企業のマーケティング戦略に基づいたホームページの役割

コラム 2024.06.28
マーケティングDX ECサイト
企業のマーケティング戦略に基づいたホームページの役割
目次

はじめに

インターネットの普及に伴い、企業のホームページは大きな変化を遂げました。かつてはただの情報提供の場に過ぎなかったホームページも、今やマーケティング戦略の中核を担う存在となっています。現代のデジタル社会において、ホームページは企業の顔であり、その信頼性やブランドイメージを大きく左右します。ここでは、ホームページの役割がどのように変化し、進化が求められる背景とその理由について考察します。また、活用成功事例についてもご紹介します。

ホームページの役割の変化

1. 初期の役割:情報提供の場

1990年代から2000年代初頭にかけて、ホームページは企業の基本情報や製品サービスの紹介、連絡先などの情報を提供する場として利用されていました。シンプルな構成で、利用者は必要な情報を得るためにホームページを訪れていました。

2. 顧客関係の構築:双方向コミュニケーションが可能なプラットフォーム

2000年代中盤から2010年代にかけて、ホームページは情報提供の場から顧客との双方向なコミュニケーションを図ることが可能なプラットフォームへと進化しました。ブログやニュースレター、問い合わせフォームなどの要素が加わり、顧客との関係構築が強化されました。これにより、顧客満足度やロイヤルティが向上しました。

3. マーケティングと販売の統合:エンド・トゥ・エンド(E2E)の顧客体験価値の向上

2010年代後半あたりから現在にかけて、ホームページはマーケティングと販売を統合するエンド・トゥ・エンド(E2E)のCX(顧客体験価値)を提供するプラットフォームとなりました。SEO、コンテンツマーケティング、リードジェネレーション、Eコマースなどの戦略がホームページを中心に展開されるようになり、新規顧客の獲得や既存顧客の維持、売上の向上に大きく寄与するようになりました。

進化が求められる背景とその理由

1. デジタルシフトの加速

デジタル化が進む現代において、企業はオンラインでの存在感を強化する必要があります。特に、新型コロナウイルスのパンデミックにより、対面でのビジネス活動が制約される中で、デジタルチャネルの重要性が一層高まりました。ホームページはその中核を担い、企業と顧客の接点を提供する主要なプラットフォームとなりました。

2. 顧客の行動変化

顧客の購買行動も大きく変化しています。インターネットを利用して商品やサービスを調査し、口コミやレビューを参考にする消費者が増えています。ホームページが信頼できる情報源として機能することは、顧客の購買意欲を高めるために重要です。また、モバイルデバイスの普及により、いつでもどこでもアクセスできる利便性も同時に求められています。

3. 競争の激化

市場の競争が激化する中で、他社との差別化が求められています。例えば、口コミやレビューから得た情報とホームページの情報にギャップがあると、購買にはつながりにくくなります。また、ホームページが魅力的で使いやすく、顧客に価値を提供することも重要です。これは単にデザインの美しさだけでなく、コンテンツの質やユーザーエクスペリエンス(UX)も含まれます。

4. 技術の進化

技術の進化もホームページの役割を変える大きな要因です。AI、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどの技術を活用することで、ホームページはよりパーソナライズされた体験を提供することができます。また、SEOやSEMの手法も進化しており、これらを効果的に活用することが求められます。

タナベコンサルティングでは、戦略視点に立ったホームページとデジタルマーケティング施策との連動、また構築後の徹底した運用が成功につながると考えています。

そこで参考までにデジタルマーケティングのレベル表を設定しております。自社のホームページや、デジタルマーケティングのレベルがどこにあるのか、一度確認し、改善の方向性を探るとよいでしょう。

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デジタルマーケティングのレベル表
タナベコンサルティングにて作成

活用成功事例

1. Eコマースの進化

Amazonや楽天などの大手Eコマースサイトはもちろん、中小企業もホームページを活用してオンライン販売を強化しています。例えば、あるアパレル企業は、ホームページ上でバーチャル試着機能を導入し、顧客が自宅にいながら商品を試着できる体験を提供しています。これにより、オンラインショッピングの利便性が向上し、コンバージョン率が上がっています。

