COLUMN

2025.08.29

新規事業はどのように評価すればいい?
成功に導くための10の評価軸

目次

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新規事業はどのように評価すればいい?成功に導くための10の評価軸

新規事業開発が注目されている背景

現代はVUCAの時代と言われ、非常に変化が激しく、先行きが不透明で、事業・製品・サービス、ビジネスモデルの短命化がますます加速しています。企業が1事業のみで永続的に発展を続けていくことは困難な状況にあり、新たな事業開発に取り組み、次の柱を生み出すことの必要性が高まっています。
弊社企業アンケートの結果においても、次期の長期ビジョン・中期経営計画の重点テーマとして、収益改善、新商品・新事業開発で67.9%となっており、多くの企業が新規事業へ高い関心を示す傾向が見られました。

【 年別 | 次期の長期ビジョン・中期経営計画の重点テーマ】

出典:「長期ビジョン・中期経営計画に関する企業アンケート調査レポート(2024年10月)」
タナベコンサルティング

新規事業の評価の着眼点

新規事業の事業性を評価する着眼は外部環境と内部環境の両面が必要となります。外部環境とは、新規事業として参入を検討している市場におけるチャンスやリスクを評価します。内部環境とは、自社のリソースの活用度や収益性など強みや弱みを評価します。
外部環境と内部環境両面で評価することが、新規事業の成功確率を上げることにつながります。
それぞれ5つの評価軸があり、合計10の評価軸で見ることができます。

外部環境の評価軸

市場規模評価

①ポイント

目指す目標(売上・収益)=事業ロットに十分な市場規模であるかどうか

②調査・分析着眼

  • 参入業界の市場規模
  • エリア等セグメント下での市場規模
  • シェア5%(※仮)とした中での事業ロット
    ※評価シェアは事業内容により設定する

市場の成長性判定

①ポイント

参入市場は成長が見込まれるかどうか

②調査・分析着眼

  • 参入市場の市場成長率
  • エリア等セグメント下での市場成長率
    ※全国でみると縮小であるが該当エリアでは成長の場合等を考慮する

競争環境判定

①ポイント

参入市場はブルーオーシャン/レッドオーシャンかどうか、後発参入の余白はあるか

②調査・分析着眼

  • 参入業界のライフサイクルステージ
  • 競合企業の密集度、上位先の強度
  • 新規参入企業の成長度

環境変化リスク判定

①ポイント

制度変更、技術進化、社会動向等によって事業が左右されるリスクが高いかどうか

②調査・分析着眼

  • コントロールできない環境変化リスク(制度変更、技術進化、社会動向等)
  • ゲームチェンジ等、異業種含めた周辺業界からの脅威有無

社会性判定

①ポイント

持続的成長、事業の拡張性に重要となる社会的意義が高い事業かどうか

②調査・分析着眼

  • BtoC:利便性、生活の質等への貢献度
  • BtoB:業界の利便性、社会への貢献度
  • SDGs、ESG、サステナビリティへの対応度

外部環境の評価軸

内部環境の評価軸

優位性判定

①ポイント

差別化された事業内容かどうか、参入障壁があるかどうか(=他社と比べた優位性)

②調査・分析着眼

  • 既存他社に比べた差別化ポイントの有無
  • 模倣、追随困難な参入障壁の有無
  • 経営資源活用による優位な展開スタートの可否

収益性判定

①ポイント

安定した収益モデルかどうか、高い収益性が見込まれるかどうか

②調査・分析着眼

  • 安定ベース収益による事業の安定度
  • ストック型・スポット型モデル
  • 高い生産性の実現度(非属人ビジネス等)
  • 営業利益率10%以上(仮)の可否

難易度(営業・開発等)判定

①ポイント

立上げ・実行推進段階において、垂直立上げ・早期立上げが可能かどうか

②調査・分析着眼

  • 営業(開拓)難易度の高低
  • 開発難易度の高低
  • 新たな専門知識、有資格の必要性有無
  • 特定スキルへの依存度

投資判定

①ポイント

3年~5年回収(事業内容により設定)が可能な範囲内かどうか

②調査・分析着眼

  • 設備への投資金額に対する回収期間
  • 人材への投資金額に対する回収期間
  • 財務状態に対する投資金額の妥当性

既存プレイヤーとの連携可能性

①ポイント

既存プレイヤーとの連携(事業提携orM&A等)により、短期間での成長が可能かどうか

②調査・分析着眼

  • 既存プレイヤーとの連携・シナジー効果
  • 自社既存事業との連携・シナジー効果
  • 既存事業・新規事業とのカニバリ有無

新規事業の事業性を評価する着眼

出所:タナベコンサルティング作成

外部環境・内部環境分析に役立つフレームワークを紹介

経営戦略策定に役立つフレームワークを紹介

新規事業を成功に導く評価軸の本質

新規事業を成功に導く評価軸の本質は、「大所高所から第三者視点で定量的に評価する」ことにあります。主観が入るとどうしても良い点にばかり目がいき、正しい評価がされず、偏った見方になりがちです。また客観性が乏しい事業計画書となると、そもそも社内稟議が通るものも通りません。
外部環境と内部環境の両面で大所高所からしっかり評価し、第三者視点をもって定量的に評価することで、新規事業の成功確率を高めましょう。

著者

タナベコンサルティング
ストラテジー&ドメインコンサルティング事業部
エグゼクティブパートナー

巻野 隆宏

専門分野は事業戦略の立案をはじめ開発・マーケティングなど多岐にわたる。企業の持続的な変化と成長のサポートに取り組み、志ある企業・経営者のパートナーとして活躍中。「高い生産性と存在価値の構築」を信条とし、明快なロジックと実践的なコンサルティングを展開。建設業、製造業を中心に中・長期ビジョン構築において事業の選択と集中で高収益ビジネスモデルへの変革を数多く手掛けてきた。

巻野 隆宏

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