BtoBマーケティングのプロセスとは?
成果を出すための基本的な手順を解説

コラム 2023.10.25
営業&マーケティングDX デジタルマーケティング
BtoBマーケティングのプロセスとは?成果を出すための基本的な手順を解説
目次

BtoBマーケティングは検討期間が長く、関与者も多いため、単発の施策だけでは成果に繋がりません。継続的に売上を生み出すためには、活動全体を体系化した「プロセス」の構築が不可欠です。

本コラムでは、BtoBマーケティングのプロセスを基礎から分かりやすく解説します。見込み顧客の獲得、育成から商談化まで、各フェーズの役割や具体的な施策手法を網羅しました。営業部門との連携ポイントも交え、自社のマーケティングを売上に直結する仕組みへと進化させたい担当者様必見の実践ノウハウをお届けします。

BtoBマーケティングとは

BtoB(Business to Business)とは、企業が企業に対して商品・サービスの提供を行う法人間ビジネスを指します。そして、その法人間での「商品・サービスが売れるしくみの構築」のことをBtoBマーケティングといいます。

近年、このBtoBマーケティングがかつてないほど注目を集めています。その背景にあるのは、顧客の購買行動のデジタルシフトです。新型コロナウイルスの影響を契機に、対面営業の制限や展示会のオンライン化などが進んだ結果、顧客側も「まずはWeb上である程度自ら情報を調べてから、企業へ問い合わせをする」という流れが一般化しました。

従来の属人的な営業や待ちの姿勢だけでは、顧客との接点すら持つことが難しくなっています。だからこそ、企業はマーケティング活動を体系化し、オンラインを含めた顧客との接点を戦略的に構築する仕組みづくりが急務となっているのです。

BtoBマーケティングの基本的なプロセス

BtoBマーケティングは、単発の広告配信や展示会への出展だけで完結するものではありません。見込み顧客と接点を持ち、中長期的に信頼関係を築きながら購買意欲を高め、最終的に営業部門へ引き継いで成約・継続へと繋げる一連の流れとして捉えることが重要です。

特に、マーケティング部門が主導して見込み顧客を創出し、営業部門に渡すまでの前半プロセスは「デマンドジェネレーション」と呼ばれ、BtoBマーケティングの中核を担います。全体像としては、以下のようなリレー形式でプロセスが進行します。

1.獲得:自社を知らない潜在層との接点を作り、見込み顧客の情報を獲得する
2.育成:獲得したリードに対して有益な情報を提供し、中長期的に購買意欲を高める
3.選別:購買意欲が高まったリードを見極め、営業活動の優先順位をつける
4.商談:営業部門へパスし、的確なアプローチによって成約へと結びつける
5.維持:成約後も関係を継続し、継続利用やアップセルを促す

マーケティングから営業、そしてカスタマーサクセスへと至るこれらのプロセスは、どこか一つでも分断されたり滞ったりすると最終的な売上に繋がりません。次章からは、これら5つのプロセスそれぞれの役割と、各段階で有効な具体的な施策・手法について解説します。

BtoBマーケティングの5つのプロセスと具体的な手法

前章でお伝えした全体像を踏まえ、ここからは各プロセスで具体的に何をすべきかを見ていきます。

BtoBビジネスは意思決定者が多く、比較検討期間が長期化しやすいため、獲得した見込み顧客がすぐに商談化するとは限りません。だからこそ、各フェーズの目的に合わせて適切な手法を使い分け、着実に次のステップへと顧客を引き上げていく設計が不可欠です。施策を含めて以下の5ステップに沿って解説します。

ステップ1:リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)
ステップ2:リードナーチャリング(見込み顧客を育てる)
ステップ3:リードクオリフィケーション(見込み顧客を絞り込む)
ステップ4:商談・成約
ステップ5:リテンションマーケティング(顧客との関係構築)

ステップ1:リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)

