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M&A事例

「廃業も選択肢」の状況から、
取引先との承継で未来を切り拓く

譲渡企業概要

所在地関東

業種電設資材等の卸売業

代表者年齢80代

従業員数6名

売上規模約3億円

譲渡理由後継者不在

譲受企業概要

所在地関東

業種金属加工業

従業員数42名

売上規模約11億円

譲受の目的主要製品の取り扱い強化。商材拡大など

本M&Aの背景

【譲渡企業】

東京都内で電設資材の卸売業を手掛ける企業。社長は2代目であり、親族内に承継意欲のある後継者は不在。社長および従業員の高齢化も進む中、将来的には廃業も視野に入れた経営を行っていた。ただし、廃業によって長年取引を続けてきた顧客や取引先に大きな影響を及ぼすことを懸念し、事業の継続を前提とした第三者承継の検討を開始した。

【譲受企業】

譲渡企業とは20年以上にわたり取引関係を継続してきた重要な仕入先だった。主要製品の安定的な調達に加え、既存取引を基盤とした関係性を一層強化することで、事業基盤の強化および新たな商材の展開につながる点を高く評価し、本件の譲受を決定した。

M&A成約までのポイント

M&A成約までのポイント

①譲渡企業の課題
譲渡企業における最大の課題は、従業員の高齢化であった。長年にわたり家業として事業を継続してきた背景から、通院や通勤時間への配慮も含め、柔軟な勤務形態を採用していた、従業員一人ひとりの事情に寄り添った働き方が定着していた。そのため、M&Aに際しては、譲渡後も従業員の雇用および待遇が維持されることを重要な条件として整理する必要があった。

②譲受企業探索の基本方針(マッチング)
譲受企業の探索に当たっては、同業および周辺領域の業種を中心に検討を行なった。その結果、複数社から意向表明を受領したが、引き継ぎ後の運営体制や従業員への影響を重視し、最終的には主要取引先である企業へ優先的に相談を行った。当該譲受企業とは20年以上の取引実績があり、事業理解が深いことに加え、主要製品の取り扱いの強化や商材の拡大といった事業シナジーも見込めたことから、双方の合意に至った。

M&A成約のポイント、成約後にプラスになったポイント

・長年の取引関係を有する主要取引先が譲受企業となったことにより、業務内容や社風への理解が円滑に進み、譲渡企業にとって大きな安心感につながった。
・事業運営体制としては、当面の間、従業員の雇用を継続する方針としつつ、70歳を超える従業員も複数在籍していることから、2~3年後の引退を見据え、計画的に業務の引き継ぎを進めている。
・併せて、譲受企業から若手従業員を派遣し、人材の入れ替えや組織の若返りも視野に入れた取り組みを開始している。

M&Aをご検討中の経営者の皆様へ、紹介した事例を絡めたアドバイスやコメント

本件では、都内の立地や安定した財務基盤といった強みから、複数社が初期検討を行ったが、主な見送り理由は「従業員の高齢化」であった。
長年家業として事業を継続し、従業員とも数十年来の関係性を築いてきた結果、柔軟な労働環境が形成されていたが、譲受企業側は、将来的に高齢従業員が引退した後の事業体制までを見据えて検討する。そのため、業務の引き継ぎに加え、従業員構成の若返りや、労働環境・ルールを含めた「家業から企業への転換」の難易度が、検討上のハードルとなっていたとの印象である。
今回は、長年の取引先とのM&Aであったため、相互理解を前提に柔軟な検討が可能となった。その結果、デューデリジェンス(DD)の簡素化や、条件交渉における調整のしやすさにもつながっています。
一方で、取引先への売却打診については、情報開示のタイミングや切り出し方を慎重に見極めることが不可欠であり、事前の整理と専門家を交えた検討が重要であることを示す事例といえる。

この記事の執筆者
田中 康彦

田中 康彦

大手リース会社にて法人向けファイナンス営業に従事後、上場M&A仲介会社にて譲渡側・譲受側担当として複数件M&Aを経験し、当社に入社。「顧客に寄り添い、企業の持続的発展を実現する」をモットーに、売り・買い両面での支援を通じて、事業承継問題の解決に取り組んでいる。

主な実績
  • 構造設計事務所の譲受側M&Aアドバイザリー
  • 訪問看護事業の譲渡側M&Aアドバイザリー
  • 建設資材卸売業の譲渡側・譲受側M&Aアドバイザリー
  • 建具工事業の譲渡側M&Aアドバイザリー
  • 庭木輸出業の譲受側M&Aアドバイザリー
  • バス貸切事業の譲渡側・譲受側M&Aアドバイザリー
  • 修繕工事業の譲受側M&Aアドバイザリー
  • 情報通信業の譲受側M&Aアドバイザリー
2025年度M&Aの取り組みに関するアンケート

2025年度
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今回はアンケート結果をレポートにまとめ、M&A・事業承継を検討している経営者の方向けに、最新動向を踏まえたM&A戦略のポイントについて解説します。

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