COLUMN
コラム
SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)は、2016 年のスタートから 6年が経過しており、日本国内においても広く知られるようになり、産業全体における関心も高まってきています。しかしながら、中堅・中小製造業においては、今もって広く取り組まれているとは言えない状況にあるのが現状です。その背景としてSDGsに取り組む意義・メリットが理解できていないことが要因として挙げられます。
そこで、本記事においては中堅・中小製造業がSDGsを推進するメリットについてお伝えいたします。
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メリット①:新たな付加価値の創出により製品価値が高まる
コストダウン一辺倒の利益創出は限界を迎えている
一般的に中堅・中小製造業は、過去の市場成長に伴って設備を多用した高固定費型で、大量生産をするビジネスモデルをとってきました。しかし、近年は自動車業界をはじめとした各種産業において国内人口の減少に伴い市場縮小が予測されています。
そのような環境下では受注量が減少するため、スケールメリットを活かした高生産性でコスト削減を行い利益を出してきた既存ビジネスモデルでは対応が難しくなってきています。
そのため、コスト削減だけでなく製品の付加価値を高める活動が重要となってきています。
「環境対応」という新たな付加価値
現在SDGsが世界的に取り組まれる中で、「環境対応製品」が新たな付加価値として認められつつあります。消費者はSDGsへの関心の高まりから環境に良い製品を選択する傾向が高まっており、それに伴い大手メーカー各社も環境に配慮した材料を用いた製品の提供を積極的に進めています。つまり、選ばれる要素、付加価値のの一つとして「環境対応」が大きな位置を占めてきています。
しかし、現段階では付加価値と認められている環境対応製品も、将来的に環境対応製品が広く普及すると当たり前の要素として捉えられてしまいます。そのような状況になる前に取り組むことで付加価値の高い製品提供を行うことが可能になります。
メリット②採用ブランディングによる新たな仲間の増加
SDGsへの取り組みをしているか否かで応募者が企業を選ぶ時代に
SDGsの重要性が社会的に浸透しており、学校教育においても取り上げられるようになっています。そのため、企業の採用面接においても応募者から企業に対してSDGsへの取り組み状況を質問されるような状況が増加してきています。
応募者は企業の取り組みを入念に比較調査したうえで応募します。そのような中で、社会的な要請が高まっているSDGsに対して取り組み姿勢を明確にしていない企業へ応募することは応募者にとってリスクとなり、企業側が選ばれなくなることも考えられます。
共に社会に価値を提供する仲間を増やす
上述したように、応募者側は社会課題の解決に対する意欲を高めており、そのような応募者を採用することができれば、意欲のある人材と共に社会課題の解決に企業として取り組むことができます。それにより、自社が提供する社会的価値がさらに高まり新たな人材が増える、といった好循環が回せるようになります。
そのためには表面的な取り組みではなく、SDGsにおける各種目標に対して自社が何ができるのかを真剣に考えて取り組み、それを社外に発信する活動が必要です。
メリット③持続可能な生産体制構築によるコストメリット
利用資源のライフサイクルを考えた生産体制
製造業においては生産時に多数の材料を利用しますが、その材料のライフサイクルを考えた生産体制を築くことでコストメリットが発揮できます。例えば、歩留まりを高める製品設計・生産工程開発、生じた廃棄物を資源化し、活用度を高める取り組みを行う等により、材料の使用効率を高めて自社におけるコストメリットを見出すだけでなく、材料の使用量も削減するkとおで社会的な環境負荷も減らすことができます。
製造業において最もイメージしやすいのがこの取り組みになります。皆さんの製造工程においてもさらに突き詰めて利用資源のライフサイクルを考えた生産体制の構築をしていただければと思います。
SDGsに取り組むなら"今"
これまで製造業がSDGsに取り組むメリットをお伝えしてきました。まだ真剣に取り組む企業が少ない現段階で自社が先駆けて取り組めばメリットになりますが、今後社会的に取り組みが浸透し始めた段階ではむしろ取り組まないデメリットのほうが大きくなります。
企業として提供する社会的価値を高めるうえでもSDGsは非常に重要となるため、今から取り組んでいただければと思います。
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