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広報・PR戦略における進め方のポイント
~普遍的な原理原則と最新トレンド~

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広報・PR戦略は、企業やブランドが社会との関係を築き、信頼を獲得するための重要な活動です。情報が瞬時に拡散される現代において、広報・PRの役割はますます重要になっています。本コラムでは、広報・PR戦略を効果的に進めるための普遍的なポイントと、最新のトレンドを踏まえたアプローチについて解説します。

広報・PR戦略の基本:普遍的な進め方のポイント

広報・PR戦略を成功させるためには、以下の基本的なステップを押さえることが重要です。

1. 目的を明確にする

広報・PR活動の目的を明確にすることが最初のステップです。目的は「ブランド認知度の向上」「新製品の告知」「企業イメージの改善」「危機管理」など多岐にわたります。目的が明確であれば、戦略の方向性がぶれず、効果的な施策を展開できます。

2. ターゲットを設定する

広報・PR活動のターゲットを具体的に設定することが重要です。ターゲットは顧客だけでなく、メディア関係者、業界のインフルエンサー、株主、地域社会など多岐にわたります。ターゲットごとに適切なメッセージやチャネルを選定することで、効果的なコミュニケーションが可能になります。

3. メッセージを一貫させる

広報・PR活動で発信するメッセージは、一貫性が求められます。企業のビジョンや価値観を反映したメッセージを統一することで、ブランドの信頼性が向上します。特に、複数のチャネルを活用する場合は、メッセージの統一が重要です。

4. 適切なチャネルを選ぶ

広報・PR活動には、プレスリリース、SNS、ウェビナー、イベント、広告などさまざまなチャネルがあります。ターゲットや目的に応じて、最適なチャネルを選定することが成功の鍵です。

5. 効果を測定し改善する

広報・PR活動の効果を測定し、次の施策に活かすことが重要です。ウェブサイトのトラフィック、SNSのエンゲージメント、メディア掲載数など、定量的な指標を活用して成果を評価します。PDCAサイクルを回しながら、戦略を改善していきましょう。

広報・PRの最新トレンドを踏まえた広報・PR戦略の進め方

広報・PRの世界は常に進化しています。最新のトレンドを取り入れることで、より効果的な戦略を展開することが可能です。

1. デジタルPRの活用

従来のプレスリリースやメディア掲載に加え、デジタルPRが広報活動の中心となりつつあります。SNSやウェブサイト、動画プラットフォームを活用し、ターゲットに直接リーチすることが可能です。特に、InstagramやTikTokなどのビジュアル重視のSNSは、若年層へのアプローチに効果的です。

2. インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーを活用したPR活動は、近年ますます注目されています。インフルエンサーは、特定のターゲット層に強い影響力を持つため、ブランドの認知度向上や信頼性の構築に役立ちます。インフルエンサーとのコラボレーションは、製品レビューやイベント参加など多様な形で展開できます。

3. ストーリーテリングの強化

単なる情報発信ではなく、感情に訴えるストーリーテリングが重要です。企業の歴史や価値観、製品開発の背景などを物語として伝えることで、ターゲットの心を動かし、ブランドへの共感を生み出します。動画やブログ、SNS投稿を活用してストーリーを広めることが効果的です。

4. リアルタイムPR

情報が瞬時に拡散される現代では、リアルタイムでの広報活動が求められます。例えば、トレンドに合わせたSNS投稿や、緊急時の迅速な対応が重要です。リアルタイムPRは、ターゲットとのタイムリーなコミュニケーションを可能にし、ブランドの信頼性を高めます。

5. データドリブンPR

データを活用した広報・PR戦略が注目されています。顧客の行動データや市場トレンドを分析し、それに基づいて施策を展開することで、より効果的なアプローチが可能です。例えば、SNSのエンゲージメントデータを活用して、投稿内容やタイミングを最適化することができます。

6. CSR活動のPR

企業の社会的責任(CSR)活動を広報・PR戦略に組み込むことが重要です。環境保護や地域貢献などの活動を積極的に発信することで、企業のイメージ向上やブランド価値の強化につながります。特に、SDGs(持続可能な開発目標)に関連する活動は、社会的な関心が高いため効果的です。

広報・PR戦略の成功事例

1. スターバックスのサステナビリティPR

スターバックスは、環境保護や地域社会への貢献を積極的に発信しています。リサイクル可能なカップの導入や、地域コミュニティとの連携を通じて、ブランドの社会的責任をアピールしています。これにより、顧客からの支持を得るとともに、ブランドイメージを向上させています。

2. ナイキのストーリーテリングPR

ナイキは、広告キャンペーンで感動的なストーリーテリングを展開しています。例えば、アスリートの挑戦や社会的な課題に取り組む姿を描いた動画は、顧客の心を動かし、ブランドへの共感を生み出しています。

3. ZoomのリアルタイムPR

Zoomは、パンデミック時に急速に需要が高まった際、迅速な広報活動を展開しました。新機能の追加やセキュリティ対策をリアルタイムで発信することで、顧客の信頼を獲得し、競合との差別化を図りました。

まとめ:広報・PR戦略の未来を切り開く

広報・PR戦略は、企業やブランドが社会との関係を築くための重要な活動です。普遍的な原則を押さえつつ、最新のトレンドを取り入れることで、より効果的な戦略を展開することが可能です。

デジタルPRやインフルエンサーマーケティング、ストーリーテリングなどの最新トレンドを活用しながら、ターゲットに響くメッセージを発信しましょう。また、データを活用した分析やリアルタイムでの対応を通じて、広報・PR活動の精度を高めることが重要です。

広報・PR戦略を進化させることで、企業は顧客やステークホルダーとの信頼関係を築き、持続的な成長を実現することができます。最新の広報・PRトレンドを取り入れながら、未来を切り開く広報・PR活動を展開していきましょう。

AUTHOR著者

タナベコンサルティング
執行役員
ブランド&PRコンサルティング事業部

松岡 彩

百貨店事業、法人向け外商部での営業実務を経て、当社に入社。外資系ラグジュアリーブランド、化粧品業界、飲料・食品業界、教育出版業界、出版業界、コーヒーショップ、ペットショップなど多岐にわたる大手企業のセールスプロモーション支援に従事。デザインの付加価値でブランドイメージを最大化するべく、ストーリーに沿ったプレミアム、ツール制作を得意とし、企業の売上促進や顧客ファンづくりに貢献している。

松岡 彩
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DOCUMENTブランディング・PR関連資料

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