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2025.01.06

ホールディングス化を成功させる3つの手法

  • ホールディング経営

ホールディングス化を成功させる3つの手法

目次

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本記事内では、ホールディングス化を成功させる3つの手法をご紹介します。

(1)会社分割
企業組織再編の手法の一つで、既存の会社(分割会社)を他の既存の会社(承継会社)または新設する会社(設立会社)に分割するものです。

(2)株式交換
完全子会社となる会社(対象会社)の発行済株式のすべてを完全親会社となる会社(株式会社または合同会社)に取得させる手法です。株式交換後には、対象会社に対して100%の完全支配関係が生じます。

(3)株式移転
自社の発行済株式の全部を新たに設立した新設法人に取得させることをいいます。

3つの手法(会社分割・株式交換・株式移転)の特徴とメリット

会社分割の特徴とメリット・デメリット

(1)会社分割の特徴
①会社分割は、異なる企業の同一部門をお互いに分離・統合しスケールメリットを求める場合、あるいは持株会社化の際などに行われ、法人の事業部門の全部又は一部を、既存法人や新設法人に移転することとなります。
②ホールディングの場合、ある事業が一定程度の売上・利益・財務規模となった場合に、その事業を新設法人として新設して子会社化するケースが一般的です。

(2)会社分割の種類
①吸収分割
既存の会社が、その事業に関して有する権利・義務の全部又は一部を分割して他の既存の会社に承継させる会社分割をいいます。
②新設分割
既存の会社が、その事業に関して有する権利・義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させる会社分割をいいます。

(3)会社分割のメリット
①会社の部門ごと、事業ごとに譲渡・分割できます。
②分割の実施に際して、資金準備の必要が少なくなります。
③契約関係を包括的に承継することができます。
④原則、資産、負債の移動に際して消費税が発生しません。
⑤ホールディングスの場合、子会社化することで、より効率的な経営を行うことができます。

(4)会社分割のデメリット
①不要な資産や簿外債務等があった場合でも引き継がなければなりません。
②許認可によっては引き継げない許認可があります。
③税務の取り扱いが複雑です。

株式交換の特徴とメリット・デメリット

(1)株式交換の特徴
①ある株式会社が対象会社を100%子会社にするための企業再編手法のひとつです。 具体的には、子会社となる会社の株主に対して、その保有している株式を親会社となる会社株式に交換します。 株式交換により100%親会社となる会社を完全親会社、100%子会社となる会社を完全子会社といいます。
②株式交換の効力は株式交換契約で定められた効力発生日から発生します。 基本的に株式交換では株式数や資本金には変動が無いため、登記は不要ですが、新株予約権の交換が行われる場合、売り手の新株予約権が消滅し、その保有者が買い手の新株予約権者となるなどから、発行済み株式総数などに変更があるケースがあります。

(2)株式移転との違い
➀株式移転では親会社を新設しますが、株式交換では親会社は既存の会社となります。
②株式交換は他企業の譲受のためにも使えますが、株式移転では不可能となります。
③効力を発するのは、株式移転では新設親会社の設立登記時。株式交換では株式交換契約で定めた株式交換の日。
となります。

(3)株式交換のメリット
①譲受企業は買収の対価として新株を発行すればよく、買収資金を用意する必要がありません。
②譲受対象企業の株主の3分の2以上の賛成が得られれば、少数株主を強制的に排除して100%子会社化することができます。
③譲受後も譲渡対象企業は別法人として存続するため、早急な経営統合を行わなくても大丈夫です。

(4)株式交換のデメリット
➀譲受企業が上場企業の場合、1株当たりの利益が減少し株価が下落するリスクがあります。
②譲受対象企業の株主が買い手企業の株主となるため、買い手企業の株主構成が変化してしまう可能性があります。

(1)株式移転の特徴
①株式移転は、一般的にはホールディングスを設立する際によく用いられる手法として知られています。新設持株会社の設立に際して、金銭による出資に代えて、既存の会社の株式を「現物出資」することで、持株会社を新設するという形態のものです。
株式移転実施後の株主構成は、新設される持株会社の下に既存の会社が100%子会社として存在することになります。一方、子会社の株主は、新たに設立された持株会社の株式を取得することになります。

(2)株式移転の主な目的
➀経営統合:複数の株式会社が共同で株式移転を行い、発行済株式の全部を新設会社に取得させる手法を「共同株式移転による経営統合」といいます。共同株式移転により、既存の会社は新設会社の子会社となります。 それまで個別に営業していた会社同士が経営統合する場合、それぞれの社風や商習慣の違いなどが影響して、成功しない可能性があります。

②ホールディングス化
ホールディングス(持株会社)化、つまり1社単独での株式移転では親会社となる持株会社を新設し、既存の会社の全発行済株式を取得させます。多くの場合、持株会社化は所有(株主)と経営(役員)を分離することで、事業の健全運営を目指す目的で実行されます。また、結果的に株価対策に繋がる側面を持ち合わせています。

(3)株式移転のメリット
①対価として株主に新設会社の株式を交付するため、資金が十分に無い場合でも実施が可能です。
②ホールディング傘下になる会社の組織自体は変わらず、独立性が保たれているため、スムーズに統合が進み、合併と比べてシナジー効果をスピーディーに発揮し易いです。
③株主全員の同意が不要
株主総会の特別会議で3分の2以上の承認を得ることができれば、少数株主を強制的に排除し子会社化することができます。
④労働契約・許認可等の手続きが不要
資本である株主の移転のみが発生し、主体事業の変更やそれに伴う資産の移転はないため、手続きは不要です。

(4)株式移転のデメリット
①共同株式移転の場合、複数の会社の株主が持株会社の株主となるため、株主構成が変動します。

さいごに

ホールディングス化の相談は年々増加しており、企業様によって相談の目的が多種多様に存在します。
ホールディングスとその傘下となる子会社の形や手法も多種多様で、グループの目的にあった適切な手法が必要となってきます。

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