営業DXツールの活用方法とは?
営業力アップを実現するポイントを解説

コラム 2023.11.24
営業&マーケティングDX 戦略・計画策定 デジタルマーケティングデータ活用営業DX推進コンサルティング
営業DXツールの活用方法とは?営業力アップを実現するポイントを解説
目次

多くの経営者、経営幹部がDXという言葉に慣れてきて推進している企業が増加しており、中期経営計画や年度目標にDXという言葉を掲げる企業が増えています。ただ残念なことにツールを導入して満足、あとは現場が合わせてくれるといった"中途半端なDX化"や"止まってしまったDX"が徐々に見られるようになりました。

弊社にも上記のような相談が多く寄せられています。また経営者はDXを推進していると思っていても、現場の方に話を聞いてみれば上記のような状況になっているといったことも見受けられます。

1.営業DXとは

ツールについて知る前に、まずは営業DXの本質を理解することが重要です。 経済産業省はDXを、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。
※引用元:経済産業省 デジタルガバナンス・コード2.0 P1

営業現場において、よく混同されがちなのが「デジタル化」との違いです。 紙の報告書やExcelで行っていた顧客管理をシステムに置き換える取り組みは「デジタル化」であり、それによって業務の効率化は図れますが、仕組みそのものの変革には至りません。

一方で営業DXは、デジタルツールの活用を目的とするのではなく、そこで蓄積されたデータを分析し、営業戦略やプロセス全体を根本から再構築することを指します。個人の経験や勘に依存していた営業から脱却し、新たな営業の形を構築して企業全体の成長を促進することこそが、営業DXの真の目的です。

2.営業DXツールとは

前述の通り、営業DXの真の目的は「蓄積されたデータを活用した、営業プロセスの変革」にあります。これを実現し、新たな営業の形を構築するための基盤となるのが「営業DXツール」です。

営業DXツールとは、データとデジタル技術を活用して営業力を飛躍的にアップさせるシステムを指します。従来の営業手法のように個人の経験や勘に依存するのではなく、顧客データや商談情報を正確に蓄積・分析し、的確な営業アプローチや業務の効率化へとつなげる役割を持ちます。代表的なものとして、後述するSFAやMA、CRMといったツールが挙げられます。

ここで重要なのは、単にデジタルツールを導入するだけでなく「蓄積された膨大なデータをいかに有効に活用するか」という視点を持つことです。データを分析・抽出して営業力を向上させることで、はじめて競争上の優位性を確立することが可能になります。

3.営業DXツール導入の3つのメリット

営業DXツールの導入により、企業は営業活動の効率化と成果向上を同時に実現できます。
具体的には以下のようなメリットが挙げられます。

(1)業務生産性の向上につながる

営業DXツールは、データ入力や日報作成といった定型業務を自動化・効率化します。これにより、営業担当者の事務作業にかかる時間を大幅に削減し、顧客への提案や関係構築といったコア業務に集中できる環境を作ります。さらに、オンライン商談ツールとの連携による移動時間の削減や、AIによる議事録の自動作成、日程調整の自動化などを組み合わせることで、1日あたりの商談件数を飛躍的に向上させることが可能です。このような業務プロセスの自動化により、少子高齢化による人手不足の中でも、少ない人員で高い生産性を維持し、営業活動のスピードアップを実現します。

(2)顧客ニーズの可視化と理解が進む

蓄積した顧客データや行動履歴を分析することで、個別の顧客ニーズを正確に把握し、最適なタイミングで的確なアプローチが可能になります。商品やサービスが多様化し、一律のアプローチでは効果が薄れている現在において、このメリットは非常に重要です。過去の購買履歴やWebサイト・資料の閲覧パターンをAIなどで分析することで、顧客の潜在的な課題を事前に発見し、一人ひとりに合わせたパーソナライズされた提案が可能になります。経験や勘に頼る営業スタイルから脱却し、データに基づいた精度の高いアプローチを行うことで、顧客満足度が高まり、長期的な信頼関係の構築やリピート率の向上に繋がります。

