SNSマーケティング・ブランディングにおいて戦略が重要である理由
1.SNSを"なんとなく"運用していませんか?
SNS担当者が直面する悩みとして、「成果がでているのかよく分からない」「SNSへリソースをかける意義を、社内でうまく説明ができない」「何を成果とすべきか分からない」こんな声をよく耳にします。とりあえずフォロワーを増やそう!とりあえずSNS始めよう!といったように"なんとなく"運用している企業が多くいると感じています。SNSマーケティング・ブランディングを成功させるためには、目的の明確化とそれに基づく戦略をしっかり立てることが非常に重要です。
この目的・戦略がないと目に見えてわかりやすい「フォロー数をとにかく増やす」「投稿やショート動画をとにかくバズらせる」といった本来戦術の効果を図るべき数値の達成が目的化してしまい、本来の目的を見失ってしまいます。目的・戦略があいまいであると、結果的に、一貫した運用ができずブランディング効果も分散してしまいます。また、SNSの特性上、最悪の場合は炎上リスクにつながることも考えられます。
2.戦略をたてるメリット
一方で、目的を明確にして戦略を立てることで、このようなメリットがあります。
・運用目的がブレなくなる
・判断基準が明確になり、関係のない数値に惑わされなくなる
・目的に沿ったPDCAを回し、最適化できる
・社内でも、SNSの投資価値を正しく説明できる
本コラムでは、どのようにSNS戦略を考えるとよいかを要点に絞ってお伝えします。
まず、目的を明確化する
目的は必ず戦略の上位概念にあります。その目的を達成するために、目標や戦略があり、戦略に沿って具体的な戦術を考えて行くというのが原理原則です。
具体例として、男性向けメイク商品Aを図にしました。訴求したいサービスや商品と照らし合わせながら、イメージしてください。
ターゲットを明確に設定する
目的が明確化したら、目標となるターゲットを設定します。
ターゲット設定には、ペルソナシートが便利です。具体的な状況を想定し、架空の顧客像を設定します。例えば採用であれば、応募までどのような行動を取り、思考が変化して応募に至るのか。休日の過ごし方、よく利用するサービス、仕事に関する考え方など、人物像を具体的にイメージできるまで考えます。このようなペルソナを設定することで、ユーザーのニーズを把握しやすくなり、戦略の方向性もブレずに明確にすることができます。
SNSの役割を明確化する
基本的に、最終的なゴールに到達するには、様々な施策と絡み合って成果につながることがほとんどです。以下に、例として「新卒採用数減少」が1つの経営課題である企業が、戦略として採用ブランディングを行う際のタッチポイントを図で示しています。
図にあるように、右上のゴール「入社」までに、SNSのほかにも就活イベントへの参加や、採用サイトの閲覧、口コミサイトでの他社比較などといった接点が相互作用しあって、入社につながっています。
したがって、SNSの戦略を考える際は、最終的なゴールを目標に自部門での目的を達成するために、SNSという手段でどのような状態にしたいのか、全体のタッチポイントの中でSNSの立ち位置・期待する役割を考えてみると良いでしょう。これを整理する際、カスタマージャーニーマップを活用すると整理がしやすくなります。
カスタマージャーニーマップを活用することにより、「どのフェーズでどんな目的でSNSを運用するのか」ということが明確になり、その他にも「次のフェーズのどんな行動につなげるためにSNSを活用したいのか」という思考で整理できます。さらには「そのためにどんな運用方針やコンテンツにすべきか」と思考をつなげることで、一貫した運用方針が見えてきます。
KGI・KPIを設定する
成果や状態を数値化するためのKGI・KPIを設定します。
例えば、20代~40代女性に自社サプリの商品認知拡大という目的の運用を考えます。まずKPIを設定する前の重要なステップとして「KGI(ゴールとなる目標)」を設定します。商品認知向上を目的とする場合、現在の認知施策全体の中で、SNSからの認知がどの程度を占めているかを割合で示し、KGIは「商材におけるSNSでの認知率を30%まで向上させる」といった形にします。効果を測定できる目標を設定することが望ましいため、必ず数値で設定することがポイントです。
次に、このKGIに関連する具体的なKPIを選定し、それを達成するための施策に落とし込んでいきます。
KPIは、具体的なKGIに基づいて数値を設定するプロセスですので、適切なKPIを選定し、それを定期的にモニタリングすることで、戦略の評価や改善、成果の最大化につながります。
最後に
要点を絞ってお伝えしましたが、いかがでしたか。弊社では、多くの企業様のSNS戦略構築から運用までを伴走支援しています。現在の運用でお困りごとがございましたら、ぜひご相談いただければ幸いです。
AUTHOR著者
ブランド&PRコンサルティング事業部
コンサルタント
野口 菜々絵
印刷会社での販促プロモーション支援、医療機器フランチャイズチェーンでマーケティングコミュニケーションの計画策定から実行推進・新製品ブランディングに従事した後、当社に入社。サイト構築・WEB広告・SNS運用などを強みとし、データドリブンに基づいた分析・改善を行う。上級ウェブ解析士、SEO検定1級、SNSマネージャーの資格を持つ。

