M&A情報
事業承継の為のM&A
-企業が歩むストーリーと事業承継の広がり-
2021.06.01

企業にもライフサイクルがあり、人間と同じようにある日突然「その時」はやってきます。企業の歩む道と各選択肢に対する備えが事業承継です。
- ❶ 企業の歩む道は「存続」「売却」「廃業」「倒産」の4つしかない。
- ❷ 近年の事業承継マーケットの活発化(団塊世代の引退、新型コロナウイルスの拡大)
- ❸ 事業承継における選択肢は「同族承継」「社内承継」「第三者承継」
- ➍ 「M&A」=「廃業から企業を救う」
企業が歩むストーリーと事業承継パターンへの理解
企業の歩む道は「存続」「売却」「廃業」「倒産」の4つしかない
事業承継に際し、経営者であるオーナー様が企業の行く末を考えたとき、会社の進む道は「存続」、「売却」、「廃業」、「倒産」の4つとなります。これまで第一線で企業の発展に貢献された経営者の皆様にとって、いつかは引退する時が訪れます。うまく自社の中で後継者を育てて引継ぐことができる場合は「存続」、第三者へ託す場合は「売却」となります。一方で、次の経営者が決まらない又は見つからない場合、これまで発展させた会社は「廃業」となる可能性があります。また、後継者探しや後継者教育をしているうちに業績が悪化、あるいはオーナーの身にもしものことが起こった場合、「倒産」ということにもなりかねません。後継者が決まっていないという事態は「急ぎではないが緊急性が高い」ということを認識し、事業承継のためのM&Aなどの手段を活用して第三者へ会社を譲渡することで会社や事業を存続させることも視野に入れた検討が必要です。
また、ご家族の中に経営者がいる方の場合は、オーナー様が企業の今後についてどのような対策を考えているのかを日頃から話し合うことも必要です。事業承継を検討しているか否か、後継者候補はいるか、後継者教育の進捗はどうなっているか、等です。オーナー様の意向が共有されていればご自身の動きも定まり、また、意見が対立した場合にも十分に話し合う時間を確保することができます。

事業承継マーケットの活発化(団塊世代の引退、新型コロナウイルスの拡大)
事業承継を迎える経営者数は増加しています。中小企業庁によると、経営者の平均引退年齢は70歳です。団塊世代の引退を背景に2025年には70歳以上で後継者不在の経営者の数は127万人まで増加することが予想されています。すなわち、今後、事業承継マーケットは拡大し、会社を譲渡して存続させる「事業承継型M&A」(第三者承継)の規模や件数は今以上に拡大します。高齢化による後継者不在の売り手企業は経営状況も良いケースも多く、従業員やノウハウ、技術、取引先もそのまま承継できるため、買い手企業側は低リスクで事業の多角化や拡大を検討することが可能です。売り手側企業、買い手側企業ともに事業承継型M&Aによるメリットは大きく、マーケット拡大が見込まれます。
2020年度1月~9月の日本企業のM&A件数は新型コロナウイルスの影響により9年ぶりに減少しました。しかし、コロナ禍で経済活動が制限されても、根本的に後継者が不在であるという事業承継の課題は変わりません。新型コロナウイルスにより業績が悪化したり、経済活動の停止により考える時間が増えたことが、事業承継の時期を早める可能性もあります。2020年度M&Aの件数が減少した反動で、2021年度は増加に転じることも十分に考えられるでしょう。

事業承継における選択肢は「同族承継」「社内承継」「第三者承継」
従来、事業承継といえば同族承継つまり、経営者のご子息もしくは親族に事業を引き継ぐことが一般的でした。これは今も昔も事業承継で一番多いケースです。一族経営の中小企業、経営者ご自身も親族から経営を引き継いだ企業だと最初に検討されるのは、このケースになります。早くから後継者育成に取り組むことができる点、自社株式の承継方法を選択できる点等が最大のメリットですが、親族だからこそ意見が対立した際の収拾はつけ難い点が難点として挙げられます。こうした点から、近年、同族に事業を引き継がない、親族が引継ぎたがらないケースが多く見受けられます。
次の手段として、社内承継を検討します。社員としてこれまで社長を支えてきた人材を後継者候補として育成し、次の経営を任せる手法です。元から会社の事業・理念に触れてきた人材の為、スムーズな承継が期待できます。しかし優秀な社員が即ち優秀な経営者とは限らず、候補を絞り込むのに難航するケースも多く見られます。後継者の株式取得にあたっての資金面で難航する場合もあります。
最後に、社内に次期後継者が不在の場合、外部の会社に事業を引き継ぐ第三者承継の選択肢を検討します。すなわち、これまで述べてきた「事業承継型M&A」という選択肢です。事業承継によるM&Aでは、事業内容や会社の状況によって同業・他業種問わず承継先を検討することができます。中小企業の場合は大企業とのM&Aによる、更なる事業拡大を図ることもできます。M&Aは株式の売却で行われるため分離課税の株式譲渡益課税のみが適用され、支払う必要のある税金を抑えることも可能です。
M&Aによる第三者承継も断念する時、企業は今後存続することが出来ず、廃業もしくは倒産となります。

