マーケティングの観点からみるデータの利活用について(後編)

コラム 2025.04.14
マーケティングDX デジタルマーケティング営業DX推進コンサルティング教育
マーケティングの観点からみるデータの利活用について(後編)
目次

マーケティングデータの利活用は、営業活動の効果を高め、顧客満足度を向上させることができます。データの利活用を促進し、営業活動を変革することで持続的な成長を実現することができると考えます。
マーケティングの観点からデータの利活用を促進するための具体的なアプローチを5つ解説いたします。

1.必要なデータの整備と統合
2.データ分析の強化
3.営業プロセスの見直し
4.データ利活用における教育トレーニング
5.データ利活用状況のフィードバック機会の創出
(※本コラム後編3.4.5を解説いたします。)

3.営業プロセスの見直し

営業プロセスの見直しは、データを利活用した営業モデル構築のための営業活動を最適化するための重要なポイントです。
営業プロセスを見直すことで、無駄なステップや非効率な手順を特定し、改善することができます。これにより、営業チームの生産性が向上し、より多くの時間を顧客対応や戦略的活動に充てることができると考えます。現在のプロセスでどのようにデータが活用されているかを把握し、データドリブンなアプローチを強化することで、顧客のニーズにより的確に応え、成約率の向上や顧客満足度の向上へ繋げます。また、市場環境や顧客のニーズは常に変化しており、営業プロセスを定期的に見直すことで、これらの変化に迅速に対応し、競争力を維持することができます。

(1)営業プロセスマッピング

現在の営業プロセスを詳細にマッピングし、各ステージでどのようなデータが活用されているか、または活用されていないかを可視化します。これにより、データが不足している部分や改善が必要な部分を特定できます。

(2)データドリブンなアプローチ

顧客の行動データや過去の取引履歴を基に、営業活動をデータドリブンに進めることが求められます。これにより、顧客のニーズに合わせたパーソナライズされた提案が可能になります。

(3)プロセスの自動化

営業プロセスの一部を自動化することで、効率を向上させることができます。例えば、リードのスコアリングやフォローアップのタイミングを自動化することで、営業担当者の負担を軽減し、より戦略的な活動に集中できるようにします。

4.教育とトレーニング

データの重要性を理解し、効果的に活用するためには、営業チームに対する教育とトレーニングが不可欠です。データを効果的に活用するためには、営業担当者がデータ特性を理解し、分析するスキルを持つことが不可欠です。技術や市場のトレンドは常に進化しています。教育とトレーニングを通じて、継続的なスキルアップ機会を提供することで、営業チームが最新の知識とスキルを身につけ、競争力を維持することができると考えます。また、成功事例の共有やスキルアップの機会を提供することで、営業チームのモチベーションを高め、組織全体のパフォーマンスを向上させることにも繋がってきます。

(1)データリテラシーの向上

営業担当者がデータを理解し、活用できるようにするために、データリテラシーを向上させるトレーニングを実施します。これには、データ分析の基礎やツールの使い方、データに基づく意思決定の方法などが含まれます。

(2)継続的な学習機会の提供

データ利活用のスキルは一度のトレーニングで身につくものではないため、継続的な学習機会を提供することが重要です。定期的なワークショップやオンライン研修などの機会を設け、最新のデータ利活用技術やトレンドを学ぶ機会を整えます。

(3)成功事例の共有

データを利活用して成功した事例を社内で共有し、他のチームメンバーのモチベーションを高めます。表彰制度などあれば活用するのも一つの手です。これによって、データ利活用の具体的なメリットを実感しやすくなります。

5.フィードバックループの構築

フィードバックループの構築は、データ利活用の効果を測定し、継続的に改善しPDCAを回すために必要です。フィードバックループを構築することで、営業活動の結果を定期的に評価し、改善点を明確にすることができます。顧客からの反応やフィードバックを収集し、営業戦略に反映させることで、顧客のニーズにより的確に応えることができます。これにより、顧客満足度の向上やリピート率の向上が期待できます。

(1) 定期的なレビュー

営業活動の結果を月一回定期的にレビューするなど、データ利活用の効果を定期的に測定します。これにより、どの施策が効果的であったか、どの部分に改善の余地があるかを明確にします。

(2) 顧客フィードバックの収集

顧客からのフィードバックをデータとして収集し、営業戦略に反映させます。顧客の声を直接取り入れることで、より顧客ニーズに合ったアプローチが可能になります。

(3) 改善サイクルの確立

フィードバックを基にした改善サイクルを確立し、営業プロセスや戦略を継続的に見直します。これにより、データ利活用の精度が向上し、営業活動の効果を最大化することができます。
これらの取り組みを通じて、営業活動の改善が可能となり、企業の競争力を高めることができるでしょう。

6.さいごに

ここまでマーケティングの観点からデータの利活用における重点ポイントを解説してきました。既に記載した内容は実装、反映済みという方も多いかもしれませんが、更にデータ利活用レベルを向上させるためには、データの見える化、特にダッシュボードの構築を実現することをお薦めします。ダッシュボードを利用することにより、マーケティングデータをリアルタイムで確認することが可能となり、迅速な意思決定を可能にします。データを視覚的に表現することで、複雑な情報を直感的に理解しやすくなり、データに基づいた戦略的な判断がしやすくなります。
さらに、ダッシュボードは、設定したKPI(重要業績評価指標)をモニタリングするための強力なツールです。KPIの達成状況をリアルタイムで追跡することにより、目標に対する進捗を確認し、必要に応じて戦略を修正することが可能です。また、異なる部門間での情報共有が容易になり、全員が同じデータを基に議論することで、部門間の連携が強化され、組織全体での一貫した戦略立案が可能になります。
ダッシュボードの導入は、データドリブンな文化を組織に根付かせるための一助となり、社員が日常的にデータを参照し、意思決定に活用することで、データの重要性が組織全体で認識されるようになります。これらの利点を活かし、企業はより効果的なマーケティング戦略を展開することができるでしょう。

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AUTHOR著者
執行役員
デジタルコンサルティング事業部
庄田 順一

マーケティング戦略パートナーとして、顧客に向けたデジタルとリアルを融合したコミュニケーションの戦略設計コンサルティング活動を展開。顧客創造に向けたWEBとリアルを融合した集客プロモーションコンサルティングにより売上げ拡大を支援。マーケティングの戦略策定から、実行・運営までトータルでサポート。特にプロモーション企画とその推進マネジメントを通じた人材育成で、クライアントから高い信頼を得ている。

庄田 順一
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