リードジェネレーションとは、Lead=見込み顧客 Generation=生成
つまり、自社の商品やサービスに関心を持っている、顧客となりうる見込み顧客を獲得するための活動のことです。初めて見込み顧客と接点を持つステップであり、氏名やメールアドレス、電話番号、企業情報などを取得します。

主な手法

Web広告・SNS広告

Web広告を出稿し、自社のホームページやランディングぺージ等に見込み顧客を誘導する手法です。Webサイトやアプリの広告枠に表示されるディスプレイ広告や、キーワード検索した際に表示されるリスティング広告、InstagramやFacebook等に表示させることのできるSNS広告など、様々な種類のWeb広告があります。

SEO対策(検索エンジン最適化)

SEO(Search Engine Optimization)とは「検索エンジン最適化」と訳されます。Googleなどの検索エンジンのオーガニック検索(自然検索)で、自社のサイトを上位表示させるための改善施策のことをSEO対策といいます。

ホワイトペーパー

顧客の課題解決に関するお役立ち情報などの、見込み顧客が知りたいと思われる有益な情報をまとめた資料です。ホワイトペーパーをWebサイトに掲載し、潜在顧客のアドレスや社名・氏名等の個人情報と引き換えにダウンロードさせることで、見込み顧客を集めることができる施策となっています。

展示会

展示会への出展も有効な手法です。多数の潜在客が集う場所で、見込み顧客と直接コミュニケーションをとり繋がることのできる貴重な機会となっています。展示会は、自社の商品やサービスを紹介する上でも重要な役割を持っています。

ステップ2:リードナーチャリング(見込み顧客を育てる)

続いて、リードジェネレーションで獲得したリードに対し、ナーチャリングを行っていきます。
ナーチャリングとは、Nurturing=育てる
つまり見込み顧客の育成のことです。ステップ1で獲得したリードの購買意欲を高めていくための活動を指します。
接点を持ったばかりの見込み顧客の多くは、商品やサービスに興味関心を持っているものの、まだ購買意欲が低く、すぐに成約・購入してもらえる段階にはありません。そのため、成約を目指す上で意欲レベルに応じたアプローチを行い、購買意欲を高めていきます。

主な手法

メールマガジン(メールマーケティング)

見込み顧客へメールを配信し新たな情報を提供していくことで、商品やサービスに関する興味関心や信頼関係を高めていく手法です。顧客育成や休眠顧客に対しても有効な施策となっています。

ウェビナー(オンラインセミナー)

「ウェブ(Web)」と「セミナー(Seminar)」を合わせた造語で、Web上でセミナー配信を行うオンラインセミナーのことです。配信方法は大きく2パターン、「リアルタイム配信(ライブ配信)」と「録画配信」があります。
時間や場所に制限されずに行えることや、リアル開催でのセミナーよりも費用を抑えることができ、また大多数へ配信できる点が大きなメリットです。

ダイレクトメール

ダイレクトメールの送付は、特定のターゲットへ直接メッセージを送付する手法です。
郵便はがきやチラシ、FAX等様々な種類があります。BtoBにおいては、最初に手に取る人が担当者でない可能性や、決裁者でない可能性が高いため、あらかじめそのことを念頭に置いて内容を作成することが必要です。

ステップ3:リードクオリフィケーション(見込み顧客の選別)

クオリフィケーションとは、Qualification=資格・適性という意味です。
見込み顧客として適性のある人、つまり顧客となる可能性の高い人を絞り込んでいくステップとなります。リードナーチャリングで購買意欲が高まったリードの行動(メールの開封、Webサイトの閲覧、資料ダウンロードなど)をスコアリングすることで、もう少しで成約・購入にいたりそうな「ホットリード(購入意欲の高い見込み顧客)」を抽出していきます。

ステップ4:商談・成約

ホットリードを抽出したあとは、営業部門が直接アプローチを行い、実際の商談・成約へとつなげていきます。ここで重要になるのがマーケティングと営業の橋渡し役です。

主な手法

インサイドセールス

外回りの営業(フィールドセールス)とは異なり、電話やメール、Web会議ツールなどを活用して非対面で行う営業活動です。マーケティングが創出したリードにいち早くコンタクトを取り、対話を通じてさらに意欲を高め、質の高い商談をフィールドセールスへパスする役割を担います。

