COLUMN

2023.03.10

事業承継を成功に導く5つの出口戦略とは?

  • 事業承継

事業承継を成功に導く5つの出口戦略とは?

「2025年、日本の6割以上の経営者が70歳を超えるが、127万社で後継者が不在」日本企業の多くはそう言われています。「事業に成功して50点、承継ができて100点」の経営の格言の通り、企業の永続に向けていかに承継を行い、経営をつないでいくかが大切になります。事業承継を成功に導く5つの出口戦略についてお伝えします。

承継は最大の戦略である

日本企業276万社のうちの実に96.3%が同族会社となります(2020年国税庁調べ)。そのため事業承継と言えば、経営権を創業家が代々継承する世襲による承継スタイルが一般的でした。
しかし、近年は社内から社長を登用したり、外部から招聘したりする「所有と経営の分離」スタイルも増えてきています。経営が高度化・専門化し、後継候補と目されていた同族関係者も思い思いの人生を歩むようになるなど、世襲による承継スタイルだけではなく、経営ができる人材を経営者として登用するという流れが定着してきた結果と言えます。

価値観が大きく変化している現代においても、企業の存在目的は「よりよく存続していくこと」です。どんなに業績のよい事業でも、経営者や株主の交代で企業価値を減少させてしまうこともあります。企業を取り巻く利害関係者(ステークホルダー)に対する責任としても、企業価値を目減りさせることなく承継させていくことが、経営者の最後にして最大の仕事です。

一方、事業承継は企業にとって大きなチャンスともなりえます。
一般的に、企業変革は①経営環境の変化、②赤字、③事業承継の3つのいずれかが要因となって進むと言われます。この3つの事象に直面すると、経営者や従業員の変革に向けたマインドは敏感になり、変革を起こす気運が生まれます。このタイミングを逃さず、変化に向けた舵を切って企業変革を行うことが大きなチャンスとなります。
特に事業承継においては、経営トップが変わるという従業員にとって極めて大きな関心事になります。会社がどこへ向かって進んで行くのか、将来どのような姿に変わっていくのかなど、会社全体に変革を起こす一大チャンスとなります。その意味で、まさに事業承継は企業変革に向けた「最大の戦略」であると言えます。事業承継のスタイルは、同族、非同族、また、目指す経営スタイルでも変わってきます。今回は事業承継の5つの出口戦略についてポイントをお伝えします。

親族内の事業承継

自己資本と経営権の増強を実現する事業承継

同族会社が9割を超える状況から、一般的には親族内での承継を第1の選択肢として考える企業は多いと思います。後継者候補がいる場合は、来るべき承継に向けて周到に準備してゆく必要があります。

その1つ目は「資本の承継と経営の承継を踏まえた次世代組織体制の設計」です。事業承継マスタープランをつくり、企業理念・事業戦略を推進する組織として、最適な後継組織・後継人事、意思決定(権限移譲など)の機関設計を行います。

2つ目は「資本政策の立案と実行によるスムーズなバトンタッチへの取り組み」です。経営権の確立に向けた議決権集中と所有権分散(株式分散)への対応の両面への対応を行います。

そして3つ目は「後継者と後継者を支える次世代経営幹部の計画的育成」です。成熟化、高度化した経営では、後継社長を育てるだけではなく、後継社長を中心とした次世代の経営チームづくりが欠かせません。この3つへの取り組みが重要となります。

経営と資本の分離

ホールディングスによる経営・資本の事業承継を分離

親族内に後継者がいない場合、あるいは、企業規模が拡大して多角化などにより数多くの子会社を抱える場合は、後継者が一人で全事業の管理をすることが難しくなります。このよう場合は、ホールディングス化を行い、経営と資本を分離し、オーナーはホールディング会社の経営者となり、子会社各社は事業を経営する力のある適切な人材を経営者として選定するグループ経営へ移行する必要があります。
この場合は、グループ経営として子会社各社が分かれていても、一貫した理念・ビジョンを軸に環境対応のスピード経営を両立させる"不易流行経営"を目指すことが大切で、①グループとしての方針やルールの明確化(ガバナンス体制構築)、②1社1事業の原則でシンプルな事業分割によるグループ体制、③各社の経営者が適切な意思決定を行うため経営者の育成と可能な限りの権限移譲を行う必要があります。

株式上場を目指す

IPOによる親族外への事業承継

親族外承継を目指す中で、また、事業承継を機にさらなる成長を行うため、マイカンパニー(同族)からオフィシャルカンパニー(上場企業)を目指して経営と資本の分離を目的にIPOを行うことも選択肢の1つとなります。具体的な資本政策を時系列で設計し、上場企業レベルの社内体制を構築すること。また、株式上場に向けた成長戦略を明確にして、中期経営計画を策定することも必要になります。
株式上場は、①財務体質や社内管理体制の強化により社会的信用が向上、②従業員の士気や帰属意識が高まる、③人材獲得上の優位性も生まれるなど、事業承継を機に経営革新を一気に進めることにつながります。

役員陣に会社を託す

MBO(マネジメント・バイ・アウト)による役員・幹部陣への事業承継

親族に後継者がいないため、自社の有能な役員・幹部陣に会社を託したい場合は、現役員・幹部陣 に経営権(株式)を譲ることで承継を行うことができます。事業を熟知した現役員・幹部陣が経営を行うことで従業員からの納得性も高く、経営体制の変化に伴う混乱も最小限で済みます。
資本面では現役の役員・幹部陣が後継者となり株式(経営権)を保有することで経営が安定し、同族オーナーも保有株の売却で株式の現金化が可能となります。
オーナーの創業者利潤の確保・個人保証の解除・株式分散の防止を図りながら、役員・幹部陣へ会社を託すことで企業の永続発展を追及することができます。

第三者に会社を託す

M&Aによる社外の第三者への事業承継

「後継者不在」という事業承継問題を解決する手段として、株式の全部または一部を売却、あるいは、事業を譲渡することで企業の永続発展を目指すことができます。譲渡する相手が大企業の場合は、経営が安定して成長に向けたチャンスも増えるなどの効果もあり、親族に後継者がいない場合は、社外の第三者に会社を譲渡することも選択肢の1つとなります。

そのためには、シナジー発揮や、より強い経営基盤の元で経営をすることで成長が見込めるなど、事業と従業員の両方を生かすことができる買手先企業探しが大切となります。専門のアドバイザーのもと、買手先企業の選定から交渉、譲渡後の経営統合(PMI:ポスト・マージャー・インテグレーション)までサポートを受けて確実に進めることが大切になります。

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