人事コラム

コンサルタント一問一答組織開発・DE&I・エンゲージメント

組織目標を現場に浸透させる個人目標の落とし込みとは?

経営方針と連動した組織目標の展開

経営方針を基に実行すべき目標を現場まで落とし込み、いかに組織目標を自分ごととして捉えることができるかが推進のポイントとなる。

組織目標とは

組織目標とは

組織目標と一口に言えど様々であるが、
①企業全体の目指すべき姿や創業の精神を言語化した経営理念
②将来のありたい姿を定性・定量の両面から言語化した中期ビジョン
③1年間の事業活動を通じて追いかけるのが全社方針
④全社方針を軸に部門別に落とし込んだものが部門方針


これらはすべて組織目標であり、上位組織で掲げる目標がそれぞれの組織や個人に落とし込まれている状態が最も好ましい。


但し、全社で追いかける目標をそれぞれの組織や個人に細分化すればするほど、一人の取り組み内容が目的であるかのように捉えてしまい、手段が目的化してしまい、目指す方向が部分的になってしまう。
また一方で、それぞれの目標の落とし込みが不十分であると、どこに向かっているのかが見えづらくなってしまう。
このように組織目標の浸透や推進においてはいくつかの押さえるべきポイントがあり、本コラムでは組織目標の浸透を阻害する原因から、設定ステップ、フレームワークについて紹介する。

組織目標が浸透しない理由

組織目標が浸透しない理由

組織目標が浸透しない理由として、多くの場合、そもそもの落とし込みが不十分であり、理解を促せていない。


経営方針発表会を実施する企業が多いものの、経営方針書を見る・触れる・確認するのが1回だけなど限定的な関与であると、組織目標は浸透しない。
ここで大事になるのは、日頃の業務や取り組んでいる内容が組織目標にどのように関与できているのか、貢献できているのか繋がりを明確にすることが重要となる。

組織目標を各組織・個人に落とし込む上でのポイント

組織目標を各組織・個人に落とし込む上でのポイント

組織目標を各組織や個人に落とし込むためにはどうすればよいか、成功事例としてのある企業の実施事項を挙げる。
現在、各組織や個人に浸透しているのは、下記を押さえた上で落とし込みを行っているからである。


  1. 全社目標を単にトップダウンで落とし込むのではなく、各組織目標や個人目標を全社方針を軸にボトムアップであげる仕組みにする。
    単に落とし込むだけの目標であれば、「なぜ取り組むべきなのか」が理解できないまま、形だけの目標になってしまうことも少なくはない。
    全社方針を軸に自分達がどのように関与し、貢献するのかを検討するというステップを踏むことが重要となる。
  2. 各組織目標に落とし込んだ実施事項、KPIなどの指標について、それぞれのミーティングなどで実行推進を確認する。
    各組織における実施事項、KPIなどの指標を現場ミーティングで実行進捗を確認することで「何が、どこまで」進んでいるかが分かると共に、社員一人ひとり実施事項を受け持つことで組織目標を現場に落とし込むことができる。
  3. 全社方針の進捗状況を発信する場を設ける。
    各組織別の進捗を組織内で確認する場を設けるのはもちろん、全社の状況も定期的に確認できる場を設けることも重要となる。
    個人・各組織の達成状況と全社の状況の両面を確認して常に目的意識を醸成する場づくりが必要である。

上記の内容を踏まえポイントはいかに組織目標を自分事として落とし込めるかという点にあり、一人ひとりの貢献が組織目標の実現に繋がっているか理解を促していくことが重要となる。

フレームワークの考え方

フレームワークの考え方

フレームワークとは、物事を論理的かつ効率的に考え、課題解決などを進める枠組みや型となる。
組織目標を個人目標に落とし込むフレームワークの考え方として、下記が挙げられる。


  1. 部門方針を踏まえて、組織目標を決める。
    フォーマットには部門方針を記入し、その部門方針を踏まえた部署の目標を決める。
  2. 組織目標に基づき実行テーマは多くても2~3つに絞る。
    4~5つあるとあれもこれもと分散されることが多くなる。
  3. 達成すべき目標(KGI、KPI)を明確にする。
    現場では、コストダウン、生産性、獲得件数など、具体的な数字を目標とする。
  4. 実行策は、「何を、いつまでに、誰が、どのように実行するか」を落とし込む。

ポイントは、個人から見れば曖昧な組織目標を具体的な行動策として落とし込むことが、組織目標の自分事化に繋がる点である。

よくある失敗例と解決策

よくある失敗例と解決策

上記にも少し触れているが、よくある失敗例をご紹介する。


  1. 方針発表および成果発信が年に1回しか行われていない。
    組織目標に触れる機会が限定的であり期間があくことで、浸透しづらくなる。
  2. 大きい組織レイヤーの目標にとどまっている
    所帯の大きい組織レイヤーでの目標設定にとどまっており、全社方針から各組織単位での目標に落とし込まれていないことも多く、各組織別の目標が曖昧になっていることで目標に対する関与度が弱まり、浸透しない。
  3. 部門メンバー全体で取り組む内容になっていない。
    部門の担当を決めて実行推進するも、取り組みが役職者のみで全社員で推進する体制作りができていない。

これらの失敗例に対する解決策としては


  1. 方針発表は年1回から半期ごとの落とし込み・振り返りを行う
    物理的に組織目標に触れる機会を増やすことがポイントとなる。
    また、単に言葉だけを落とし込むのではなく、なぜその目標を掲げるのか、その必要性について説明することが好ましい。
  2. 各組織別の取り組みへ
    全社方針を軸に、それぞれの組織別に何に取り組むべきなのか、ピラミッド型に目標が落とし込まれていることが重要となる。
    また、各組織の目標が達成できれば組織全体の目標が達成できるように、組織別の役割を明確にしていくこともポイントとなる。
  3. 個人目標づくりとマネジメントする仕組みづくり
    組織目標を個人目標として落とし込むことが推進力の向上につながることは上述している通りであるが、個人目標を設定して終わりではない。
    上司と部下のコミュニケーション機会やフォロー体制を明確にすることが重要であり、日常的に目標の意識付けを行っていただきたい。

この課題を解決したコンサルタント

水谷 好伸

タナベコンサルティング
HR&人材育成
チーフマネジャー

水谷 好伸

農林水産業界を中心に、中期ビジョンの策定、方針策定から推進、及び幹部研修を始めとする人材育成を得意とするアグリ分野のスペシャリスト。また、中堅・中小企業の人事制度構築支援にも定評があり、幅広く活躍している。

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