今、企業は大きく3つの課題に直面していると言えます。 1.原材料・人件費の高騰による原価負荷の増加 2.日本経済の根本問題である人口減少、少子・高齢化、インフレ基調での値上等による課題の表面化 3.コモディティ化の加速による付加価値、企業収益性の低下
こうした厳しい市場環境で「勝ち抜く、突き抜ける」ためには、本質的価値(ブランド)の確立、真の顧客とのコミュニケーションによる長期的な信頼関係の構築が不可欠です。
競争優位性を確実に届けるために重要となる「コミュニケーションMIX」
競争優位性、つまり他社よりも自社が優れていることをユーザーに伝えるためには、適切なコミュニケーションMIXが必要です。
コミュニケーションMIXとは、コミュニケーション手段を適切に組み合わせることを言いますが、組み合わせを考えるにあたって、「何を・誰に・どうやって届けるのか」を設計しなければなりません。これらを部門や担当者任せにすると、場当たり的なものとなり、成果が出づらくなってしまいます。
自社、商品、サービスの強み、魅力などの「本質的価値」を、商品、サービスのターゲットユーザーとなる「真の顧客」へ、コミュニケーション手法を駆使して「届け続ける」ために、しっかりと筋道を立てて設計し、実行に移して、検証・修正しながら、意思をもって継続していくことが大切になります。
出所 : タナベコンサルティング作成
まずは、「何を」の部分にあるブランドですが、自社が強みを発揮できるブランドの素材を発見するために「専門」「人材」「社会」という3つの視点で企業価値をとらえることで大事です。
そして、それを磨くことで、ブランディングの方向付けが明確になっていきます。
出所 : タナベコンサルティング作成
ブランディングのあるべき姿
ブランド実現の旗印となる「ブランドビジョン」
ブランドのコンセプト、パーソナリティー、目指すべき未来像、価値創造ストーリーを言語化したものが、「ブランドビジョン」です。
そして、「ブランドビジョン」に基づく戦略検討・事業推進・ブランディングアクション(インナー/アウター)など、「一貫性」があるアウトプットが、ブランドを「正しく魅力的に伝えること」につながります。
その一連のブランディングの流れが、3つのフェーズと7つのプロセスからなる、ブランド構築の7つのバリューチェーンです。
フェーズ:
①ストラテジーフェーズ、②デザインフェーズ、③クリエイティブフェーズ
プロセス:
①ブランドバリュー棚卸、②ブランドキュレーション、③ブランドビジョン策定、④ブランドデザイン、⑤ブランディングプロセス設計、⑥ブランディング施策策定、⑦ブランディング施策実行
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出所 : タナベコンサルティング作成
マーケティングファネル×コミュニケーションMIX
ブランドプロモーションの実行にあたって重要な、マーケティングファネルの設計
目的、ターゲット(真の顧客)に合わせたコミュニケーションMIX
BtoC、BtoBいずれのビジネス形態においても顧客の購買行動が変わる中、従来のマーケティング活動だけでは、企業が目指す姿や思い(ブランドビジョン)を顧客に広く伝え、理解してもらうことは困難になっています。
ダイレクトマーケティングが活発化している今、求められる「コミュニケーションMIX」とはなにか。
それは、「ブランディング・マーケティング・セールスが一体となった、自社独自の顧客とのコミュニケーションモデルの確立」だと考えます。
顧客の新たな購買行動に対して、これまで培ってきた自社の強みと、あらゆるデータを活用し、リアルとデジタルを適切に組み合わせ、顧客の体験価値(CX:カスタマーエクスペリエンス)を向上させる。そういったモデルを想像していく必要があります。
また、費用対効果の視点を持ち、目的やターゲットごとにリアル×デジタルの手法を適切に組み合わせて実行することや、顧客と企業との相互コミュニケーションも求められています。この2点はマーケティングの根幹を形成する部分です。
自社独自のコミュニケーションモデルの確立のためには、マーケティングファネル(※)や、顧客視点と企業視点を一致させること、カスタマージャーニーとタッチポイントの体系化、様々なコミュニケーションの組み合わせなどで、顧客と企業をつなぐ接点やストラクチャーをとらえ直し、多様化するタッチポイントの性質を分析・理解することが必要不可欠となります。その上で、それぞれを連携させ、企業活動全体を通して、立体的に組み上げていく必要があるのです。
※顧客が認知から購買に至るまでの心理的過程(行動含む)をモデル化したもの
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出所 : タナベコンサルティング作成
出所 : タナベコンサルティング作成
ブランドプロモーションの成果
顧客を購買へと導くだけでなく、ファン・ロイヤルカスタマーに育成する
競争優位性を確実に届けるブランドプロモーション
ブランドプロモーションの成果は、最適な費用対効果で顧客を購買へと導くことだけにとどまりません。
これまでに説明したコミュニケーションMIXとも、それぞれ重なる部分もありますが、シームレスかつ立体的に組み合わせ、実行することで、効果を発揮し、顧客ロイヤルティの向上にもつながります。
各コミュニケーションによる顧客とのつながりが、顧客のファン化・ロイヤルカスタマー化、顧客生涯価値(LTV)の最大化へとつながっていくのです。
「LTV(顧客生涯価値)=顧客数×購買単価×リピート」であり、顧客単価やリピート率を上げていくことは企業にとって重要ですが、目先の利益を追い求めるのではなく、顧客とコミュニケーションをとり、長期的な信頼関係を築くという考えの元に取り組むことが求められます。
「競争優位性を確実に届けるブランドプロモーション」を実現させるためには、顧客とのコミュニケーションをとるうえで根幹となる、企業の「本質的価値(ブランド)」、「真の顧客(ターゲットユーザー)」をしっかりと見定め、持続的に「届け続ける(コミュニケーションMIX)」ことが必要です。
自社独自のブランドプロモーションで、持続的成長拡大につなげていただければと思います。