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ブランドコンセプト・ブランドビジョンで伝えるべき価値を届ける

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「クオリティ一流、マーケティング二流、ブランディング三流」と言われてきた日本。
良い会社、良い商品、良いサービス、様々な一流のクオリティを保持している企業が数多くあるにも関わらず、その強み、良さをブランド価値として伝えることができている企業は限られています。
経営戦略としてブランディングを実施することで、目指すブランドを社内外に正しく伝え、企業価値、商品・サービスブランド価値を向上させ、持続的成長を実現させていきましょう。

ブランディングの重要性

ブランディングは、経営戦略であり、現代のビジネスにおいて不可欠な要素

企業や商品・サービスのブランドイメージは、競争の激しい市場で差別化を図るために非常に重要です。
しかし、ナショナルブランド、プライベートブランド、ハイブランドなど様々なブランドが市場に溢れている中で、差別化を実現をすることは容易ではありません。

ブランド価値を正しく伝え、顧客から愛されるためには、ブランドの目指す姿を明確にし、社内外へ浸透させることが必要です。そして、その目指す姿を「ブランドコンセプト」または「ブランドビジョン」と言います。

「ブランドコンセプト」とは、展開される活動の軸となる顧客の共感価値への約束や、提供したい価値のイメージを表現したものであり、付加価値の高いブランドを実現するためには不可欠なものです。
代表的な例として、スターバックス「サードプレイス」、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン「NO LIMIT!」、RIZAP「結果にコミットする」などがあります。

「ブランドビジョン」とは、ブランドコンセプト、価値創造ストーリーをメッセージ化したもので、どのような姿になりたいかとういう思いを、社員やその他のステークホルダーへ伝えるための要素が高いものです。
代表的な例として、NTTドコモ「あなたと世界を変えていく。」パナソニック「幸せの、チカラに。」などがあります。

また、ブランドコンセプト、ブランドビジョンは環境やブランド変化によって、時代に合わせ再定義していく必要があります。
2023年、HONDAは過去(2001年)に策定した「The Power of Dreams」に「How we move you.」を付け加え、ひとりひとりの夢を実現する力が、人と人の心を動かすというメッセージを展開しています。

これらのように、インナー・アウターブランディングによる社内外へのブランドイメージの浸透を、日々の企業活動を通じて実践できていることが、成功しているブランドの共通点です。

ブランドコンセプト・ブランドビジョン策定

「TCGブランドバリューチェーン」ブランディング7つのステップ

ブランドを成功させるためには、ブランドコンセプト、ブランドビジョンを定義し、ブランド価値を社内外へ浸透させることが重要です。
浸透が進むことで、ブランドの認知拡大に繋がり、ファンの醸成、ロイヤルティ向上の好循環をつくりだし、差別化を図ることができます。
しかし、前述「ブランディングの重要性」で述べた通り、ブランドコンセプトやブランドビジョンに基づく一貫したブランディングの実現は、容易ではありません。

タナベコンサルティングでは、ブランド価値の最大化に向けて「TCGブランドバリューチェーン」ブランディング7つのステップを定義していますが、ここでは、ブランドが保有するブランドバリューを基に、ブランド価値を整理し、自ブランドの目指す姿として、ブランドコンセプト、ブランドビジョン(ブランドの目指す姿・ブランド(価値創造)ストーリー)を策定するまでの3ステップを紹介します。

ステップ1:ブランドバリュー分析

このプロセスのポイントは、ブランドが現在保有するブランドバリュー(付加価値要素)を明確にすることにあります。
ブランドの強みと現状を正しく認識するため、どのようなブランド価値を提供していくかを検討する前に、ますは、ブランドの現状を整理します。
なお、新規ブランドを検討する場合においては、ブランドの母体となる企業の現状を整理します。

(1)ブランドポジション(=ブランドの対外的・相対的な位置付け)
競合ブランドとの比較を提供価値基準に基づき整理することで、顧客に提供する付加価値の要素を明確化します。

