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新商品ができたはいいが、プレスリリース以外何を行うべきかわからない。広告を打つにも、限られた予算の中で何を優先して行うべきかわからない。結局小売店や営業任せになってしまうことはありませんか?
本コラムではそれを解決するための「戦略設計」に役立つフレームワークを紹介します。
潜在ターゲットとのタッチポイントを設計する
ペルソナ設計とカスタマージャーニー
認知拡大のためになんとなく広告を打つという手法では、施策が点での運用になり、PR施策の最適化が図れません。まずはどのような打ち手があるか、整理していきましょう。
新商品は誰のために作られ、どんな価値を持つ商品でしょうか。商品開発時に作成されたペルソナ、またはその商品のコアバリューを最も必要としている顧客のペルソナはどのようなものでしょうか。
例えば水のようなエナジードリンクを開発したとします。そのコアバリューは、従来のような「独特の味」がないことが特徴で、誰でも飲みやすいことが最大のメリットです。そのターゲットはジュースや甘いものが苦手な、仕事が忙しい30代~40代の社会人です。その人の家族構成・趣味・平日と休日の過ごし方、新商品を使うときの思いなど、どんどん深掘りしていきます。その結果、完成するのがペルソナです。
ペルソナができ上がると、その人物の購買における行動をカスタマージャーニーとして落とし込みます。
消費者が商品やサービスを認知してから購入に至るまでの心理プロセスを「Attention(認知・注意)→Interest(興味・関心)→Compare(比較)→Purchase(購入)→Share(共有)」に落とし込みます。その中で、各フェーズで消費者が何をタッチポイントとして商品に触れるかを整理することができます。カスタマージャーニーについて定められたフォーマットはありませんが、下記を参考に整理されるとよいかと思います。
出所 : タナベコンサルティング作成
このカスタマージャーニーにより導き出されたタッチポイントこそ、打つべき施策です。
施策の内容を設計する
「知ってもらう」ではなく、覚えてもらうことを目指す
前提として、すべての施策がそれぞれ重要な役割を担っています。その中で限られた資源を、すべての施策を運用するために均等に割り振るのではなく、その商品が市場の中で存在感を発揮するために「最も注力すべき施策」を重点的に行うことが重要です。
昨今、商品があふれる中で「選ぶこと」が消費者のストレスになっています。ただ企業として伝えたいこと、商品の強みを打ち出すような内容では企業の独りよがりになり、消費者の記憶には残りません。広告が毛嫌いされる中で、そのような施策はむしろ消費者の嫌悪感を招く事態にもなりかねません。
自分事化させるストーリー設計がキーポイントとなります。
具体的には、「商品のコアバリュー」×「情緒的価値」×「時期的要素」をかけ合わせることが重要です。
例えば水のようなエナジードリンクを4月にローンチする場合、商品のコアバリューは「飲みやすい味」です。「時期的要素」としては5月に大型連休があることとします。そのときに起こり得る「情緒的価値」としては車で遠出し、子どもたちと思い出を作りたい、どうにかして眠気に打ち勝ちたい状況があるということにフォーカスします。
施策のストーリーは上記をもとに、WEB広告とサンプリングを組み合わせる、ペルソナに近いインフルエンサーに体験してもらうなど、リアル施策やWEB施策にて商品を体験、またはプレ体験できるように設計することをおすすめします。
自分の悩みを解決したり、その商品を使用した未来を想像できる訴求にすることがポイントです。
施策の評価
PR施策は直接購買につながるものではなく、施策がさまざまな角度から売上やブランド力に影響を与えるものです。一般的に、KPI設計は行いにくいものといわれていますが、複数の項目をポイント化しその総合点で評価することが可能です。評価項目については、施策を打つだけでなく、効果測定のためにアンケート調査などの追加調査を実施するのも効果的です。
下記を参考に、貴社に合ったPDCAサイクルを回していきましょう。
具体例:
(1) 施策リーチ数×UGC数×商品に対する印象
(2) 外部機関にリリースが取り上げられた回数×リーチ数×インプレッション数
(3) 売上×UGC×商品へのレビュー
本コラムを参考に、少しでも意味のあるPR施策を打てるようになることを祈っています。
AUTHOR著者
ブランド&PRコンサルティング事業部
チーフコンサルタント
岩永 ひなた
ブランディング・PR等のコミュニケーション手法をMIXし、企業のブランド価値最大化の支援を行う。ブランド再構築、SNS支援、動画や販促品の制作等、戦略から戦術までをトータルでサポート。

