
1. 社員の成長を重視した人事制度
(1)技術者向けの専門研修プログラムの充実
各職種に応じたスキルマップが用意されており、社員は自分のキャリア目標に向けて必要なスキルを明確に把握できます。また、社内のコミュニケーションを促進するための取り組みも行われており、定期的なチームビルディング活動や社内イベントが実施されています。
例:
若手リーダー研修
→若手のリーダーに集まっていただき育成課題、部門課題を共有することで抱え込まず悩みを相談できる環境を整えています。
商品知識研修
→5年目までの社員が社長、部門長に自社製品の魅力をプレゼンする大会を毎年行っています。これによりコミュニケーションの活性化やスキルの習得状況を客観的に把握することができます。
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(2)透明性が高い評価制度
M社は成果に基づく報酬制度が導入されており、社員は自分の努力が直接的に評価されることを実感できます。定期的なフィードバックセッションやワークショップの実施はもちろんのこと成果と処遇の詳細結果、上司の評価もすべて公開してるため納得度が高いことも特徴です。上司、部下の意見交換のみならず社長をはじめとした役員陣とも定期的なコミュニケーションの機会が設定されています。社長としても社員の意見を直接聞く場として活用しており、福利厚生を充実させたり、営業所の改修を行うなどスピード感のある取り組みも見習いたいポイントです。

2. グローバル人材の育成
(1)グローバルな人材を育成するプログラムの充実
今後の市場は国内外にこだわらず新たなマーケットに挑戦することで売上拡大を伸ばせるチャンスと捉える企業も多いのではないでしょうか。営業、製造のみならず設計、開発とメンバーを毎年選抜しています。
社員はアジアや北米、欧州などの拠点や協力会社で実務経験を積む機会があります。このプログラムでは、現地の市場や文化を理解するための研修が行われ、社員は異なるビジネス環境での課題解決能力を養います。具体的には、現地の顧客とのコミュニケーションや、製品の適応に関するプロジェクトに参加することで、実践的なスキルを身につけることができます。
(2)ビジネス英語のリスキリング
社員が英語を学ぶための多様な学習機会が提供されています。具体的には、社内での英会話クラスやオンライン学習プラットフォームを活用した自己学習が推奨されています。特に、ネイティブスピーカーによる指導を受けられるクラスが福利厚生で設けられており、実践的な会話力を身につけることができます。また、社員同士での英語でのディスカッションやプレゼンテーションの機会も設けられ、実際のビジネスシーンを想定したトレーニングが行われています。

3. 明確なキャリアパス設計
(1)職務等級制度の導入
M社は「職務等級制度」として導入されています。この制度は、職務の内容や責任に基づいて等級を設定し、各等級に応じた役割や求められるスキルを明確にしています。例えば、エンジニアは「初級」「中級」「上級」といった等級に分かれ、それぞれの等級に必要な技術や経験が定義されています。
初級の人は中級に昇格するためにはどのようなスキル、生産性基準を持っている必要がある人材なのかが明記されているため上司もサポートしやすい環境を整えています。
(2)専門職制度の導入
前述の職務等級制度とは異なり、職務の内容や役割に基づく昇進だけでなく、専門的な能力や知識の深化を重視します。
専門職制度では、特定の技術や知識に特化した職務が設けられ、社員はその分野での専門家としてのキャリアを築くことができます。これにより、社員は自分の得意分野を活かし、より高い専門性を追求することが可能です。
従来の管理職のみを目指すキャリアパス以外の設定とは違い自分で選ぶことができるという点が大きなポイントになります。
後任の育成、新人への講師、自社の技術力の伝承など様々な役割を担っていただき管理職だけが将来の姿でないというお手本のポジションを担っていただきます。
会社プロフィール
- 業種
- 製造業
- 所在地
- 新潟
- 売上高
- 80億
- 従業員数
- 320名
この課題を解決したコンサルタント

タナベコンサルティング
HRコンサルティング事業部
チーフマネジャー村上 泰紫
ブライダル関連企業で営業、人事、マーケティング、ブランディング、マネジメントなど多岐に渡る経験後、当社へ入社。「会社の成長のカギは人材育成」が信条であり、組織における採用戦略・人材育成・人材活躍などHR領域を専門分野とし、多面的要素から戦略人事の再構築に携わる。
- 主な実績
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- 大手ゼネコン関連企業向けHRサポートコンサルティング
- ソフトウェア企業向け中期経営計画コンサルティング
- 製造業HR部構築コンサルティング