現代において、顧客の関心は多岐にわたっています。そうした中で顧客から選ばれるためには、他社よりも優れたCX(顧客体験価値)を創造し、提供することが求められています。優れたCXを生み出すためには、顧客が自社と関わった際に感じる「事実」を、機能感・所有感・優越感などといった「価値」へと変化させていくための、ブランド価値ストーリーが必要になってきます。このストーリーが有ることにより顧客のマインドシェアを高め、CX向上につなげることができます。
本コラムでは、ブランド価値ストーリーを考える際に重要なポイントを解説します。
ブランドコンセプトの設計
「ブランド価値ストーリー」をつくるうえでのファーストステップ
ブランド価値ストーリーをつくるうえでのファーストステップは、「ブランドコンセプト」の設計です。
ブランドコンセプトは、顧客と共に創る「ブランド価値ストーリー」の原点であり方向性となります。そして、ブランドコンセプトの設計には、ブランドが目指す姿である「ブランドビジョン」を決定することが重要です。ブランドビジョンが有ることで、自社が顧客に提供を約束する付加価値や、ブランドを築く礎となるプロセス・自社の強みを具体的にすることができます。
ブランドビジョンは、自社の現状分析をすることで明確になります。競合分析・マーケットリサーチ・CS調査等を行っていない企業は、一度実施することで自社やブランドの強みが明確になってくるでしょう。
▼ブランドリサーチ(ブランディングサーベイ)についてはこちらのコラムも参照ください。
https://www.tanabeconsulting.co.jp/brand/brandinsight/column/detail80.html
一貫性を持たせる
重要なコミュニケーションのタッチポイント
ブランドコンセプトを設計した後は、発信のフェーズになります。
ここで重要なのが発信に一貫性を持たせるということです。発信するブランドコンセプトを正しく伝えるために、顧客が自社のブランドコンセプトに触れるコミュニケーションのタッチポイントに一貫性を持たせることを徹底します。これは、シンプルであるからこそ、大きな価値を生み出すことができます。
ブランドのイメージを定着させるための、アウターブランディング施策もここでは重要となってきます。自社ブランドのターゲットに何を、どのように伝えるか、その表現に一貫性があるかを重視して施策の検討を行っていきます。一貫性があることにより、ブランドコンセプトが正しく多くの人に伝わり、ブランドとしての認知度・価値が向上します。
インナーブランディングの実施
最も重要なことは社員の自社ブランド理解
最後の3つ目はインナーブランディングの実施です。
アウターブランディングでブランド認知度を強化することはできますが、自社ブランドを確立するうえで最も重要なことは社員の「自社ブランド理解」です。社員にブランドを体現する役割を担ってもらうことで、自社と関わる顧客にサービス以上の価値を感じてもらうことができます。その結果、CXが創出され、顧客をファンに変えていくことにつながります。
インナーブランディングは教育的な面も多く、アウターブランディングに比べ時間がかかるので曖昧にしてしまっている企業が多いです。しかし、辛抱強く取り組むことで、他社との差別化を図ることができます。
以上の3つの要点を押さえ、自社独自のブランド価値×CXで顧客をファンに変えていきましょう!
AUTHOR著者
ブランド&PRコンサルティング事業部
チーフコンサルタント
戸塚 紘平
ブランディング・PR等のコミュニケーション手法をMIXし、企業のブランド価値最大化の支援を行う。SNS支援、動画や販促品の作成等デザインを落とし込んだアウトプット品質に定評がある。