ステップ5:リテンションマーケティング(顧客との関係構築)

リテンションとは、Retention=維持・保持
成約・購入に至った、顧客との関係性を安定的に継続していくための活動のことを、リテンションマーケティングといいます。
BtoBビジネスでは、新規獲得だけでなく、既存顧客からの継続利用(リピート購入)や上位商材の購入(アップセル)、別商材の購入(クロスセル)が利益に大きく影響します。獲得・育成フェーズで使用したメールマガジンや会員限定のウェビナーなどを活用し、成約後も顧客の成功をサポートし続けることが重要です。

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マーケティングファネル

※タナベコンサルティング作成

BtoBマーケティングのプロセスを成功に導くポイント

5つのプロセスは、それぞれを単発のタスクとしてこなすだけでは売上に繋がりません。プロセス全体を一つのパイプラインとして捉え、滞りなく顧客を次のステップへ進めるための仕組み化が必要です。ここでは、プロセス全体を成功に導くための3つの重要なポイントを解説します。

マーケティング部門と営業部門の連携強化

プロセスの途中で最もつまずきやすいのが、「マーケティング部門」と「営業部門」の分断です。マーケティング部門がせっかくリードを獲得・育成しても、営業部門が「まだ検討度合いが低い」と放置してしまえば、それまでの投資が無駄になってしまいます。

これを防ぐためには、両部門間で「どのような属性・行動をとった顧客をホットリードとするのか」という定義を明確にすり合わせることが不可欠です。近年では「The Model」に代表されるような、マーケティングから営業、カスタマーサクセスまでの各部門が共通の目標やKPIを持ち、シームレスに連携する組織体制の構築が推奨されています。

ツールの活用

手作業や表計算ソフトで数百・数千のリードを管理し、一人ひとりに適切なタイミングでアプローチすることは実質不可能です。プロセスを効率的かつ正確に回すためには、MAやSFA・CRMなどのITツールの導入・活用が欠かせません。

・MA(マーケティングオートメーション):メールの自動配信や、Web上の行動履歴に応じたスコアリングなど、ナーチャリング業務を自動化・効率化します。
・SFA(営業支援システム)/CRM(顧客管理システム):営業部門へ引き継いだ後の商談進捗や、成約後の顧客対応履歴を一元管理します。

これらのツールを連携させることで、「どのマーケティング施策から流入したリードが、最終的にどれだけ売上に貢献したか」というデータ追跡が可能になり、施策の継続的な改善に繋がります。

カスタマージャーニーマップの策定

顧客を効果的にナーチャリングするためには、自社目線のステップだけでなく、「顧客側が認知から購買に至るまでに、どのような心理変容を起こし、どんな情報を求めているのか」を深く理解する必要があります。

そこで有効なのがカスタマージャーニーマップの策定です。顧客の行動、思考、感情の動きを時系列で可視化することで、「どのフェーズの顧客に」「どのチャネルで」「どのようなメッセージを届けるべきか」が明確になります。属人的なカンに頼らず、顧客視点に基づいた一貫性のあるアプローチシナリオを描くことが、プロセスの成功を左右します。

まとめ

本記事では、BtoBマーケティングの一連のプロセスと具体的な手法、成功に導くためのポイントを解説しました。

BtoBの購買行動は長期化しやすいため、単発の施策に頼るのではなく、リードの獲得から育成、商談化までのステップを一つのパイプラインとして体系化することが重要です。効果を最大化するには、カスタマージャーニーマップを通じた深い顧客理解と、マーケティング部門・営業部門のシームレスな連携、そしてそれらを支えるITツールの活用が不可欠となります。本記事を参考に、自社の売上に直結する継続的なプロセス構築に取り組んでいきましょう。

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