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広報担当者の育成術
~広報担当者に求められる
スキルと育成方法とは~

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目次

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情報の透明性や企業の社会的責任が求められる中で、広報は経営課題となっており、広報機能の立ち上げは企業の信頼構築や競争力強化に直結します。効果的な広報活動を実現するためには、担当者の育成が欠かせません。

本コラムでは、広報担当者を育成するための具体的な方法やポイントを解説します。

広報担当者に求められるスキル

広報担当者として育成する人材を選ぶにあたり必要となるスキルは、以下の3点にまとめられます。

1.コミュニケーション能力
広報担当者は、企業の「顔」として社内外のステークホルダーと円滑にコミュニケーションを取る能力が求められます。社外では、メディア対応や投資家への説明、顧客とのやり取りなどがあり、正確かつ誠実な対応が企業の信頼構築につながります。

一方、社内では情報収集や共有が重要な役割です。例えば、新製品の情報を発信する際には、社員との良好な関係を築きスムーズに情報を得る必要があります。また、社外からの評価や報道内容を社内に迅速に伝えることで、企業全体が適切な対応を取れるよう支援します。広報担当者は、社内外の橋渡し役として双方の視点を理解し調整する能力が不可欠です。

2.情報収集力と分析力
ステークホルダーに関心を持たれるニュースとして自社の情報を発信するためには、世の中の動きやトレンドを常に把握しておく必要があります。例えば、社会的な話題や業界の注目テーマに即した内容で情報を発信することで、メディアに取り上げられる可能性が高まります。企業主体の視点だけでなく、世の中の文脈に合わせた発信が重要です。

また、競合他社の動向を把握することも欠かせません。同業界の流れに遅れを取らず、さらに自社ならではの独自性を打ち出すためには、競合の戦略や市場の変化を分析し、自社の強みを活かした情報発信を行う必要があります。

3.文章力とクリエイティブな表現力
広報の業務では、プレスリリースや社内報、SNS投稿など、文章を書く機会が非常に多く、その内容はステークホルダーにとって企業の公式な発表としてみなされます。そのため、正確で分かりやすい文章力が必須です。

また、読者を惹きつけ、記憶に残る内容にするためには、ストーリーテリングを活用したクリエイティブな表現力も重要です。特に現代では、広報担当者が企業のSNSアカウントを運用するケースも増えています。不特定多数の人が目にするSNSでは、魅力的で共感を呼ぶ内容を発信する一方で、誰かを傷つけたり誤解を招いたりしないよう細心の注意を払う必要があります。そのため、文章力とクリエイティブ力は、広報活動の質を大きく左右する重要なスキルとなります。

広報担当者育成の具体的なステップ

広報担当として育成したい人材が決まったら、次は実際に育成に入ります。育成のステップは以下の3ステップを踏むことをおすすめします。

STEP1 基礎知識の習得
まずは広報担当者として必要となる基礎知識のインプットです。かつてはプレスリリースを書くことが広報の仕事だと捉えられることも少なくありませんでしたが、現代に必要な広報の役割は社外広報・社内広報それぞれ多岐にわたります。そのため、インプットすべき基礎知識としては例えば以下のようなものが挙げられます。

・広報の役割
・広報とマーケティングの違いと関係性
・メディアリテラシー
・社内情報の収集方法
・広報活動における法的知識
・市場分析方法
・PRツール作成方法
・広報活動の効果測定 など

これらの知識を効率的にインプットするために、外部企業の研修を受けるのもひとつでしょう。他企業の成功事例・失敗事例も踏まえながら実践をイメージしたインプットが可能となります。

STEP2 実践を通じたスキル向上
基礎知識を習得後、次は実際の業務を遂行しながらそのスキルを向上させていきます。実践では実際のステークホルダーと様々な方法でコミュニケーションをとることとなるため、基礎知識だけでは対応できないことも多くあるかと思います。(ニュースリリースの作成、PRイベント運営、メディア取材対応など)

そのため、はじめは広報のノウハウを持つ人に伴走してもらいながらOJT形式で学んでいくことで、早期戦力化につながる育成が可能となります。

STEP3 学びの継続
先述のとおり、広報担当者は、世の中の動きやトレンドを常に把握し、同業界の流れに遅れを取らずに情報発信を行う必要があります。一度学んだ広報知識や業界知識も、時の流れとともに変化するため、継続的な学びの場を提供することが重要です。

広報の質を常に担保するためには、担当者がリアルタイムで最新の情報やスキルを習得できる環境を整える必要があります。具体的には、外部セミナーや研修への参加、同職種の交流会を通じた情報共有、さらにはオンライン講座や専門書籍の活用などが挙げられます。これにより、広報担当者は変化する環境に柔軟に対応し、企業の広報活動をより効果的に進めることが可能になります。

広報を企業の成長に活かしましょう

本コラムでは、広報担当者育成における必要なスキル・具体的なステップについて述べました。マーケティング戦略、事業戦略などと比べると、広報戦略はついつい後回しにしてしまう傾向があります。しかし、効果的な広報活動は、企業やサービス・商品の価値を魅力的に多くのステークホルダーに認知してもらい、さらには企業の信頼度を向上させることで、IR活動や採用活動にも良い影響を与えることができます。

タナベコンサルティンググループでは、経営戦略やブランディング戦略に沿った広報戦略の立案から具体的施策の実行、そして広報担当者の育成までを一貫してご支援することが可能です。ぜひ貴社の企業成長のために、一緒に広報を活用していきましょう。

AUTHOR著者

タナベコンサルティング
ブランド&PRコンサルティング事業部
ゼネラルパートナー

飯島 智佳

販促代理店のアカウントエグゼクティブとして大手食品メーカーの販促プロモーションの企画立案、実行推進に従事し、当社に入社。主にBtoC企業において、消費者心理を理解したソリューション提案を強味としており、ブランドの魅力を最大化するマーケティング戦略をトータルサポートする。

飯島 智佳
ブランディングに関する相談会

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