「M&A」=「廃業から企業を救う」
事業を引き継ぐ担い手がいないということで廃業する企業は増加しています。廃業する企業の約6割が経営状態に問題のない黒字企業と言われています。事業の後継者が不在であることは事業存続において致命的ですが、廃業から企業を救う手段としてM&Aを活用し、第三者に事業(企業)を売却し、事業(企業)を存続することは可能です。廃業や倒産となった場合は従業員の生活や、特に中小企業の取引先企業には累が及んでしまう為、可能な限り事業を継続させる手段を検討して頂きたいと思います。大企業にとっても中堅・中小企業の貴重な人材やノウハウを取り込むことは大いにメリットがあります。大手資本の参加に入ることは企業を存続するだけでなく、大企業とのシナジーを発揮し、更なる事業の発展、成長を遂げることも可能です。M&Aで第三者に事業を承継させることは既に一般的な手段として確立され、今後も拡大することになるでしょう。事業承継の選択肢にM&Aは不可欠な存在と言えます。
もしこの記事をご覧の経営者様で、後継者不在で今後の方針に迷いのある方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。経営者様の想いや課題を伺わせて頂き、どのような解決策が最適か、一緒に考えさせていただきます。
トピックス:事業承継の為のM&A
これまで第一線でご活躍されてきたオーナー経営者の方も、いずれ引退の時は訪れます。
その時会社や事業を継続させるため、経営者の皆様は事業承継を検討されると思われます。
ご家族や親族の方が事業を引き継ぐ、あるいは、これまで会社を支えてきた従業員が引き継ぐ形の事業承継は、今までも多くみられるケースでした。しかし親族内承継・従業員承継が難しい場合、企業は廃業するしかないのでしょうか。実際、会社資産を全て売却しても借入金を全額返済できない中小企業が多く、従業員の理解を得ることも難しい為、できれば避けるべき選択と言えます。
タナベ経営は次世代に"経営を繋ぐ"ことを使命とし、後継者不在の企業を廃業から救うべく、「事業承継のためのM&A」という選択肢をご提案いたします。
後継者不在によるやむを得ない廃業から企業を救う手段として第三者に企業を譲渡する、こうしたM&Aを当社ではご支援させて頂いております。
譲渡企業様側は事業を継続できるので、従業員の雇用や顧客・取引先の維持が可能になります。
一方、譲受企業様側は、中堅・中小企業が培ってきた貴重なノウハウや人材を得ることができるので大きなメリットとなります。
事業承継を後継者不足で断念してしまう前に、是非タナベ経営にご相談ください。


丹尾 渉
執行役員
M&Aコンサルティング事業部長
2017年からM&Aコンサルティング本部の立上げに参画。M&A戦略構築からアドバイザリー、PMIまでオリジナルメソッドを開発。その後5年間で延べ80件以上のM&Aコンサルティングに携わる。「戦略無くしてM&Aなし」をモットーに、大手から中堅・中小企業のM&Aを通じた成長支援を数多く手掛けている。
- 主な実績
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- 上場企業の新規事業開発を目的とした譲受側M&Aアドバイザリー
- 上場企業子会社の事業戦略からM&Aまで一貫性を持たせた戦略構築
- 上場企業子会社の買収調査のためのビジネスDD、財務DD、労務DD
- 中堅企業の事業ポートフォリオの転換によるビジネスモデル変革支援
- M&Aを初めて実施した中堅企業のPMI支援
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