インクルーシブリーダーシップとは
インクルーシブリーダーシップとは、リーダーとしてのあるべき像や理論ではなく「メンバーと対等な立場で向き合い、個々の能力を引き出し、目標に向けてリーダーシップを発揮するスタイル」を指す。
インクルーシブリーダーシップは古くから良いとされているリーダー像や慣習を正とするのではなく、リーダーのみが主体性を発揮するのではなくメンバーと対等に向き合うことでメンバー自身のリーダーシップ(当事者意識)を促進する方法である。
また、それに加えてメンバーの特性の違いを受け入れ、違いを強みとして生かすことで組織をまとめる方法である。
リーダーシップの発揮方法は十人十色である中で、特に近年これまでとは異なるリーダーシップが求められている要因としては人材の多様化と企業や組織を取り巻く環境の変化が挙げられる。
雇用形態や国籍など企業の中で働く人材の特性も多様化しているため個々の文化や価値観、経歴も様々であり、企業は多様性に対して柔軟に変化することが求められている。
またVUCAの時代、つまり不安定・不確実・複雑・曖昧である現代においては従来のようなカリスマ的なリーダーが単独で組織を引っ張るトップダウン型では、情報不足や固定概念によって判断を誤り組織の状況を悪化させることもある。
そのため、現代においてはリーダーのみでなくメンバーも考え、意見を発信し、個々の強みを生かせるボトムアップ型でフラットな組織の方が成果を発揮しやすいと言われている。
インクルーシブリーダーシップを発揮するリーダーの元では、メンバーの心理的安全性が守られているためメンバーからの多様なアイデアの発信や主体的な行動が期待できる。
インクルーシブリーダーシップを発揮するためには、以下の3点が必要である。
①多様な価値観・考え方を受け入れる
②メンバーとのコミュニケーション(特にメンバーの意見を聴く)
③リーダー自らが行動する
この用語解説をしたコンサルタント
タナベコンサルティング
HRコンサルティング事業部
チーフコンサルタント西川 美空
中堅企業向け人事制度再構築コンサルティングや、中堅・若手・新入社員向けセミナーに従事している。「クライアントへ寄り添い、企業と社員の成長に寄与する」をモットーに、最適な組織と人づくりを支援できるコンサルタントを目指している。
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