人事コラム
人材育成成功事例/サッポロホールディングス
本コラムは、ダイヤモンド社発行の「戦略起点の人材マネジメント」の第5章の抜粋記事です。
⑤成功事例/サッポロホールディングス
会社名:サッポロホールディングス株式会社
売上高:5307億8300万円(連結、2024年12月期)
従業員数:6610人(連結、2023年12月時点)
事業内容:酒類、食品飲料の製造販売、不動産事業
サッポロホールディングス(東京都渋谷区、時松浩社長)は、グループ各社共通の育成方針として「自分のキャリアは自分で切り拓く」を掲げ、個々の社員が主体的にキャリアを育てるプログラムを展開している。2022年には「第4回プラチナキャリア・アワード」(三菱総合研究所主催)を受賞するなど、その取り組みは外部からも高く評価されている。
同社の「人財(=人材)」育成ポイントは次の3点である。
- 中期経営計画に沿った育成プログラムの展開
- 公募型の研修制度など、社員が主体的に研修へ参加する仕組み
- 研修への参加人数、研修時間、投資金額の具体的な開示
ポイントの1つ目は、中期経営計画に沿って育成プログラムを展開している点だ。「ちがいを活かして変化に挑む 越境集団となる」との考えに基づき、戦略(中期経営計画)の推進・達成に必要な人財の育成に集中投資している。具体的には、同社が中期経営計画で掲げている「海外事業の成長」「コア事業における収益力向上」を実現するため、「経営」「グローバル」「DX・IT」人財の育成に注力している【図表5‒12】。
ポイントの2つ目は、社員が主体的に学ぶ仕組みづくりである。会社が必修科目や受講者を指定するのではなく、社員1人ひとりが主体的に受講し、かつ個々の課題を解決するための多岐にわたる学びの機会を提供している。なかでも特徴的なのは、自ら手を挙げて研修にコミットさせる体制である。以前から自分で選択できるキャリア形成支援施策を複数用意していたが、2024年からはさらに昇格時に自身が伸ばしたいスキルについて外部研修に自ら手を挙げて取り組むこと、また、マネジャー層を対象に必要なスキルを磨く場を公募型で提供した。自ら選び研修を受けることで、自身の強み、弱みを再認識したうえで、本業に生かすことを目指している。
ポイントの3つ目は、人財育成への取り組みを定量データとして可視化している点である。自社のホームページで、実施した研修名と参加人数、延べ時間、人財育成投資額【図表5‒13】などを開示している。単に投資額や実施内容を公開するだけでなく、研修別の参加人数や延べ時間を明らかにすることで、各施策の規模感がイメージしやすくなる。これにより、ステークホルダーや求職者に対する企業イメージの向上効果はもちろんのこと、社員のモチベーション向上にもつながるだろう。
