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ブランドポジショニングの基本とSTP分析の進め方を体系的に整理。競合比較と価値定義の手順を示し、製品が選ばれる理由を明確化します。市場セグメントの見極めからポジションの検証まで、実務で使えるチェックポイントを提供します。
なぜポジショニングが必要なのか
インターネットが一般に普及し始めた1990年代以降、消費者はさまざまな情報を簡単に取得できるようになり、複数の企業や商品を主体的に探索・比較できるようになりました。これにより企業はただ商品を供給するだけでは選ばれなくなり、特定の課題解決に特化した商品へと改善していく必要に迫られました。
このような傾向は、商品のコモディティ化やSNSの普及などによってさらに加速し、現代では技術力のみに頼った独自性の確立は困難と言わざるを得ません。だからこそ消費者の抱える課題や利用シーンなど、さまざまな切り口から市場を見つめ直し、独自の立ち位置を見つけ出すことが成功のカギと言えます。
STPで考える設計ステップ
ポジショニングの設計は「STP分析」を基本として進めていくことが一般的です。
STPとは、セグメンテーション(市場の細分化)、ターゲティング(狙うセグメントの選定)、ポジショニング(選ばれる理由の設計)の順で戦略を定める考え方です。まずセグメンテーションでは、顧客を地理的・人口統計的・心理特性・行動特性(利用場面・購買頻度・求める便益など)で区分します。次にターゲティングでは、各セグメントの規模・成長性・到達可能性・収益性・競争強度の観点で魅力度を評価し、焦点を絞ります。最後にポジショニングでは、選定したターゲットに対して、自社の独自価値(顧客に提供する具体的な価値と、その根拠)を明文化します。
ここでは「誰に」「何を」「なぜ」を一文で表すことで、社内外への伝達が容易になります。
ポジショニング設計でのチェックポイントと注意点
ポジショニングの2軸を相関性の低い要素で構成する
STPを検討する際には2軸のマトリクスを用いることが一般的ですが、仮に「価格」と「性能」を軸とした場合、競合他社と差別化できる要素が発見しにくくなります。価格が高くなれば性能が向上することは当然であり、ポジショニングマップを作る意義が薄れてしまいます。特に「価格」軸はさまざまな要素と相関性が高いため、STPを検討するにはあまり適切とは言えません。
「日常用・贈答用」や「落ち着いた雰囲気・活発な雰囲気」など、相関性の低い軸が設定できているかを意識しましょう。
ポジショニングマップの「四隅」を目指す
ポジショニングマップに競合他社を配置し、空白となる領域を選択する際に、マップの中心部を選択することは適切とは言えません。中心部は2つの要素において特に偏りもなく最も標準的な領域ですが、言い換えると明確な特徴がないとも言え、消費者の印象に残りにくくなります。
また、この領域は最も参入障壁が低い部分であり、競合他社も容易に参入可能です。そのため、自社のポジショニングを検討する際には、最も消費者の印象に残りやすく、競合他社の参入障壁も高い「四隅」を選択する意識が必要です。
AUTHOR著者
ブランド&PRコンサルティング事業部
チーフコンサルタント
中井 慎吾
特定の業種に留まらない多数の企業のWebプロモーション、HPリニューアル、EC強化、他多数Webの専門知識を有し、解析データに基づくプランニング力で企業価値を高める最善のソリューションにより顧客の成長を支援している。

