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「インナーブランディング」と「アウターブランディング」をうまくリンクさせるコツとは?

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近年、企業のブランド価値を高めるために「インナーブランディング」と「アウターブランディング」の両方が重要視されています。しかし、これらを個別に進めるだけでは十分な効果を発揮しません。「インナーブランディング」と「アウターブランディング」をうまくリンクさせることで、企業のブランド力をより一層強化できます。本コラムでは、その具体的なコツについてご紹介します。

「インナーブランディング」と「アウターブランディング」を連携させる重要性

「インナーブランディング」と「アウターブランディング」が分離してしまうと、社員が社外向けのブランドメッセージを理解しきれず、顧客に一貫性のない印象を与えてしまうことがあります。ブランドの信頼性を高めるためには、社員がブランド価値を理解し、それを自然に社外へ発信できる環境を整えることが重要です。

インナーブランディングとは?

インナーブランディングとは、社員が企業の理念やブランド価値を深く理解し、企業文化として根付かせる活動です。具体的には、社内研修やワークショップ、社内報やブランドストーリーテリングなどが含まれます。社員一人ひとりが企業のブランドを体現することで、顧客や取引先に一貫したブランドイメージを伝えることができます。

アウターブランディングとは?

アウターブランディングは、企業のブランド価値を社外に発信し、顧客や市場に認知させる活動です。広告やPR、SNS戦略、イベント開催などが代表的な手法です。企業の理念や価値観を明確に伝えることで、ターゲット層に強い印象を与え、ブランドのファンを増やすことができます。

インナーブランディングとアウターブランディングをリンクさせるコツ

1.社員がブランドの「伝道師」になる仕組みを整える

ブランド価値を社内でしっかりと共有し、社員が自発的にその価値を伝えられるような環境を整えることが重要です。例えば、社内でブランドワークショップを定期的に開催し、社員がブランドストーリーを自分の言葉で語れるようにすることが効果的です。

2.社内文化と社外発信の一貫性を保つ

社内の価値観と社外に向けたメッセージが一致していなければ、顧客に違和感を与えてしまいます。そのため、社内向けのブランドメッセージと社外向けの広告・PRのメッセージを統一することが大切です。例えば、社内報や企業ブログを活用し、社外向けと同じストーリーを社内にも共有することで、一貫性を保つことができます。

3.社員がブランド体験を実感できる機会を提供する

ブランド価値を体現するには、社員自身がブランドの理念を体験することが不可欠です。例えば、自社製品やサービスを社員に試してもらう、ブランドの価値を体感できるイベントを企画するなどの方法があります。社員がブランドの価値を実感することで、それを自然に外部に発信する意識が高まります。

4.社内外のコミュニケーションツールを統一する

インナーブランディングとアウターブランディングをスムーズにリンクさせるためには、社内外で使用するブランドガイドラインやデザインを統一することが重要です。例えば、プレゼン資料やノベルティグッズ、SNS投稿のトーン&マナーなどを統一し、どの媒体でも一貫したブランドメッセージが伝わるようにします。

5.社員の声をアウターブランディングに活かす

社員が発信する情報は、企業の信頼性を高める上で大きな役割を果たします。例えば、社員インタビューをブログやSNSで公開する、社員がブランドアンバサダーとしてSNSを活用できる環境を整えるといった施策が有効です。

インナーブランディングとアウターブランディングの効果測定と改善

インナーブランディングとアウターブランディングを効果的にリンクさせるためには、定期的な評価と改善が不可欠です。以下の方法で効果を測定し、必要に応じて戦略を修正していきましょう。

1.社内外のアンケート調査

社員に対してブランド理解度のアンケートを実施し、ブランド価値がどの程度浸透しているかを測定します。また、顧客や取引先にもブランドイメージに関する調査を行い、社内外の認識のズレを把握することが重要です。

2.KPIの設定とモニタリング

インナーブランディングとアウターブランディングの成果を数値化するために、KPI(重要業績指標)を設定します。例えば、社内のブランド認知度、社員のエンゲージメントスコア、顧客満足度、SNSでのブランド言及数などを指標とし、定期的にモニタリングを行います。

3.ブランドワークショップや研修のフィードバック

社員向けのワークショップや研修を実施した後に、参加者からフィードバックを収集し、内容の改善を図ります。効果的な研修プログラムを継続的にアップデートすることで、ブランド価値の浸透を促進できます。

4.成功事例の共有と社内表彰制度

ブランド価値の浸透に貢献した社員や部署を表彰し、成功事例を社内で共有することで、他の社員にもブランド活動への関与を促します。例えば、「ブランド大使賞」などの表彰制度を設けることで、社員の意欲向上につなげることができます。

最後に

「インナーブランディング」と「アウターブランディング」をうまくリンクさせることで、企業のブランド価値を最大限に高めることができます。社員がブランドの「伝道師」となり、一貫したメッセージを社内外に発信できる環境を整えることが重要です。今回ご紹介したコツを実践し、貴社のブランド戦略をより強固なものにしていきましょう。

AUTHOR著者

タナベコンサルティング
ブランド&PRコンサルティング事業部
チーフコンサルタント

山田 康太郎

金融・食品・エネルギー商社・出版・労組協会等、幅広い業種へブランディングやツール製作の支援を中心に施策立案から実行推進支援までブランド&PRコンサルティングを行っている。顧客の課題解決に向けて寄り添いながら伴走するスタイルに定評がある。

山田 康太郎
ブランディングに関する相談会

DOCUMENTブランディング・PR関連資料

CONSULTATION 相談会

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