近年、業界を問わず多くの企業で既存のブランドの見直し、再構築の動きが活発になってきております。そこで今回は、企業がリブランディングを行う目的とその必要性についてお伝えいたします。
リブランディングの目的
ブランディングとリブランディングの違いとは?
リブランディングの目的を一言でいえば「ブランドの価値を今より高めるため」といえます。
しかしながらブランドの価値を高める活動は、通常のブランディングでも同様のことが言えます。では何が「通常のブランディング」と「リブランディング(再構築)」の違いなのか。それは、目指す姿が既存のブランドの延長線にあるのかどうかという点につきます。
既存のブランドを現在の方向性のまま成長させていくだけでは価値を高めていくことが難しい、または価値が下がってしまうことが想定される際に、現在のブランド価値にとらわれることなくブランド価値を高める方法を探す必要が出てきます。
社会の変化で「価値」は大きく変化する
ブランドは変わらなくても、周りは変わっていく
これまで成功していたブランドが急激に衰退していく事例が散見されます。
娯楽の増加や休日の過ごし方が変化したことで、平成初期には大人気だったテーマパークが現在では衰退している、少子化や学歴主義の変化等から偏差値の高い大学であっても学生募集に苦労する等、様々な業界でブランド価値の崩壊が見られます。
また、これらは企業のブランドに限った話ではありません。過去には「世界の工場」と言われた中国も、現在では国内人件費の高騰や他国の台頭によってその地位を失い、工場をベトナムやフィリピンに移管する動きが加速しています。
これらすべてに共通する要因は、社会や時代の変化によって相対的に価値が下がっていったことです。現在保有する価値をいかに高めていこうとも、価値観の変化や代替価値の台頭等によって相対的な価値が低下していくことは、誰であっても起こり得るものです。その際に価値を根本から見直し、時代に適したかたちへと再構築する「リブランディング」が必要となるのです。
自社の価値を生み出す「本質」の理解が成功のカギ
「価値の源泉」を洗い出す
リブランディングを実施するにあたって調査・理解すべき要素は2つあり、それは「外部環境」と「内部環境」です。
外部環境の理解においては前述の通り、時代の変化によって価値が大きく変化することは避けられません。それらに適したかたちを模索するためには、世の中の動きや価値観の変化は見逃すことができません。
世の中や競合他社の技術革新、人口増減、価値観の変化など様々な要素を把握する必要があります。リブランディングを行うか否かを検討する段階から常に注視すべき要素といえます。
もう一つの内部環境の理解は、自社が持つ価値の「本質」を突き詰めることです。リブランディングとはいっても本来企業が持っている技術やノウハウ、人財、関係性などは大きく変わることはありません。
リブランディングに成功した企業はこれまでのブランド価値を見直し、それを構築・実現していた「価値の源泉」を洗い出すことで本質を知り、時代に適したかたちへと再構築しているのです。
時代の変化は、ほとんどの企業が把握に力を入れていますが、自社の価値を見直す点においては表面的な部分で留まる場合も多く、結果としてこれまでの方向性からあまり変わらない結果となってしまいます。
リブランディングで100年続く企業へ
激動の時代を生き抜く
近年は、社会情勢や人々の価値観が急速に変化しています。そういった激動の時代の中で企業が生き残っていくためには、ブランドを根本から再構築することが必要になってきます。
過去にとらわれず、時代の変化に適合するとともに、先人たちの積み重ねてきた「価値の源泉」を最大限活用できるリブランディングを推進し、100年続く企業へと成長していきましょう。
AUTHOR著者
ブランド&PRコンサルティング事業部
チーフコンサルタント
中井 慎吾
特定の業種に留まらない多数の企業のWebプロモーション、HPリニューアル、EC強化、他多数Webの専門知識を有し、解析データに基づくプランニング力で企業価値を高める最善のソリューションにより顧客の成長を支援している。