M&A事例
大手企業のグループに入る「大手傘下型」M&A

譲渡企業(A社)
業 種 金属加工業
売上規模 10億円未満
譲受け企業(B社)
業 種 自動車部品製造業
売上規模 100億円
譲渡企業様の概要
中堅メーカーの子会社であり、先代の事業承継時に現在の親会社のグループに入った。
金属加工技術を武器に、ニッチな業界の部品を製造した。売上高は一定水準を維持しており、業績面では安定性の高い堅実な経営を行っていた。現在の社長は親族承継ではなく、外部から招かれた方であり、もともと社員として勤務していた従業員ではなかった。

譲渡企業様の課題
業績面では安定をしていたが、一方で右肩上がりで業績が伸びる事業でもなかった。
ニッチな業界に部品を納品していたが、その業界自体がゆるやかにシュリンク(縮小)している状況である。現状は業績に大きな変動は見られなかったが、数年先には先細りになることが予想されたため、新たな事業の柱を打ち出す必要があった。
また、親会社とのシナジーが十分に発揮されていなかったため、別の会社の傘下に入ることで成長のきっかけをつかむ必要があった。
譲受け企業探索の基本方針
現在の親会社とのシナジーが出ていないことの要因の一つは、最終製品がニッチな業界に対応したものであることが挙げられる。そのため売り手側企業はM&Aにあたり、買い手企業との製品の共通性に着目するのではなく、製品を作る過程の加工技術の技術力や親和性を活かせる企業を探していた。
また、安定した業績を出している企業や大企業、堅実な経営状況の企業の傘下に入って、再成長を目指すことが考えられた。
事業承継M&A成功のポイント
業績が大きく傾いているわけではないので、会社経営上はM&Aを検討せず、この企業単体で継続をすることも十分に可能であった。しかし、事業継続の視点にたったとき、新たな成長エンジンを作り出すためには「どこの会社と組むことがベストか」という視点でM&Aを進めた。
また、中堅メーカーの子会社であったため、親会社から経営者人材を派遣してもらうことも考えられたが、「成長」という視点をぶらすことなく、外部に活路を見出す意思が強かったことが、買い手との出会いを作ったといえる。
成果
-
大手企業のグループ会社になることで、金属加工技術を軸としたシナジーを生み出すモデルを譲渡側・譲受側の双方で協力して作っていく成功事例となった。また、従業員の雇用も確保され、今後の成長に向けた事業戦略を生み出すことができた。
おすすめ記事

2022年度
M&A・事業承継に関するアンケートレポート
タナベコンサルティングで大企業から中小企業に対してM&Aや事業承継に関する検討状況などのアンケートを実施。その調査結果から各社が感じるM&Aに対するイメージや、企業の未来にに感じる課題や不安が浮き彫りになってきました。
今回はアンケート結果をレポートにまとめ、M&A・事業承継を検討している経営者の方向けに今後M&A戦略を推進していくためのポイントについて解説します。
M&Aお役立ち資料

"経営をつなぐ"唯一無二のM&Aコンサルティングモデル
~サービス概要~
総合経営コンサルティングファームだからできる"経営をつなぐ"唯一無二のM&Aコンサルティングモデル。本資料ではサービス概要から近年のM&A市場動向、コンサルティング事例までをご紹介します。

事業承継・M&Aを成功させる
ための事前準備チェックリスト
譲渡に向けて事前に準備はできていますか?譲渡企業向けにM&Aを成功させるための事前準備チェックリストをぜひご活用ください。

2023年度 M&A・事業承継に
関するアンケート
2023年に実施したアンケート調査から見えてきた各企業が考えるM&A、事業承継とは?
アンケート結果をもとに企業が抱える課題を解決する「成長M&A」のポイントについて解説します。
相談会
事業承継・M&Aに関する相談会
- 事業承継期を迎えているが後継者がいない
- 成長が鈍っている事業の譲渡を検討している
- 資本力を得て、もっと会社を成長させたい など
