COLUMN

2022.09.30

経営スタイルと組織の成熟度に合わせた
グループ経営システム構築ステップ

  • グループ経営

経営スタイルと組織の成熟度に合わせたグループ経営システム構築ステップ

4つのグループ経営システム構築ステップ

グループ経営システムの構築は、現状の経営スタイルや組織の成熟度によって制約されます。単純に規程やルールを作っても適切に運用されなければ、無理・ムダが生じ、グループ経営の本来の目的である、複数の企業がグループとして活動することにより競争力を高める経営スタイルは実現できません。グループ経営システム構築コンサルティングでは、現状の各社の経営スタイルを判断して、その段階に合わせたクループ経営システムの構築コンセプトを設定しております。今回は各段階においてのポイントとなることについて発信をします。

グループ経営システム導入段階

グループ経営体制の導入段階では、社長自らの経営判断に基づき、迅速な意思決定を行う、いわゆるワンマン型意思決定スタイルであることが多いです。ワンマン型の意思決定自体は悪いことではありませんが、経営が社長に依存してしまうこと自体はリスクであるため、組織で経営する体制を整えていくことを考えなければなりません。中堅上場企業でもトップのリーダーシップが強い企業の実態は導入段階にとどまっていることがあります。トップのリーダーシップに依存した経営スタイルでは成長発展は望めません。

この段階でのグループ経営システム構築コンセプトは「組織経営に向けたグループ経営機能の強化」です。まずは、トップに集約している権限と責任を役員・幹部へ権限委譲を前提としたガバナンス機能・マネジメント機能を整備していきます。また、社長のビジョンを組織で具現化するための経営企画機能の設計をしていき、社長の判断基準を組織や機能に移植していくことがポイントとなります。
その第1ステップとしては、グループ理念体系の再定義です。

①グループの社会的使命や存在意義であるグループミッション
②グループが長期的にありたい姿としてのグループビジョン
③グループの共有の価値観であるグループバリュー

この理念体系はグループを定義するものであり、グループ全体を包括したものに昇華させます。
社長の思いをグループの理念体系として可視化し組織に共有することから始まります。

第2ステップでは、トップが担っているガバナンス機能を経営システムとして移管していくことを進めます。ワンマン経営ではすべての情報がトップに集約されトップが判断し、マネジメント・コントロールもトップ主体で遂行されるため、現状の運用レベルの決裁権限を幹部メンバーへの権限委譲を前提にしたものに変更していくように設計します。この時のワンマン経営者の不安になる点は、自身との判断基準の不一致であることが多いです。そのため、トップの判断基準を経営者憲章として可視化するということも重要です。

グループ経営システム初期段階

導入段階でのワンマン型意思決定スタイルから組織経営へと移行していき、役員・幹部の意見を交えた経営判断に基づき社長自らが意思決定を行う、いわゆる参画型意思決定スタイルとして進化している状態であれば、グループ経営システム初期段階として「スタッフの充実とグループ経営システムのプラットフォーム化」をコンセプトに推進を進めていくことになります。

経営システムとして整備・運用していくのですが、初期段階で整備する内容は、これまでの延長線ではなく、新たな仕組み・やり方を導入することになります。この段階での最大のネックは、推進する人材不足であることが多いです。経営企画機能・ガバナンス機能・マネジメント機能において、推進したい内容とできることのギャップが生まれてしまいます。ネックを解消するポイントは、専任化・人員補充・仕組化の3点です。

現状の状況を踏まえて強化をすべき業務分類に対して専任担当を配置し、担当業務のプロフェッショナル化を図ります。グループ経営システムとして整備していく内容は、各社のこれまでの経営システムをアップデートすることであり、新しいことへのチャレンジとなるため、安易に兼任で担当させてしまうと中途半端になってしまい、うまく機能しません。重点業務分類に対して既存人員を当てはめていくと、そもそも人材の不足に直面します。どのような業務を任せる人材が不足するのかを明確にし、人員補充を進めます。多くの企業で本社人員は欠員に対して募集をするという企業がまだまだ多いように感じています。当社が提唱しているグループ経営システムを推進するグループ本社人員は、グループの成長と安定を実現するコアパーソンです。人員補充なくして、推進はできないといっても過言ではありません。スタッフの専任化・補充を進めたのちに仕組化を進めます。運用のルールを作る、マニュアルを作る、チェックリストを作るなど、だれかしかできないことをだれでもできるようにするという着眼点で進めていきます。シェアドサービスについては、グループの間接業務を可視化し・業務プロセスの標準化を前提にグループ内の業務を受託できる体制を整えます。

グループ経営システム推進段階

グループ経営がさらに進んでいくと分権型の意思決定スタイルが定着してきます。この段階のグループ経営システム構築コンセプトは「人に依存しないグループ経営システムプラットフォームの厳格運用」です。初期段階では、専任化する、補充をするということで人に依存してでもまずはプラットフォームとして立ち上げるということを優先させました。しかしながら、この段階では担当部門・チームがプラットフォームとして専門価値を発揮している状態を作らなければなりません。

この段階で重点的に強化をすべき機能は、グループ経営企画機能とグループガバナンス機能です。経営企画機能としては、M&Aを含むグループ・各事業の成長戦略の設計・評価・支援、デジタル戦略検討、マーケティング、ブランディング、デザイン経営など機能強化を図り、グループの成長の中枢機能として進化をさせていきます。ガバナンス機能としては、コーポレートガバナンスポリシーの可視化、事業会社への監査体制の整備、コンプライアンス推進体制の強化など、健全な企業経営を推進するための社内での管理体制として整備をしていきます。合わせてシェアドサービス機能は、効率化・専門化を図り費用対効果を最大化させていきます。

グループ経営システム発展段階

グループ経営システムとしての総まとめは、コーポレートガバナンスとして経営を監視する状態をつくることです。上場している・していないに関わらず、「上場企業レベルのグループ経営システムプラットフォームの運用」をコンセプトに整備を図ります。
特にポイントとなるのはコーポレートガバナンスコードやデジタルガバナンスコードの各原則に基づく運用状況のフィードバックや適切な情報開示、役員会監査・取締役監査体制整備するなど、経営に牽制がかかる状態を整えることです。

各段階におけるグループ経営システム構築のコンセプトとポイントを参考に、複数の企業がグループとして活動することにより競争力を高める経営スタイルである真のグループ経営を推進してほしいと思います。

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「日本には企業を救う仕事が必要だ」という
志を掲げた1957年の創業以来、
66年間で大企業から中堅企業まで約200業種、
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