人事コラム

コンサルタント一問一答人的資本経営・戦略人事

人材マネジメントの潮流から見た問題提起

本コラムは、ダイヤモンド社発行の「戦略起点の人材マネジメント」の第2章の抜粋記事です。

人材マネジメントの潮流から見た問題提起

人的資本経営は、人材を「資本」として捉え、能力を最大限に引き出して中長期的な企業価値向上へつなげる経営の在り方をいう。それに対し、人材マネジメントは経営戦略の実現に向けて人材を有効活用していく仕組みを指す。したがって、人的資本経営を進めるうえで人材マネジメントの推進は不可欠である。
一方、日本経済の国際競争力の低下や少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少など、日本企業を取り巻く経営環境は大きく変化している。そうしたなかで成長を維持するためには、人材の生産性を高めることが絶対条件である。そのため、生産性が高い人材マネジメントを実践する欧米企業の最新トレンドを積極的に取り入れる必要がある。
ただ、欧米の人材マネジメントを日本企業がそのまま取り入れても、期待する効果に必ずつながるとは限らない。欧米企業の優れた取り組みは、日本企業のスタンダードとなる可能性が高いことは確かだが、社会的風土や文化が異なれば人材への向き合い方も変わるのは当然であり、人材マネジメントに対する本質的理解や会社を取り巻く環境などの現状認識が浅いまま、やり方だけをまねても失敗に終わる。
人材マネジメント改革は待ったなしである。従来の日本的雇用の在り方が大きな変革を迫られるなか、旧態依然とした日本型人事から脱却を図ろうとする企業が増えてきたのは良い傾向である。しかし、古くから深く根づいた慣習や制度へ本格的にメスを入れ、かつ成果を上げている企業はごく一部にすぎないというのも事実である。グローバルな動向を理解したうえで、「人材と雇用を守る」という日本ならではの特徴を踏襲しつつも、さまざまな選択肢から自社に適した人材マネジメントの在り方を模索し、生産性追求と経営理念に基づく多様性のあふれる新たな人材マネジメントスタイルを確立する必要がある。
また、人的資本という考え方が普及している現在では、デジタル技術を活用した生産性の追求と、〝個〟を軸とした多様性のある人材マネジメントが求められる。企業においては、人材マネジメントの高度化と変化に対応するためにも、専門的な人事機能の強化に取り組むことも課題といえる。
そこで第3章以降、人材マネジメントにおける3つの領域、すなわち、人材の採用から育成、活躍、定着に至るプロセスである「人材フローマネジメント」「人事処遇マネジメント」「人材マネジメント運用システム」について、それぞれ原則と施策のポイントや企業事例(自社でも実践できるのか)を紹介していきたい。
具体的には、第3章では人的資本経営の中流工程(=上流の経営理念と下流の人材マネジメントをつなぐプロセス)である人材戦略と、人材マネジメントのそれぞれの領域について整理する。それを踏まえて、第4章から第5章において人材フローマネジメントを解説する。内訳については、第4章では人口減少下の人材採用戦略、すなわち、働く価値観の多様化への対応や選考段階ごとの体制づくり、新しい採用チャネルの活用といったポイントを挙げる。続く第5章は企業内大学(アカデミー)を活用した人材育成、第5章では人材が活躍・定着する組織カルチャーの醸成とエンゲージメントの向上について、それぞれ企業事例を挙げながら論を展開する。
そして第7章では、ジョブ型人事の設計(等級・評価・賃金など諸制度)を柱とする人事処遇制度、第8章では人事部門の機能強化やデジタル技術の実装による人材マネジメント運用システムについて、それぞれ解説していく。

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この課題を解決したコンサルタント

三瓶 怜

タナベコンサルティング
HRコンサルティング事業部
ゼネラルパートナー

三瓶 怜

ホテル運営会社にて、事業戦略の策定・ 収益改革・人材育成・業務改善などホテル運営の実務全般を経験後、当社へ入社。現在は人事制度の構築をはじめ、教育体系の立案や現場から幹部層を対象に各種研修の企画など、各企業の実情を踏まえ“人”に関する、多面的要素から戦略人事コンサルティングを行っている。「人の成長なくして組織の成長なし」が信条。

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68年間で大企業から中堅企業まで約200業種、18,900社以上に経営コンサルティングを実施してまいりました。
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