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企業の長期的な成功に重要な「ブランドエクイティ」とは!

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「ブランドエクイティ」を理解し、経営企画部門が中心となって戦略的に管理・強化することは、企業を長期的な成功に導きます。

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ブランドエクイティの構成要素

ブランドエクイティは、企業にとっての重要な無形資産であり、消費者がブランドに対して抱く認識・感情・信頼が積み重なって形成されます。このエクイティを高めるためには、以下のような構成要素に注力することが重要です。

1.ブランド知名度の向上
ブランド知名度は、消費者がそのブランドをどれだけ認識しているか、または思い出すことができるかを指します。知名度が高ければ、それだけ多くの消費者がそのブランドを選択肢に含める可能性が高まります。知名度を向上させるためには、広範な広告キャンペーン、SNSを活用した情報発信、戦略的なプロモーション活動などが必要です。

2.ブランドイメージの構築
ブランドイメージとは、消費者がブランドに対して抱く特定のイメージや連想です。これは、ブランドの価値観、製品やサービスの品質、顧客体験などから形成されます。例えば、「高品質」「信頼できる」「環境に配慮している」などのポジティブなイメージを持たれることが重要です。ブランドイメージを構築するためには、一貫したメッセージの発信や、消費者の期待に応える製品・サービスの提供が不可欠です。

3.ブランドロイヤリティの向上
ブランドロイヤリティとは、消費者がそのブランドに対して継続的に好感を示す度合いを指します。ロイヤリティの高い顧客は、競合他社の製品が登場しても、自分の選択を変えません。また、ブランドロイヤリティは価格競争を回避し、安定した売上を確保する上で重要な役割を果たします。ロイヤリティを高めるためには、優れた顧客サービス、ロイヤリティプログラム、パーソナライズされたコミュニケーションが効果的です。

4.ブランドアソシエーションの形成
ブランドアソシエーションとは、消費者がそのブランドと結びつける特定のイメージや感情、価値観を指します。強力なアソシエーションは、消費者がそのブランドを他のブランドと区別する助けとなり、ブランドのポジショニングを強化します。ブランドアソシエーションを形成するためには、企業のビジョンやミッションに基づいた明確なブランドメッセージの発信、社会的責任(CSR)活動、スポーツや文化イベントへのスポンサーシップが有効です。

5.ブランド資産の最適化
ブランドエクイティは、企業の財務的な価値にも影響を与えます。そのため、ブランド資産の最適化が必要です。これは、ブランドのポートフォリオ管理、価格戦略、マーケティング投資の最適化を通じて実現されます。例えば、製品ラインの拡張やリブランディングを通じて、新たな市場や顧客層にリーチすることが可能です。また、ブランドの価値を損なわないように価格を設定し、ブランドエクイティを維持することも重要です。

経営企画部門の役割と責任

ブランドエクイティの戦略的な管理と強化は、経営企画部門に大きな責任が課されています。以下では、経営企画部門がブランドエクイティ戦略を担当する理由と、果たすべき役割について詳しく説明します。

1.経営企画部門がブランドエクイティ戦略を担当する理由
経営企画部門は、企業全体の戦略を策定し、実行に移す中心的な役割を担っています。ブランドエクイティは、企業の競争優位性を確立し、持続的な成長を支えるために重要な要素であるため、経営企画部門がその管理を担当することは理にかなっています。また、ブランドエクイティ戦略は、企業の全体的なミッションやビジョンと密接に関連しているため、経営企画部門が統括することで、ブランドの一貫性と方向性が保たれます。

2.経営企画部門が果たすべき役割と責任
経営企画部門は、ブランドエクイティ戦略の策定と実施において、以下のような役割と責任を果たす必要があります。

(1)ビジョンと目標の設定
まず、ブランドエクイティの目標を明確に設定し、それを企業の全体戦略と連携させる必要があります。これには、ブランドのポジショニング、ターゲット市場、ブランド価値の定義が含まれます。

(2)リソースの配分
ブランドエクイティを強化するために必要なリソース(予算、人材、時間など)を効果的に配分する責任も経営企画部門にあります。適切なリソース配分により、ブランドエクイティ戦略の実行がスムーズに進行し、期待される成果を得ることができます。

(3)マーケットリサーチと分析
ブランドエクイティ戦略を成功させるためには、消費者のニーズや市場のトレンドを理解することが不可欠です。経営企画部門は、マーケットリサーチを実施し、その結果を基に戦略を最適化する役割を果たします。