(3)属人化からの脱却が図れる

優秀な営業担当者のノウハウや最適なアプローチ方法をシステム内で共有することで、個人の経験に依存していた営業活動を標準化し、組織全体の営業力を均質化できます。「営業の属人化」は組織の成長と持続的な成果を妨げる大きな課題ですが、顧客の対応履歴や商談内容をツール内に一元管理することで、担当者不在時や引き継ぎ時のトラブル・機会損失を防ぐことができます。 加えて、トップセールスが持つ商談の勝ちパターンをAI等で可視化・分析し、チーム全体に展開することで、経験の浅い新人でも一定レベル以上の質の高い提案が行えるようになります。結果として、チーム全体のスキルが底上げされ、安定した売上を創出できる持続可能で強い営業組織を構築できる点が大きな強みです。

4.営業DXツールの種類と具体的な活用方法

営業DXツールは、解決したい課題や目的に応じて大きく以下の3つのタイプに分けられます。

「顧客管理・営業支援系ツール」(SFA/CRM型)
営業活動の中核となる顧客情報と案件の進捗を一元管理し、営業活動の全体像を可視化するツールです。(例:SFA、CRM)

「マーケティング・コミュニケーション系ツール」
見込み客の獲得と育成を自動化し、効果的な顧客接点を生み出すツールです。(例:MAツール)

「情報共有・業務効率化系ツール」
営業チーム内でのノウハウ共有や、日々の議事録作成や日程調整といった反復業務の工数を削減するツールです。

ここからは、代表的な3つのツール(SFA・MA・CRM)の特徴と、営業力アップに直結する具体的な活用方法を解説します。

(1)SFAツール(営業支援システム)の特徴と活用方法

SFAは、営業活動の効率化とマネジメントの高度化を目的としたツールです。製造業、商社などBtoB企業で多く使われています。

①顧客・商談情報の一元管理と可視化

担当者が抱えている案件の進捗や商談履歴を共有し、属人化を防ぎます。

②日報やタスク管理の効率化

外出先からでも活動記録を入力でき、事務作業の負担を削減します。

③データ分析による営業戦略の実行

売上予測やKPIの達成状況を自動集計できるため、マネージャーは勘に頼らない的確なアドバイスが可能になります。

(2)MAツール(マーケティングオートメーション)の特徴と活用方法

MAは、マーケティング活動の効率化を目的としたツールです。営業担当者も活用することで、無駄な飛び込み営業を減らし効率的な活動が可能になります。

①見込み顧客の獲得と育成

WEBサイトの閲覧履歴やメールの開封率などを分析し、顧客の興味関心度を可視化します。

②アプローチの自動化

顧客の行動に合わせて、最適なタイミングで自動的にメールを配信するなどの効率化を図ります。

③営業部門へのスムーズな引き継ぎ

購買意欲が高まった顧客を抽出し、営業部門へ引き渡すことで成約率を高めます。

(3)CRMツール(顧客関係管理)の特徴と活用方法

CRMは、顧客満足度の向上を目的としたツールです。小売店やサービス業などBtoC企業において多く使われています。

①顧客の詳細情報の統合

住所や家族構成といった属性情報に加え、購買履歴などを一元管理し、顧客対応の品質を底上げします。

②顧客ロイヤリティの向上

個別の顧客ニーズに合わせたパーソナライズされた提案を行い、リピート率の向上を図ります。

③部門間での情報連携

キャンペーン情報や個人の営業活動のデータを全社で共有し、一貫した顧客体験を提供します。

現在は、SFAとCRMの両機能を持つツールなども出てきています。導入にあたっては、各ツールと自社の営業方法や社内体制の相性を考えながら検討することが必要です。また、ツールの導入開始時には、小さな成功体験を積み上げながらメンバーに浸透させていくことが重要なポイントとなります。

5.営業DXツールの選び方・4つのポイント

ツール選定で失敗しないためには、「機能が豊富そうだから」という理由で選ぶのではなく、以下のポイントを確認することが重要です。

(1)現状の目的や課題に基づいて選定する

「案件管理が属人化している」「商談の進捗が見えない」など、自社の具体的な営業課題を明確化し、それを解決できる機能を持つツールを選択しましょう。

(2)現場での「操作性」を確認する

どんなに高機能でも、現場の営業担当者が使いにくいと感じれば定着しません。無料トライアルなどを活用し、直感的で使いやすいインターフェースかを事前に検証することが不可欠です。

