COLUMN

2024.04.01

今こそ ファイナンス思考を持つ財務担当者の育成を

  • 資本政策・財務戦略

今こそ ファイナンス思考を持つ財務担当者の育成を

VUCA(Volatility(変動)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性))の言葉が示すように、現代は未来の予測が難しい情勢です。近年であれば、物価高騰の影響で利益が圧迫され収益に課題を抱えている企業が多くおります。また、コロナ禍で売上高が減少した事業者に対して実質無利子・無担保融資、いわゆる「ゼロゼロ融資」の返済も始まっており、収益力の確保は企業が生き残っていくためにも取り組まなければならない経営課題です。
皆さんの会社で会社の将来を考えようとしたときに、「数値」を持って考えることができる人材はどれくらいいますか?経営改善のための課題把握や将来の利益・キャッシュフローを最大化に向けて、経営幹部・経営者人材には「数字を見る目」が必要です。不透明な時代である現代では、決算書の見方といったアカウンティングの知識では十分に対応できません。将来利益・キャッシュフローを最大化させるためのファイナンス思考を持つ人材が企業には必要です。

ファイナンス思考を持つ財務担当者の必要性

アカウンティングだけでは対応できないビジネス環境

アカウンティングは財務諸表の概要や損益分岐点、資金繰り表、経営分析といった企業の収益・財務構造を把握するために必要な知識です。一方で、ファイナンスはKGI・KPIを設定し戦略を定量化させる、事業投資の意思決定、ROIC、企業価値の評価、資金調達政策など戦略会計を活用するために必要な思考でもあります。急速な変化や不確実性の中で、財務担当者に対する要求は複雑に、かつ高度なものになっています。そのため、決算書を読むことができる担当者ではなく、アカウンティングの知識を持って収益・キャッシュフローを最大化させるために、どんな手を打つことができるかを考えることができる財務担当者の存在が必要です。

ファイナンス思考でリスクを考える

リスクマネジメントは企業経営において避けて通れないでしょう。企業が円滑かつ健全に運営できるためにも、リスクマネジメントの視点が必要です。成長する企業は、多くの場合、新たな市場や事業領域に進出するために新しいリスクに直面します。財務担当者は、リスクを評価した上で、事業戦略を策定し、適度なリスクを取ることで、企業の成長を促進します。

また、ヒト、モノ、カネの経営資源をどのように配分するか、その判断はどうするのか。この点について悩まれている経営者の方は多いのではないでしょうか。財務担当者は企業が成長するために必要な資金を調達し、適切に配分することが役割でもあり、リターンとリスクのバランスを考えます。

財務担当者がリスクを正確に評価し、対策を検討できれば、企業にとって非常に心強い存在になるでしょう。あるマイナス的な事案が発生する可能性を想定したときに、企業に与える影響を企業価値評価のシミュレーションを行うことができれば、経営者は数値を持って判断することができます。
数値は具体的かつ客観的であり、世界統一した判断基準でもあります。

これからの財務担当者を育成するために

必要なスキルを学び、疑似体験で実践していく

財務担当者を育成しようと思ったら、アカウンティングとファイナンスの両面からの学びが必要です。通常の財務研修は財務諸表の基本や見方、利益の考え方などアカウンティングに偏る傾向があるため、ファイナンス思考を学ぶカリキュラムに重点を置くことがポイントです。また、インプットやケーススタディでの理解もカリキュラムとしては違和感はありませんが、実務につなぐことを意識した研修とした方が望ましいです。

これからの財務担当者に必要なスキルとして、以下7点がポイントになります。

(1)戦略の定量化(KGI・KPIの設定の仕方)
(2)収益モデルの設計
(3)事業採算性とキャッシュフロー最大化の視点
(4)事業投資の意思決定につながる分析
(5)企業価値・事業価値の考え方
(6)ROIC
(7)資金調達政策

学び方としては、はじめに財務会計の基本、管理会計・事業別ROICを学び、企業価値の考え方・評価の仕方等をインプットし、基礎的な知識を体系的に習得する。その後、企業価値を高めていく疑似体験をシミュレーションを経ながら、経営計画を策定するスキルを身に付けていくことが望ましいでしょう。

企業の持続的な成長を考えていく上でも人材育成は非常に重要です。その中でもファイナンス思考を持った財務担当者を育成していくことは、これからの企業成長の基礎づくりとして考えてみるのも重要ではないでしょうか。
アカウンティングを学べる機会はセミナーや書籍で多くありますが、ファイナンス思考を学ぶカリキュラムは限られています。その企業や担当者にあったカリキュラムを選択してくことも重要です。

タナベコンサルティングの「財務・アカウンティング研修」では、財務会計や管理会計、経営分析の基礎的な知識だけでなく、それらの手法や考え方を体系的に習得できます。さらに、ケーススタディやグループワーク、ビジネスゲームなどの実践的な方法を通じて、実践的なアカウンティング・ファイナンススキルを身に付けることができます。
貴社の課題にカスタマイズしたカリキュラムをご提供しておりますので、ファイナンス思考の人材育成にご興味がございましたら、ぜひ「財務・アカウンティング研修」サービスをご検討ください。

無料相談会

経営に関する無料相談会

WEBINAR

ウェビナー一覧はこちら

ABOUT

タナベコンサルティンググループは
「日本には企業を救う仕事が必要だ」という
志を掲げた1957年の創業以来、
66年間で大企業から中堅企業まで約200業種、
17,000社以上に経営コンサルティングを実施してまいりました。

企業を救い、元気にする。
私たちが皆さまに提供する価値と貫き通す流儀をお伝えします。

コンサルティング実績

創業
200業種
17,000社以上