2. パーソナライゼーション

ホームページ上でのパーソナライゼーションも重要なトレンドです。NetflixやSpotifyのような企業は、ユーザーの視聴履歴やリスニング履歴を基に、個々のユーザーに最適なコンテンツを推薦しています。これにより、ユーザーのエンゲージメントが高まり、長期的な顧客ロイヤルティが向上しています。

3. インタラクティブコンテンツ

インタラクティブなコンテンツを提供することで、ユーザーの参加を促し、エンゲージメントを高める取り組みも増えています。例えば、化粧品ブランドのLushは、ホームページ上でスキンケア診断ツールを提供し、ユーザーが自分の肌質に最適な製品を見つける手助けをしています。このようなインタラクティブな体験は、ユーザーに価値を提供し、ブランドへの信頼感を高めます。

4. SEOとコンテンツマーケティング

B2B企業もホームページを活用してリードジェネレーションを強化しています。例えば、あるソフトウェア企業は、ブログやホワイトペーパー、ケーススタディなどのコンテンツを定期的に更新し、SEOを強化することで検索エンジンの上位に表示されるよう努めています。このような取り組みにより、ターゲット顧客からの問い合わせが増加し、ビジネスの成長に貢献しています。

5. ソーシャルメディア連携

ソーシャルメディアとホームページを連携させることで、ブランドの認知度を高める戦略も効果的です。例えば、InstagramやFacebookでのキャンペーンを通じて、ユーザーがホームページに誘導され、製品情報や特典を確認することができます。これにより、ソーシャルメディア上でのエンゲージメントがホームページのトラフィックに直結します。

ホームページの改修やリニューアル時のポイント

このようにBtoB企業のマーケティングにおけるホームページの役割が変化し、実際に成果創出をする企業が増えていく中、競合優位性を確保していくには、自社のマーケティングにおけるホームページの現状を把握し、成果に繋がるホームページの改修やリニューアルを実施していくことが求められているのです。


ホームページ改修やリニューアル時のポイント
  • ・Webマーケティング状況を可視化し、成果創出のための方向性を明確にすること
  • ・特定の施策に偏ることなく、全体最適の観点から、客観的な分析を行うこと
  • ・戦略から戦略の具体策設計から実行・浸透すること

タナベコンサルティングのWEBマーケティング診断サービスでは、BtoBビジネスがWebマーケティングで成果が出ない原因、さらに成果を伸ばす方向性を多角的なデータ分析から明らかにします。さらに、BtoB営業のデジタルシフトコンサルティングサービスでは、分析結果をふまえ、戦略策定から実行までワンストップで伴走支援。Webサイトと社内組織が連動し、新規案件が生まれる「しくみ」を構築します。

まとめ

企業のマーケティング戦略におけるホームページの役割は、時代の変遷とともに大きく変化し、進化を続けています。情報提供の場から顧客関係の構築、マーケティングと販売の統合を実現するプラットフォームへと成長し、デジタルシフトの加速、顧客行動の変化、競争の激化、技術の進化といった背景から、さらに進化が求められています。

最新の活用事例からも分かるように、ホームページはEコマース、パーソナライゼーション、インタラクティブコンテンツ、SEOとコンテンツマーケティング、ソーシャルメディア連携など、さまざまな戦略を通じて企業の成長に寄与しています。企業はこれらのトレンドと技術を積極的に取り入れ、常にホームページの改善と最適化に努めることで、競争力を維持し、顧客に価値を提供し続けることが求められます。

今後もホームページの役割は進化し続けるでしょう。企業は市場の変化に敏感であり続け、新しい技術やトレンドを積極的に取り入れる姿勢が重要です。ホームページを効果的に活用することで、企業はデジタルマーケティングの競争において優位に立つことができるでしょう。

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AUTHOR著者
執行役員 デジタルコンサルティング事業部 庄田 順一

マーケティング戦略パートナーとして、顧客に向けたデジタルとリアルを融合したコミュニケーションの戦略設計コンサルティング活動を展開。顧客創造に向けたWEBとリアルを融合した集客プロモーションコンサルティングにより売上げ拡大を支援。マーケティングの戦略策定から、実行・運営までトータルでサポート。特にプロモーション企画とその推進マネジメントを通じた人材育成で、クライアントから高い信頼を得ている。

庄田 順一
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