(2)ブランドコアコンピタンス(=ブランドの付加価値を生み出す、他社にまねできない核となる能力(強み))
バリューチェーンマッピングなどで整理することにより、付加価値の要素を明確化します。

(3)ブランディングプロセス(=ブランドの付加価値を生み出す、具体的な企業活動や仕組み)
具体的な活動を整理することで、付加価値が生まれるプロセスを明確化します。

ステップ2:ブランドキュレーション

このプロセスのポイントは、棚卸ししたブランドバリューを基に、自社ブランドが提供したい顧客にとっての価値を絞り込むことにあります。
絞り込みができていないブランド価値を設定した場合、理想が高くなりがちで、机上の空論となり、実現性が低くなります。
顧客に提供したい価値は何か、どのような存在でありたいかを具体化する必要があります。

(1) ブランドベネフィット(=ブランドが約束する顧客に対しての提供付加価値)
これを考えるときには、ブランドバリューの棚卸しで整理した自ブランドが現在持つ価値を、"顧客に約束する価値=利益"という視点で昇華させます。
顧客にとっての提供価値・利益のうち、どの要素に重点を置くかが大事です。また、"自社らしい提供価値"という独自性の視点でキュレーションを行うことも必要です。

(2) ブランドターゲット(=ブランドベネフィットを最も求めている(最も提供したい)ターゲット)
ブランドが対象とするターゲットはどのような顧客なのかという視点で考えます。
一般的には、マーケティングにおけるセグメンテーション(地理的・人口動態・心理的)の考え方で設定します。
また、このブランドターゲットを具体化するプロセスを通して、ブランドベフィットをさらに洗練化・具体化することができます。

(3)ブランドパーソナリティー(=ブランドを人間に例え、疑似的な人格(パーソナリティー)を設定)
ブランド価値の具体的なイメージを確認すると同時に、ブランドベネフィット、ブランドターゲットに対するキュレーションの方向性を確認できます。
特に、プロジェクトなど複数のメンバーでブランドを検討する際には、このプロセスで議論を深めることで、ブランドコンセプト、ブランドビジョン策定以降の考えの基礎となるブランドに対しての捉え方を統一できます。

ステップ3:ブランドビジョン策定

ステップ1・ステップ2での検討内容を基に、ブランドビジョンを策定します。
構成要素は、①ブランドの目指すべき姿(定性・定量目標)、②ブランドコンセプト(ブランドの目指す世界観)、③ブランド価値創造ストーリーなどになります。
この際に考える「価値創造ストーリー(ブランドストーリー)」とは、ブランドビジョンを実現するためのブランドの考え方を物語としてまとめたものになります。
一般的には、ブランドにまつわる歴史、社会との関わり、創業者の思い、製品のこだわりなどを、物語として長文でまとめます。
ストーリー形式でまとめることで、ブランドビジョンの具体的なイメージを社内外に認知させやすくなります。

インナーブランディング

ポイントは、自分ゴト化

ブランドコンセプト・ブランドビジョン策定ができれば、次は、社内外への浸透に向けた施策になります。
まずは、社内に向けてのインナーブランディングです。
コーポレート全体のブランディングか、商品・サービスのブランディングかによって、該当するメンバーの範囲は異なりますが、社外に対するアウターブランディングを展開する際の品質向上のためにも、中心メンバーだけでなく、全社員がブランドコンセプト、ブランドビジョンを正しく理解する必要があります。

浸透施策としては、ブランドコンセプト・ブランドビジョンの内容はもちろん、策定までの流れや考え方を反映させたブランドBOOKやブランドムービーなどのブランディングツールを準備し、メンバーがブランド認知、理解促進をしやすい社内整備を行います。
そして、ブランディングツール活用で理解したブランドコンセプト、ブランドビジョンを日々の行動に反映させるため、10名程度で構成されるチームを複数つくり、ワークショップを実施し、メンバー間のディスカッションを行っていきます。
このワークショップを定期的に実施し、メンバー間で話す機会を創出することで、全社員の浸透度を向上させていきます。