(3)既存システムとの連携機能の充実度

メールシステムやカレンダー、既存の基幹システム等との連携ができるかを確認します。連携できないと二重入力の手間が発生し、現場に定着しづらくなります。

(4)定着までのサポート体制の有無

ツールの導入はゴールではなくスタートです。初期設定から運用定着まで、ベンダー側から継続的な運用支援や包括的なサポート体制が提供されているかを確認しましょう。

これら4つの基準を念頭に置くことで、自社に最適なツールが見極めやすくなります。

6.営業DXツール導入の際の注意点

(1)導入前の注意点

ツールありきで進めるのではなく、営業効率の改善や売上のアップにつながるか、導入後の営業プロセス全体を俯瞰しながら検討を進めるよう注意しましょう。またツールの価格、使用方法、インターフェースなども様々です。他社事例や同業種の事例も参考にしながら慎重にツールの選定を行いましょう。

①現在の営業プロセスの客観視を怠らない

営業プロセスを改めて確認し、ネックポイントを押さえることも必要ですが、営業パーソンの声だけに耳を傾けていると、本当のネックポイントに気づけないケースも見受けられます。主観に偏らず、営業プロセスを客観的に広い視野でみることが重要です。

②同業種の事例や古い慣習に囚われない

多くのツールは自社に合わせたカスタマイズが可能ですが、同業種ばかりを参考にしていると、古くからの慣習やルールに囚われてしまいます。他業種の成功事例も聞くことにより、思い切った改革を行うことが必要です。業種を超えた活用方法をイメージし、実装することが成功条件の一つです。

(2)導入後の注意点

ツールを導入するだけで売上が向上するといった都合の良い話はありません。現場の営業プロセスに即した活用方法となっているか、使用にあたってのルールは適切かなど、常に改善を行っていく必要があります。また、ツールを提供するベンダー企業によっては「提供して終了」といった会社もあるため、自社でしっかりと自走できる組織や仕組みづくりを行うよう注意が必要です。

①現場に合わないルールを作らない・放置しない

新しくツールを導入するにあたり必ず必要となるのがルール作りです。メルマガ配信の回数や担当、SFAツールにおける記入期限や案件のランク基準など、一つ一つにルールが必要となります。しかし、そのルールが厳しすぎて営業の負担が重すぎないか、また逆に甘すぎてツール活用の妨げとなっていないかなど、作って終わりにせず常にチェックと改善を行うよう注意しましょう。

②部門間の情報や施策の分断

ツールを導入しても、様々な施策や担当部署がすべて連動していないと効果が出ません。インサイドセールス部隊との共有や、大きなプロジェクトであれば全社での共有など、情報が分断されないようすべてを見える化し、連携して共有していくことが重要です。

営業DXツール導入により成果を上げている企業の共通点に、社内や業界の古い慣習やルールに囚われず、思い切った改革や施策を実施しているというポイントがあります。今までの延長線上でツールを考えても爆発的な生産性向上や売上拡大は見込めません。現場の声も聞きながら、思い切った改革を行うことが可能となるようにツールを活用しましょう。

7.まとめ

営業DXツールは「導入して終わり」ではありません。営業力の向上や売上アップという本来の目的に結びつけるためには、最適なツールの選定だけでなく、現場に定着させるための「ルール作り」と「営業プロセスの再構築」が不可欠です。
しかし、日々の業務に追われる中で、戦略策定からツールの運用定着、AIを活用したデータ分析までを自社だけで推進することは容易ではありません。

タナベコンサルティングのマーケティング&営業DX/AI構想確立支援コンサルティングでは、「経営」×「現場」×「AI・デジタル」の視点からアプローチし、最適なプロセスの構築から社員がツールを使いこなす自走組織への変革までを一気通貫で伴走支援します。
「自社に合うツールがわからない」「DXを推進しているが現場に定着していない」とお悩みの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

相談会
AUTHOR著者
デジタルコンサルティング事業部
コンサルタント
八木 孝憲

理美容器具や化粧品メーカーの営業を経て、当社に入社。前職での経験を活かし、デジタルを活用したBtoB営業の売り上げ拡大や企業のブランディング戦略に業種・業界問わず携わっている。クライアントに最適なソリューションを提供すべく伴走型のコンサルティングスタイルを信条としている。

八木 孝憲
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