COLUMN

2022.10.18

事業ポートフォリオを再構築する
ホールディング経営
(サノヤスホールディングス)

  • ホールディング経営

事業ポートフォリオを再構築するホールディング経営(サノヤスホールディングス)

ホールディングス化はあくまで手段であり目的ではございません。同じホールディング組織であったとしても、その目的は企業固有のものとなります。そのなかでも、ホールディングス化により事業ポートフォリオを最適化した事例として、サノヤスホールディングスを紹介します。

サノヤスグループの成長過程

~多角的な事業ポートフォリオの展開~

サノヤスグループは、持ち株会社のサノヤスホールディングスを中心に、子会社11社からなるグループ企業です。

1911年に祖業である造船事業からスタートし、M&Aや造船業からの分社化により、産業向けセグメント、建設業セグメント、レジャーセグメントの3つの領域に事業を展開、多角的な事業ポートフォリオの形成により成長発展を遂げてきた歴史を持ちます。具体的には、ショットブラスマシン事業、パーキングシステム事業、工事用エレベーター事業、精密部品加工事業、レジャー施設運営事業など、その事業範囲は多岐にわたっております。

2011年にサノヤスホールディングスを設立し、ホールディングス化を実行しました。その目的のひとつは、祖業である造船事業と非造船事業(陸上事業・レジャー・サービス等)を事業会社として同列に並べることにありました。造船・非造船事業ともにグループのコア事業として位置づけることにより、ポートフォリオの展開を強化したと言えます。事実、ホールディングス化以降に非造船事業におけるM&Aを複数回実行し、事業の多角化を実現しております。

事業ポートフォリオの再構築

~単に事業を増やしていくだけでなく、最適化するという視点~

ホールディング組織は多くの事業体がポートフォリオを構成することで成長していくモデルですが、単に事業を増やしていくだけでは全体の生産性は高まりません。そのため、「最適化する」という視点に基づき、自社での事業開発やM&Aによる事業の増加だけでなく、ときには撤退や売却という決断も必要になります。

サノヤスグループにおける最もインパクトのある事業ポートフォリオの再構築は、100年以上続いた祖業である造船事業からの撤退であると言えます。
当時、サノヤスホールディングスの子会社であったサノヤス造船株式会社を2021年2月にM&Aにて売却を実施しました。環境配慮型の技術開発のスピードが上がるなかでの中国・韓国勢との更なる競争激化に加えて、新型コロナウィルスの感染拡大による海運市場の悪化があり、この大きな決断に至っております。

事業ポートフォリオの再構築を実現するホールディング経営スタイル

祖業の売却という大胆な決断を可能としたのは、前述のホールディング化による非造船事業をコア事業として捉えなおした組織再編がキーファクターであったと言えるでしょう。100年以上続く歴史のなかで、ホールディング組織として祖業以外の事業領域における事業ポートフォリオを形成してきたことが、サノヤスグループの持続的成長を実現させています。

また、祖業からの撤退により企業規模は縮小したものの、売却から2ヶ月後の2021年4月には「新サノヤスグループ」としての新たな企業理念やビジョンを発表し、グループ経営体として次なる成長に歩を進めております。事業ポートフォリオの再構築・最適化を実現した好事例といえるでしょう。
ホールディングスの目的は、事業承継、事業開発、経営者育成など企業によって固有なものであり、且つ、多岐に渡ります。その中のひとつに、サノヤスグループのように、ときには売却や撤退という手段を取りながらも、事業ポートフォリオの再構築を実現することもあげられます。

自社固有のホールディングス化の目的を検討する際の参考にいただきたいと思います。

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