ブランドコンセプト・ブランドビジョンを策定する段階で全員参加型でコンセプト案を集める企画や、部署、社歴、性別、年齢などに縛られない、全社横断型でのプロジェクトチーム組成によって、より深い浸透が促されるとともに、参加メンバーからの発信なども活性化され、自分ゴト化につながっていきます。

全社員のブランド浸透度のレベルがアウターブランディングの品質に大きく影響を与えるため、インナーブランディングの施策は決して、手を抜いてはならない内容であることがわかります。

アウターブランディング

ポイントは、アクションプランの設計と展開するクリエイティブの一貫性

最後は、ブランドコンセプト、ブランドビジョンを対外的に顧客・その他のステークホルダーへ伝えるアウターブランディングです。

まず、ブランドコンセプト・ブランドビジョン策定段階で設定したターゲットに対してのアクション(メディア)プランを設計します。
その際に単なる広告(ペイドメディア※1)だけではなく、SNS(シェアードメディア※2)やアーンドメディア※3、オウンドメディア※4を駆使し、メディアミックスにより、顧客に共感を生むブランドストーリー設計し、展開していきます。
実行段階ではブランド浸透調査等も定期的に行うなど、設定したKPIの進捗状況を確認します。
そして、PDCAサイクルの中でプラン変更含めてブランド価値を最大化できる施策の検討・実行を繰り返していきます。

クリエイティブに関しては、ブランドコンセプト・ブランドビジョンを正しく伝える上で、トンマナを統一させ展開していく必要があります。
そのためにも前段「インナーブランディング」で述べた、インナーブランディングでの全社員へのブランド浸透度が重要になります。
インナーブランディングが行き届いていれば、アウターブランディングの展開の際にもブランドマネジメント機能が有効に作用し、顧客に対して品質の高いブランド訴求が実現可能となります。

インナー・アウター両軸のブランディングを実行することで、ブランド価値の最大化が実現され、成功への道筋が見えてきます。

差別化されたブランドを築く「TCGブランドバリューチェーン」ブランディング7つのステップで、唯一無二のブランド構築に向けた取り組みをぜひ始めてみてください。

※1 ペイドメディア(Paid Media) テレビCM、WEB広告、交通広告、雑誌広告など外部に出稿を依頼して拡散するメディア。 ターゲットを絞った配信では、費用対効果も計測しやすいが、企業からの一方的な発信となるため、 消費者にとって信頼性の低い情報となります。

※2 シェアードメディア(Shared Media) Instagram、X(旧 Twitter)、TikTok、Facebook、YouTubeなどSNSを起点に情報発信されるメディア。 拡散性の高いメディアであり、好みや価値観が近い人物からの発信となるため信頼・共感性が高いが 情報コントロール、効果予測が困難になります。

※3  アーンドメディア(Earned Media) ニュース、新聞記事、口コミサイトなどマスメディアや消費者などの第三者から発信される情報メディア。 信頼・共感性が高く、低コストで効果を生む可能性があります。一方、情報コントロールができないため効果予測が難しい。

※4 オウンドメディア(Owned Media) 企業ホームページやブログ、ECサイト、広報誌、メールマガジンなど自社で保有、運用しながら発信するメディア。 自社で情報をコントロールしながらブランディングを進めることができるが、コンテンツを蓄積することで 初めて効果が出てくるため、短期の効果が見込めない。

AUTHOR著者

タナベコンサルティング
執行役員 ブランド&PRコンサルティング事業部

竹綱 一浩

マーケティング戦略パートナーとして、SNSなどのデジタルを活用したマーケティングから店頭プロモーションまでリアル×デジタルでの売上拡大の最適化をコンサルティングで支援。戦略策定から、実行・運営までトータルでサポート。特にプロモーション企画とその推進マネジメントを通じた人材育成で、クライアントから高い信頼を得ている。

竹綱 一浩
ブランディング・PR/広報に関する相談会

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CONSULTATION 相談会

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