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周年事業の進め方と準備の始め方

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周年事業の進め方を時系列で解説します。3年前から当日まで、「準備が9割」の成功ポイントを整理します。

周年事業とは?準備が9割の理由

周年事業とは、企業の創業や設立からの節目を社内外のステークホルダー(利害関係者)と共有し、関係性を強化するための一連の取り組みの総称です。目的は、歴史の振り返り、感謝の表明、未来への方針提示、組織の結束強化、ブランド認知の向上などに整理できます。

成功には周到な準備が不可欠であり、大規模な計画の場合は3年前、一般的な規模では1〜2年前から着手するのが目安とされています。周年事業は単独の式典ではなく、社内施策(記念式典、社史・年史の制作、記念品の企画・配布、従業員表彰、社内キャンペーン)と社外施策(特設Webサイト、広報・PR、社会貢献活動、記念イベント、取引先・地域向け施策)を組み合わせる複合プロジェクトです。

そのため、目的・方針の定義、推進体制の構築、長期スケジュールと予算の設計、リスク管理、記録と振り返りまでを含む全体ロードマップが必要になります。本稿では「準備初期(3〜2年前)」「企画フェーズ(2〜1年前)」「実行フェーズ(1年前〜半年前)」「直前準備(半年前〜)」「当日」「事後対応」の順に、やるべきことを時系列で具体化します。

準備初期〜企画:3〜1年前の必須事項

準備初期(3〜2年前)は、まず周年事業の目的と方針を文書化します。

例えば「感謝の可視化」「次の10年のビジョン提示」「採用・エンゲージメント強化」などの優先順位を明確にし、評価指標(参加者数、満足度、媒体露出、社内アンケートなど)を設定します。次に、プロジェクトチームを横断的に組成します。総務・人事・広報・営業・生産・ITなどからメンバーを選出し、意思決定の階層(経営会議、ステアリング委員会、事務局)を整理します。予算は概算でよいので早期に確保し、年度をまたぐ配分とガバナンスを定めます。

企画フェーズ(2〜1年前)では、コンセプトとテーマを策定します。企業の歴史・強み・未来計画を踏まえたストーリーを用意し、社内外施策の骨子(社史、記念品、式典、特設Webサイト、広報・PR、社会貢献)を一覧化します。並行して、全体タイムライン、主要マイルストーン、ベンダー選定方針、法令・安全・個人情報への対応方針を整備します。関係者向けの基本方針説明と社内告知の下準備も、この段階で着手します。

実行・直前・当日・事後の運営

実行フェーズ(1年前〜半年前)では、各施策の制作・手配を開始します。

社史・映像・Webサイトの制作、会場・機材・ケータリングの手配、記念品の設計・発注、招待リストと住所録の整備、デザイン統一、法務・コンプライアンスの確認を進めます。ベンダーと詳細スケジュールを共有し、契約・支払いの計画とリスク対応計画(代替会場、天候、感染症、交通、システム障害)を用意します。

直前準備(半年前〜)では、プログラム詳細の確定、登壇者・司会の確保、招待状と告知の開始、参加登録の導線設計、運営マニュアルと進行台本の作成、全体・部分リハーサルを実施します。当日は、受付・誘導・進行のオペレーション、音響・映像・配信の監視、来賓対応、緊急時の連絡系統を明確にし、運営指揮所を設けます。事後対応では、御礼状・レポートの送付、メディア・社内への記録公開、写真・映像・資料のアーカイブ化、費用対効果や目標達成度の振り返り、改善提案の作成まで行います。

推進体制の作り方と役割設計

推進体制(プロジェクトチーム)の作り方は、横断性と権限設計が鍵です。

各部署から選出したメンバーで構成し、事務局(PMO:Project Management Office)は計画・進捗・予算・品質・リスク・調達・広報の統括を担います。経営層は目的・方針の最終承認、重要意思決定、対外メッセージの発信を担当します。ステアリング委員会は優先順位調整と資源配分を行い、ワーキンググループ(式典、社史、記念品、Web・PR、総務・安全など)は成果物の実行責任を負います。

役割分担はRACI(Responsible=実行責任、Accountable=最終責任、Consulted=協力、Informed=情報共有)の観点で明確化し、会議体の頻度(週次・月次・ゲートレビュー)とドキュメント管理(版管理、承認フロー)を定義します。コミュニケーション計画として、社内向け告知、FAQ、問い合わせ窓口、外部向け広報計画を準備し、外部パートナーとの契約管理・安全衛生・保険の手配も事前に整えます。

まとめと行動喚起

周年事業は、目的の明確化・推進体制の確立・長期スケジュール設計という3点を早期に着手することで、当日の運営品質が安定し、社内外への波及効果が高まり、再現性のある成功パターンを作ることができます。まず「大規模は3年前、通常は1〜2年前」という目安を起点に、全体ロードマップと主要マイルストーン、年度をまたぐ予算枠、意思決定フロー、評価指標、リスク対応計画、記録・振り返りのプロセスまでを見える化し、関係者と共有・合意してください。

準備が9割だからこそ、今日から目的・方針の文章化、横断的な体制発足、概算予算の確保に着手し、初期の3つのアクションで計画の全体像を整え、関係者の合意形成を加速させましょう。

AUTHOR著者

タナベコンサルティング
ブランド&PRコンサルティング事業部
ゼネラルマネジャー

椋野 啓司

CRMとして顧客データ管理や、関係構築強化に従事。プロモーション活動を推進し、リード獲得、ナーチャリングに寄与。現在は、プロモーション戦略の推進・運営に携わり、マーケティングサイトの運営含め、デジタル化に取り組む。顧客との新たなコミュニケーションモデルを構築し、価値創造を推進する。

椋野 啓司
ブランディングに関する相談会

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CONSULTATION 相談会

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