全ては「若葉品質」実現のためのERP導入~若手経営者の想いの実現~
荷主と顧客のラスト・ワンマイルを担うビジネスモデルの追求
株式会社若葉ネットワークは神奈川県横浜市に所在する、年商50億円規模の配送事業を営む企業です。荷主と顧客のラスト・ワンマイルを担っています。また、2020年に先代からの代変わりを経て、新たな経営体制で事業に取り組んでいます。
昨今のコロナ禍やネットワークの発展により、より多くのユーザーが配送サービスを利用し、配送業界の成長は右肩上がりの一途を辿っています。一方で社会的要請の高まりにより、法令や世情も踏まえ、配送業界においてもより敏感に、顧客ニーズへの対応を踏まえた配送品質の向上、環境への配慮等、企業として管理すべき領域が増加しています。同社は、従業員50名・業務委託ドライバー約500名からなる企業にまで成長してきました。より一層の発展と成長を果たしていくため、経営理念と今後の成長戦略に沿ったシステム基盤構築並びに属人化の排除や非効率業務の排除を目指し、品質管理、請求/支払情報管理、シフト管理、ドライバー情報管理を実現するためにタナベコンサルティンググループとともにIT経営を目指しました。
システム導入方針の決定と業務の可視化
現状各事業や個人が独自に実施している業務をシステム化により集約し、共通基盤での管理・運用を実施するため、品質管理の仕組み構築にあたっては「事故情報・クレーム情報・配送個数情報の分析」、請求/支払管理の仕組み構築にあたっては「確実な請求/支払の算出」、ドライバー情報管理の仕組み構築にあたっては「情報一元化およびシフト管理」が重要なシステム対応方針として決定しました。
また、現状の業務を可視化した結果、勤怠管理として"人事freee"、会計管理システムとして"弥生会計"を利用しており、それ以外は全てエクセル・紙での管理となっていました。また、 各エクセルが独立して存在しているため、品質管理・シフト管理・ドライバー情報管理及び請求/支払管理等の各情報は重複したデータ管理が行われている状況となっており、非常に非効率であることが分かりました。
対象システム範囲/要件の設計とベンダー評価決定と投資採算による魂のこもったシステム導入
現行業務に対し、今回の対象システム範囲を優先順位の高い順に列挙しました。結果、①請求/支払管理、②品質管理、③ドライバー情報管理、④配送個数管理、⑤シフト管理としました。次に主要業務の要件の定義を行い、ベンダー各社へのRFP(提案依頼書)を作成し、回答結果の比較を行いました。評価項目は多岐にわたり、大きくは解決の具体性及び解決策が自社の目的と合っているかの目的適合性評価と、キャッシュアウトの場合における各年度単位の投資額とP/Lにおける計上額の整理によるコスト評価を行いました。最終的にシステム及びベンダーの選定が完了、現在は開発及び検証を進めています。
同時に、可視化した中で抽出された中長期的課題やシステム外の、いわばアナログ的運用面での経営課題についても順次着手するとともに、今回のERP導入を契機としてグループウエアの導入、電子帳簿保存法への対応、勤怠システムのリプレイスによる更なるデジタル化、IT経営の推進に挑戦しています。