COLUMN

2023.01.30

成長加速度を向上させる分社化のメリット・ポイント

  • ホールディング経営

成長加速度を向上させる分社化のメリット・ポイント

昨今の外部環境は高速的かつ不確実性を持った勢いで大きな変化を見せています。そんな環境下で企業が持続的成長をし続け、他社よりスピーディーに顧客提供価値を高めていくために、分社化を行ったグル-プ経営体制を取り入れるケースが増加しています。こちらでは単なる分社経営でなく、グル-プ経営を前提とした分社化が重要なテーマとなっています。

事業成長スピードの加速

事業別での分社化メリット(ポイント)

名だたる上場企業や中堅企業の分社化が進んでいますが、事業別で子会社を設立する事のメリットは、大きく以下の3つです。

①業績管理責任の明確化
②意思決定スピードの迅速化
③倒産リスクの分散

1つ目の業績管理責任の明確化ですが、事業部門が企業内に存在すると業績評価や業績責任が各事業ごとに帰属する事が難しく、不十分な体制になってしまいがちです。事業別の分社化は、各事業会社ごとで法人として独立しているため、決算が必然的に行われており、業績管理責任が明確化されます。

2つ目の意思決定スピードの迅速化ですが、企業規模が小さくなる事に比例し、意思決定構造も分社前より小さくなり、経営の効率化に繋がる事があげられます。新規事業投資や人材戦略などの経営における重要な判断もスピード感が遅い企業と早い企業では、成長スピードも異なります。加えて、重要な判断を最適なタイミングで的確に捉えられるかどうかも異なってきます。そのため、成長加速度を向上させるためには重要なポイントであると言えます。

3つ目の倒産リスクの分散ですが、1つの企業の中で赤字が計上されると、他事業の黒字でカバーせざる得なくなり、最悪の場合、赤字事業に引っ張られ倒産するケースも想定されます。各事業別での分社化により、不採算部門の業績インパクトはあくまでも対象の事業会社内で帰属する為、倒産・清算を行うに留まり、他の事業会社へ影響を与える事が無くなります。分社化により管理コストや手間が増える事がデメリットとして上げられますが、そのデメリットを考慮しても、それ以上の経営効率化のメリットを享受できると言えます。

持続的な経営人材育成

絶えず経営人材を生み出す仕組み

分社化を行う事で各事業会社の経営人材が生まれるという点も分社化を行う上での重要なファクターです。
従来の企業体制では限られた人材のみが経営に携わる体制となりますが、分社化を行い、事業会社ごとで経営人材を据え置く事で将来のCEO・重要なポジションの交代を見据えた、後継者候補を育成する体系を確立する事が求められます。分社化を取り入れたグル-プ全体での経営スタイルが多様化する一方で、ガバナンスの強化、働き方改革、BCP、デジタルトランフォーメーションといった潮流は、企業の変革を強く要求しています。
経済産業省の「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針(2019年6月)」によると、「後継者の育成・評価のために実施している取組み」のうち、「事業部横断的な戦略的人事ローテーション」以外の施策を実施している企業は半数に満たないと言われています。これまで直面したことがない課題が山積する中で、グループ経営における経営課題の解決は、「グループ各社」のトップの経営力に委ねられています。言い換えれば、グループビジョン、グループミッションの自社の立ち位置を踏まえ、事業会社の成長戦略、組織・人材をマネジメントし、臨機応変な意思決定を行う決断力を持った「社長力」の高い経営メンバーの有無が、10年後のグループ経営の成否を決めると言っても過言ではありません。
10年後の社長人材を育成する体制づくりとして、サクセッションプランの重要性が高まっています。サクセッションプランは、後継者候補として必要な資質を備えさせるとともに、後継者として最も適切な人材を選出する一連の中長期的な取組みであり、コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)でも上場企業に対して強く要請されている内容です。
サクセッションプランは、株主や投資家等のステークホルダーの要請に直接応えることだけではなく、社内の人材育成やキャリアパスの整備を通じて企業価値の持続的向上に効果を発揮するものです。

参考
経済産業省 グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針(2019年6月)
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/cgs_kenkyukai/pdf/20190628_group_gov.pdf

ホールディングス・グル-プ経営体制の確立

3つの力で持続的成長を実現させる

分社化を行う上で時々の判断で進めた結果、子会社数が増加していく一方で、その管理が難しくなっているという実情があります。
日本の多角化企業においては、伝統的に各事業会社(特に中核事業会社)の権限・影響力が強く、各事業会社の「部分最適」が優先されやすく、グループ本社(ホールディングカンパニー)において、グループ全体の司令塔として各事業会社に対して「横串」を通して、経営資源の最適配分や、事業評価や実効的な経営管理のための共通プラットフォームを構築するといった機能が、必ずしも十分発揮されていないのではないかという組織構造上の問題もあります。グループ経営のスタイル(グループ本社の求心力を重視した中央集権型か、各事業会社の自律性を重視した分権型か)の選択についても、 グループとしての基本的な方向性と、実際の取組みとが整合していない場合が多く、「自律分権」を掲げながらも、実際には結果管理すらせずに「放任」に陥っているケースも見られます。
各事業会社を管理し、グリップする本社機能の確立がグル-プ経営体制の理想像であると言えます。各事業会社は事業活動に専念する事で、セグメントやバリューチェーンの拡大を行い、"遠心力"で事業拡大をします。各事業会社が全て成長路線を辿ればベストですが、伸び悩む企業も中には出てくるでしょう。その際は成長している企業の資産を伸び悩んでいる企業へ配分する事でグル-プ全体としてスムーズに成長の底上げをすることも可能です。成長の底上げをすることも可能です。
こういった最適な資源配分をホールディングス内の本社機能でかじ取りを行う事で"求心力"を用いてグル-プ全体を統括し、結果的に"遠心力"と"求心力"を掛け合わせ、グル-プ全体での"推進力"で成長していくという構図が分社化とグル-プ経営の理想像です。

冒頭でも記載をしましたが、単なる分社経営では、各事業会社の進むべきベクトルが異なったり、管理しきれない状況が発生してきます。そうならないためにもグル-プ経営体制の下で最適な成長をしていく事が、持続的成長に繋がります。

ホールディングス・グル-プ経営体制の確立図:タナベコンサルティング作成

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