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戦略的に採用活動を磨き直す「採用ブランディング」のすすめ

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効果的な採用活動を行うため、採用ブランディングに取り組む企業が増えています。
本コラムでは採用ブランディング活動の骨子である「採用コンセプト」に着目し、採用活動を加速化させるヒントを紹介します。

採用ブランディングの推進は「コンセプト」で決まる

人材不足や採用活動の長期化など"厳しい"採用活動

母集団形成に頭を悩ませる採用担当者

タナベコンサルティングが2023年7月に実施した『人材採用・育成・制度に関する企業アンケート調査REPORT』によると、24年卒の採用活動を継続中と答えた企業が過去3年間で最大でした。内定式まで3か月を切った7月時点で欲しい人材が採用できていない「採用の長期化」が発生していることは明らかです。

また、様々な要因から採用担当者の人材不足、求職者自体の人材不足は業種業界に問わず共通の課題であり、母集団の形成の質と量に課題を感じる企業がアンケートからは半数以上という結果になりました。

人材採用・育成・人事制度に関する企業アンケート調査 REPORT 2023年

こうした事態を打破するべく、採用ブランディングに取り組む企業が増えてきました。
採用ブランディングは、企業の認知度や求職者の入社意欲を高めるため、戦略的に企業をブランド化させ、自社ならではの魅力を発信することで、イメージを向上させることを指します。

特に、仕事選びの価値観が多様化している現代では、企業の知名度や安定性・給与体系だけでは求職者からは選ばれません。カルチャーマッチ(会社の目指す方向性)と求職者のマインドが合致すること、入社後のミスマッチによる早期退職・選考辞退を防ぐことに繋がることが、期待できるブランディング効果です。

"求める人材像"ではなく、"一緒に働きたい人"を訴求する時代

求職者を迷わせる"情報過多気味"のデジタル(ソーシャル)社会

筋の通った発信と、心に響く「採用コンセプト」が自社にはあるか?

採用のミスマッチは、いつの時代にも発生する課題です。特に近年は求職者(ここでは主に新卒を指す)のマインドの変化に敏感にならなくてはいけません。生まれた時からデジタル社会の中で育ってきたミレニアム世代にとって、就職情報サイトやデジタル上での情報収集力はピカイチです。

また、働く価値観も変化が見られます。金銭的報酬だけではなく、自身の成長のためや、社会貢献・社会問題の解決などの非金銭的報酬が、働くモチベーションになっている学生が多いのです。

こうしたターゲットに「知名度」「報酬」だけでは集めることが難しいからこそ、企業は「どういった人と一緒に働きたいのか」を伝えていかなくてはいけません。

そのためには、一貫した筋の通った「採用コンセプト」が重要になります。自社の魅力はもちろん、どういった志で、どのようなマインドを持った求職者と「共に働きたいと思っている」かをコンセプトに落とし込み、一貫した採用活動(採用ブランディング)を実施することが重要です。

採用コンセプトは「曲のタイトル」

企業の想い・自社の強み・求職者のニーズをコンセプトにまとめよう

一貫性のあるコンセプトで採用活動を明確化しよう

採用ブランディングのあるべき姿は「採用活動の一貫性」があり、アウトプット=自社を「正しく魅力的に伝える」ことができることといえます。ヒット曲でいえば「タイトル」であり、タイトルと歌詞が合っていない曲を聞いても、人の心に刺さらないのは「一貫性が無いから」の一言に尽きます。

採用ブランディング活動の旗印となり、「あなたが入社することで実現できる未来像」を言語化させたものが「採用コンセプト」であり、この中には自社の想い・強み・求職者のニーズが込められていることが重要です。

最後に

採用ブランディング活動は、見せ方や伝え方での工夫や一貫した活動・コンセプトにより、効果を最大化できるヒントが沢山あります。見直しを検討されている企業や、実施しているがうまくいっていないご担当者の皆さんも、「採用コンセプト」を今一度見直してみてはいかがでしょうか。

AUTHOR著者

タナベコンサルティング
ブランド&PRコンサルティング事業部
ゼネラルパートナー

伊藤 健一郎

「まず自らがその商品・サービスのファンになる」ことをモットーとし、ブランドビジョンを基にブランディング活動を一気通貫で支援するコンサルティングを展開。食品・医薬品・飲料・小売・生活用品メーカーをメインに実績多数。ブランド構築から、マーケティング戦略構築、PR観点でのプロモーション実装支援のスタイルで顧客のファンづくりに貢献している。

伊藤 健一郎
PR広報・SNS・マーケティングに関する相談会

DOCUMENTブランディング・PR関連資料

CONSULTATION 相談会

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タナベコンサルティンググループは「日本には企業を救う仕事が必要だ」という志を掲げた1957年の創業以来68年間で大企業から中堅企業まで約200業種、17,000社以上に経営コンサルティングを実施してまいりました。企業を救い、元気にする。私たちが皆さまに提供する価値と貫き通す流儀をお伝えします。

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