BRAND INSIGHT 事例・コラム

戦略PRで高めるべき指標「パーセプション」

  • コラム
  • ブランディング戦略
  • ブランド調査
  • 認知拡大

「作れば売れる」時代から「顧客が取捨選択する」時代へと変化したことで、戦略PRで設定すべき評価基準も変えていく必要が出てきました。本コラムでは、時代変化に伴い重要度の高まる「パーセプション」について記述します。

戦略PRにおける評価基準の変化

認知は高いはずなのに販売につながらない理由とは

認知からパーセプションへ

「作れば売れる」時代においては、顧客が保有するモノが少ないために、商品の存在を知ってもらいさえすれば、販売につながる状態でした。そのため認知度を高めることが重要視されてきました。また、受け取る情報量も限定的であるため、いかに多くの情報接触機会を生み出すかが、これまでの最重要基準でした。

一方で、「顧客が取捨選択する」時代においては、ただ認知されても販売にはつながりません。その商品・サービスの専門的特徴はもちろん、商品に込められた想いへの共感があって初めて販売へとつながります。このような環境下では、商品・サービスの名前を知っているという「認知」ではなく、どのようなモノであるかを理解している「パーセプション」を評価基準として設定する必要があります。「パーセプション」とは、顧客がその商品が持つ価値や意義など、事実に基づいた認識を指し、自社のBrand Experience(BX)ストーリーがしっかりと伝わっているかを測る評価基準としては最適であるといえます。

顧客との接点を多面的にデザインし、自社のブランド価値を立体的に体験・体感してもらうことで、ロイヤルカスタマー(ファン)へと昇華させることが現代において最も重要です。この評価基準の切り替えができていない企業ほど「認知は高いはずなのに販売につながらない」という悩みを抱えることになります。

パーセプションを高めるために必要な一貫性

コミュニケーションのあり方とは

一貫性がカギ

では、パーセプションを高めるために必要なコミュニケーションのあり方とは何か。その第一歩はブランド価値に基づいた一貫性のある情報発信です。

「勉強ができる友人」がいるとするならば、その友人はいつも高得点を取っていると思います。自分が勉強に困った際には、まず、この友人に相談しようとなるでしょう。一方でその友人の点数がいつもバラバラであれば、その人は特別な存在ではない「単なる友人」となり、勉強に困った際の相談先として、候補に挙がることは稀といえるでしょう。

これは企業や商品においても同様のことが言え、商品情報に接触するたびに異なる価値を訴求していたら「特に印象のない商品」となり、想起されにくくなります。媒体によって、見せ方や切り口は異なってくることもありますが、伝えたい本質的な価値はぶれてはいけません。どの媒体においても、ブレることのないブランド価値を定義し、情報発信に関わる全ての従業員に浸透させていくことが、最初に求められる取り組みといえます。

パーセプションとブランドイメージとの連動

「パーセプション」と「ブランドイメージ」の違いとは

戦略PRでブランドを確立しよう

パーセプションと似たような意味で「ブランドイメージ」という言葉が使われます。これらは近しい概念の用語ではありますが、「パーセプション」がその商品が持つ価値や意義など、事実に基づいた認識であり、「ブランドイメージ」は顧客が抱く感性によるものです。

戦略PRにより様々な接点を多面的に持ち、パーセプションのレベルを高めることが、顧客が抱く感性的な価値(ブランドイメージ)を高め、ブランドを確立することに繋がります。

カスタマージャーニーの把握

ブランドの顧客はどのような人物ですか

実行とPDCAを大事にしよう

発信する価値が定まった後は、それをどのように顧客に届けていくかを設計します。そのためにも、まずは顧客が日常的にどのようなことを考え、どのように行動しているかを、把握する必要があります。

前段でも記したように、顧客は求める情報やタイミングによって、接触する媒体が変化していきます。また、これは世代による違いだけでなく、消費者が今置かれている状況や、対象となる商品ジャンルなどによっても違いが出てきます。そのため、ターゲットの趣味や仕事、家族構成などを具体的に定義し、彼らが朝起きてから夜寝るまでに、どのような行動をしているのかを想定すれば、自ずとアプローチすべきタイミングと、タッチポイントが明確になってきます。

このような、顧客の行動経路を「カスタマージャーニー」と呼び、それを把握するためにはアンケート調査やインタビュー調査などを、行っていく必要があります。しかし、どれだけ調査を行っても100%正しい答えを見つけることは、非常に難しいといえます。そのため、仮説をもとに実行し、着実にPDCAを回していくことが理想的な進め方といえます。

AUTHOR著者

タナベコンサルティング
ブランド&PRコンサルティング事業部
チーフコンサルタント

中井 慎吾

特定の業種に留まらない多数の企業のWebプロモーション、HPリニューアル、EC強化、他多数Webの専門知識を有し、解析データに基づくプランニング力で企業価値を高める最善のソリューションにより顧客の成長を支援している。

中井 慎吾
ブランディングに関する相談会

DOCUMENTブランディング・PR関連資料

CONSULTATION 相談会

ABOUT タナベコンサルティンググループとは

タナベコンサルティンググループは「日本には企業を救う仕事が必要だ」という志を掲げた1957年の創業以来68年間で大企業から中堅企業まで約200業種、17,000社以上に経営コンサルティングを実施してまいりました。企業を救い、元気にする。私たちが皆さまに提供する価値と貫き通す流儀をお伝えします。

コンサルティング実績

  • 創業68
  • 200業種
  • 17,000社以上