職種別賃金制度とは
職種別賃金制度とは、職種に応じて賃金を設定する仕組みを指し、職務の特性や市場価値に基づいて給与を決定する方法である。職種別賃金制度が注目される背景には、労働市場の変化や人材不足が進む中で、企業が競争力を維持するために、より戦略的な人材管理が求められていることがあげられる。特に、テクノロジーの進化に伴い新たな職種が生まれる中で、これらの職種に対する適切な賃金設定が重要視されている。
この制度のメリットは、職務ごとに明確な評価基準を設けることで、従業員のモチベーション向上や公平感の醸成に寄与する点である。業界の賃金水準に基づくため、優秀な人材の確保や離職率の低下にもつながる。また、職種ごとの専門性を重視することで、企業内の競争力を高める効果も期待できる。
一方で、職種間の賃金格差が生じやすく特定の職種に偏った人材の流入を招く可能性や、職務の変化に応じた柔軟な賃金設定が難しくなることは考慮すべきである。
タナベコンサルティングでは、組織の目標達成に向けた人材戦略に基づく最適配置や育成を踏まえながら職種別賃金制度を導入する事を推奨している。
この用語解説をしたコンサルタント

タナベコンサルティング
HRコンサルティング事業部
アソシエイト中村 凜太郎
製造、飲食、IT業界など、幅広い業種・業界に対して、MVV策定・教育制度設計など経営戦略に基づいた人事制度の構築支援を行っている。「採用」「育成」「活躍」「定着」の4つをバランスよく取り入れた戦略人事の構築と、クライアントに寄り添うコンサルタントを目指して日々業務に励んでいる。