(4)ブランドエクイティのモニタリングと評価
戦略が効果を発揮しているかを継続的にモニタリングし、必要に応じて戦略を修正することも経営企画部門の責任です。これには、ブランドエクイティの定量的および定性的な評価指標の設定が含まれます。

(5)部署間の横断的な協力推進
ブランドエクイティは、マーケティング・製品開発・顧客サービスなど複数の部門が連携して初めて実現できるものです。経営企画部門は、これらの部門間での協力を推進し、ブランドエクイティ戦略を全社的に浸透させる役割を担います。

成功するブランドエクイティ戦略のポイント

ブランドエクイティ戦略を成功させるためには、経営企画部門が主導して以下のポイントを押さえたアプローチを取ることが重要です。

1.一貫性のあるブランドメッセージの発信
ブランドエクイティを強化するためには、消費者に対して一貫性のあるメッセージを伝えることが不可欠です。ブランドメッセージが一貫していることで、消費者はブランドに対する信頼感を持ちやすくなり、ブランドエクイティが高まります。これを実現するためには、企業のミッションやビジョンに基づいた明確なブランドポジショニングを設定し、それに沿ったメッセージをすべてのコミュニケーションチャネルで発信することが求められます。

2.顧客体験の最適化
顧客体験(CX)は、ブランドエクイティに直接影響を与える要素の一つです。消費者がブランドと接するすべてのタッチポイントで、ポジティブな体験を提供することが求められます。例えば、迅速で丁寧なカスタマーサポート、パーソナライズされた製品やサービスの提供、シームレスな購入体験などが挙げられます。これらの施策を通じて、顧客のロイヤリティを向上させることができます。

3.デジタルマーケティングの活用
デジタル時代において、ブランドエクイティを強化するためには、デジタルマーケティングの活用が不可欠です。SNS・オンライン広告・SEO対策・インフルエンサーマーケティングなどを活用することで、ブランドの認知度を向上させ、消費者とのエンゲージメントを強化することができます。特に、SNSを活用したリアルタイムなコミュニケーションは、ブランドアソシエーションの形成やロイヤリティ向上に寄与します。

4.ブランドエクイティの測定と最適化
ブランドエクイティの戦略がどの程度効果を発揮しているかを測定し、必要に応じて戦略を最適化することが重要です。ブランドエクイティの測定には、定量的な指標(例えば、ブランド認知度・顧客満足度・NPSなど)と定性的な指標(例えば、消費者の感情的な反応・ブランドに対する感情など)が含まれます。これらのデータを基に、戦略を適時に修正することで、ブランドエクイティを持続的に強化することができます。

5.事例研究による学び
成功しているブランドの事例を研究し、それを自社のブランドエクイティ戦略に取り入れることも有効です。例えば、Appleは一貫したブランドメッセージの発信と卓越した顧客体験を提供することで、高いブランドエクイティを築き上げています。また、Nikeは、スポーツというテーマを中心にした強力なブランドアソシエーションを形成し、グローバルなブランドロイヤリティを確立しています。こうした事例から学ぶことで、自社の戦略をより強化することができます。

最後に

ブランドエクイティは、企業の長期的な成功に直結する重要な要素です。その構成要素を理解し、経営企画部門が中心となって戦略的に管理・強化することで、ブランドエクイティを高めることが可能です。一貫性のあるブランドメッセージの発信、顧客体験の最適化、デジタルマーケティングの活用、ブランドエクイティの測定と最適化、そして成功事例の活用といったポイントを押さえることで、ブランドエクイティ戦略の成功に近づけるでしょう。

AUTHOR著者

タナベコンサルティング
ブランド&PRコンサルティング事業部
チーフコンサルタント

山田 康太郎

金融・食品・エネルギー商社・出版・労組協会等、幅広い業種へブランディングやツール製作の支援を中心に施策立案から実行推進支援までブランド&PRコンサルティングを行っている。顧客の課題解決に向けて寄り添いながら伴走するスタイルに定評がある。

山田 康太郎
ブランディングに関する相談会

DOCUMENTブランディング・PR関連資料

CONSULTATION 相談会

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タナベコンサルティンググループは「日本には企業を救う仕事が必要だ」という志を掲げた1957年の創業以来68年間で大企業から中堅企業まで約200業種、17,000社以上に経営コンサルティングを実施してまいりました。企業を救い、元気にする。私たちが皆さまに提供する価値と貫き通す流儀をお伝えします。

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