 和輝

企業のブランディング・プロモーションなど、戦略立案から実行支援、クリエイティブ制作までワンストップの支援に携わる。Webプロモーションを活用したリアル×デジタルの顧客育成を得意とし、建設土木企業の採用ブランディング・プロモーション支援の実績を持つ。常にクライアントの心情を考えたコンサルティングを心掛けている。

大石 和輝
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